見出し画像

事件は現場で起きている。現場に行こう、現場を知ろう(ステークホルダーとの協働の話)

こんにちは。高武(@shumpeei)です。昨年に引き続き、トレタのモバイルオーダープロダクトトレタO/Xの責任者をしています。
このエントリーはトレタ Advent Calendar 2022の14日目の記事です。

今年も目まぐるしい一年で、あっという間に一年が過ぎ去ろうとしています。今回はこの一年を振り返りつつ、自身が今のロールで大事だなと思うちょっとした事をシェアさせていただきます。

個人の2022年

個人の振り返りとしては、中毒かという位に運動をしてきた一年でした。ここ数年はトライアスロンに没頭していて、これまでの行き当たりばったりだったトレーニングを体系的に、時間も自分の時間が確保しやすい早朝帯に固定化して取り組んでいます。

結果としてはトライアスロンやマラソンレースで過去最高記録を残す事ができ、私は来年で40歳になりますがしっかり鍛錬を重ねる事でまだ限界は越えられると思ってます。仕事も含めて目指せ生涯現役。

友人からは何でトライアスロンなんてハードな事をしているのかと言われるのですが、私としては子どもが親離れをしていく中で打ち込む対象が子どもからトライアスロンにシフトしている、という感じです。

2年後のアイアンマンレース完走を目標に、年間/週間でプランを立てトレーニングに励む日々

仕事の2022年

仕事(担当しているモバイルオーダー事業)に関しては、改めて土台づくりに取り組んだ一年でした。

一昨年にPoC版、昨年に製品版をリリースした後にお客様からのリクエストにスピード感持って応える形でこれまで新規機能開発を進めてきた所から、今年は細かなUI・UXの改善や顕在化した課題に対する内部改修、技術的負債の解消に取り組んだ一年でした。

こういった取り組みは外(特に非エンジニア)からすると見えにくく地味なものに映るかもしれませんが、飲食店さまの業務の中枢を担うOSとしての信頼性・品質を高める事こそが中長期的なプロダクトの価値を下支えする、そう思い胆力を持って突き進んで来ています。

尚、これまでの歩みで培った知見を元に、先行導入いただいている店舗様で上げられている成果をより多くの店舗さまでも享受いただける様な新しいサービスプランを現在開発中です。

今はクローズドβ版として幾つかの店舗さまでご利用いただいており、フィードバックを元に来年ローンチ予定です。乞うご期待下さい!

ステークホルダーとの協働で心がけていること

さて、ここからは今の仕事上で多くの時間を使っている各ステークホルダーとの協働について、「現場」というキーワードで心がけていることをちょっとシェアさせていただきます。※私が出来ているという話ではなく、あくまで試行錯誤しながらやってきた中での考えの話です

仕事上、私は「現場」という言葉を多用する癖があります。何かにつけて「現場」と言います。飲食店勤務からキャリアをスタートしている事が原点にあります。

店舗勤務から、数年後に本部勤務に異動したのですが、鬼軍曹の上司が某映画の主人公のセリフ「事件は現場で起きている」を地でいく超現場主義で、繁忙期はチーム全員自身の仕事を後回しに店舗応援に行っていました。(思えば店舗の閉店作業をしてから本来の自身の業務をやるというスーパーハードな日々で懐かしい)

「我々の仕事は誰のためのものなのか」、飲食法人で仕事をしている以上言葉の通り全ては現場に繋がっていて、新卒であろうが中途であろうが現場が分からない奴は会社の中で相手にされず仕事も全く進められない。

現場解像度こそが何かを企画する際にも社内の関係各所と業務を遂行する上でも非常に重要で、仕事の成否を左右するものである、そんな考えがDNAレベルで染み付いています。

そしてその「現場が全て」という考えはその後IT産業で仕事をする様になった今でも私の信条で有り続けています。

今でも信条と言っているのは、別に店舗といった物理的な場所に限らず、仕事上の最前線は全て「現場」であり、その現場理解こそが仕事の全てだと思っているからです。

前提として、今、ロール上で私は以下の様なステークホルダーとコミュニケーションをしています。(トレタではプロダクト全般の責任者をプロダクトオーナーと呼んでおり、私は今そのロールを担当しています)

社内外で多種多様な方と関わりながらプロダクト、サービス、事業を形作っています

まずは社外。プロダクトを導入頂いている、または導入をご検討頂いている飲食法人の方々が何より重要なステークホルダーです。

トレタは飲食業界に特化したVertical SaaSであり、店舗さま・本部さまの業務の中で使うプロダクトを開発・提供している為、どれだけ深く業務理解が出来ているかでプロダクトの成否が決まると思っています。深く業務理解をした上で現状の体験を越えるプロダクトを作ることが出来るか、という戦いですね。

そして社内。プロダクト、サービスを形づくりお客様に届ける上ではプロダクトチームは勿論、ビジネスサイド、バックオフィス、そして経営陣と様々なメンバーがステークホルダーとして存在します。

※企業によってはPM/PMMという形でプロダクト責任とビジネス責任を分割しているケースもあると思いますし、トレタも一人が全て担当している訳ではなく中で担当領域は分割しています

Dan Schmidt氏のThe Product Management Triangleより引用
残念ながら私では穴だらけなので、チームで補い合っています

プロダクトや事業は組織で育ててデリバリーするものであって、誰か一人の思いや力では限界があります。ステークホルダーといかに協働できるか、というのは組織で成果を上げる上で誰しも重要なイシューの一つだと思います。

一旦私の様なプロダクト・事業に責任を追っているロールを今回は代表例にしますが、ステークホルダーと協働する中でなかなか意思疎通がうまく行かず業務が思う様に進まない、というのはこのロールあるあるかなと思います。私もあります。

自身の研鑽のためにPMの幾つかのコミュニティに参加しているのですが、同様な立場でステークホルダーとのコミュニケーションに躓いていて、思う様に理解・協力が得られずにプロダクト・事業が立ち上がっていかない、そんな悩みを結構目にします。(激しく頷くケースに出会うこともしばしば)

私の所感ですが、その課題感を突破する一つの鍵がお客様と同じ様に社内ステークホルダーに対しても「現場」を知るという事なのではないかなと思います。そして、その「現場」理解のためには以下の様なことが大切なのではないかな、と思っています。

①出来るなら、その人と同じことをする


お客様(飲食店さま)なら、実際に店舗に足を運び何ならスタッフとして働かせてもらい、店舗のオペレーション理解に努めます。それと同じ話で

・アプリケーション開発に挑戦してみる(過去にプログラミングスクールにちょっと通ってみたりもしていましたが今年はオンラインスクールでFlutterに挑戦。最近挫折気味ですが…)
・自身でデザイン制作をしてみる(クローズしてしまいましたがCocodaがやっていたオンラインプログラムをやっていました。デザインは絶対見せられないw)
・自身がセールスをする
・自身がカスタマーサクセス/サポートとしてお客さまを担当する
・自身がサービスの契約書雛形を起こす

といった様に、相手の領域に一歩でも自身が踏み込む事でその人の業務で求められるマインドセットやスキルセットへの解像度がぐっと上がり、その人の立場ではどの様な情報が必要なのか、という観点を持ちやすくなります。

自身がその人と同じレベルで業務を出来る様にするという話では全く無く(というか無理)、その「一歩」があると無いとではコミュニケーションに雲泥の差が出てくると思っていて、仕事上関わる方の業務を何らかの方法で積極的に追体験する・覗く様に心がけています。

②その人の言語を学ぶ


こちらも①同様の話で、お客様(飲食店さま)なら例えば「FLコスト」「回転率」「レジ締め」「VOID」といった業界用語を理解しておく必要があります。社内でも同様で、

・技術スタックやリリース管理手法
・デザインツールやデザイン用語
・ビジネスメンバーが担っているKPIや社内で運用しているSalesforceのオブジェクト名
・「広報」と「PR」
・会計の知識(財務諸表など)

といった、その人が普段使っている「言語」を出来る限り理解できる様に努めています。(特にエンジニアの言語は難しいので一部に限りますが…)

外国語と同様の話で、相手と同じ言語を理解し、共通言語で少しでも話せる様になることでこちらの意図も伝わりやすくなります。

以上、

・お客様に対して価値のあるプロダクト・サービスを届けるためには組織の中の各プロフェッショナルであるステークホルダーとの協働が必要不可欠
・その為には適切なコミュニケーションが重要
・ステークホルダーにとっての「現場」理解を深めるとコミュニケーション精度が上がるはず

という話でした。

尚、トレタでの最強の共通言語は「飲食店さま」。全メンバーが「飲食店さま」を主語にどう価値を届けて成功を支援するかにベクトルが向いているカルチャーであることがベースにあるので、自身は環境に恵まれているなと思います。

そんな協働して飲食業界に対して大きな価値を届けていくチームに関心を持って頂けた方、ぜひ気軽にコンタクトください!


この記事が参加している募集

PMの仕事

スタートアップ/ビジネス開発といった自身の仕事について整理し書いてます。時々は子育てやローカルネタも。