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エチオピア、アルバ・ミンチの「平和」と「資源」-ガンベラしか知らない私が見て感じたこと-

みなさん、こんにちは。最近、エチオピアの南部にある都市アルバ・ミンチというところに弾丸旅行で行ってきました。昼に到着し翌日の昼に出発する超弾丸旅でしたが、最近アディス・アベバにずっといる私としては、とても新鮮な旅となり楽しかったです。また、ガンベラのことは日本人の中ではよく知っている方ですが、それ以外の場所のことはあまり知らず今回アルバ・ミンチとガンベラの比較をする機会にもなり勉強になりました。この機会に少しだけ見て考えたことを綴れればと思います。

アルバ・ミンチの標高は約1,300mでアディス・アベバよりもだいぶ下がるのでガンベラほどではありませんが、飛行機を降りた瞬間に湿度と気温が上がりました。

アルバ・ミンチ空港(規模感はガンベラとほぼ一緒)

まず空港を出て見えたのが広大なバナナ畑でした。とても広そうだったので誰が所有しているのか気になり訊いたところ、現地のエチオピア人とのことでした。アルバ・ミンチのバナナはアディス・アベバで売られ、マーケットシェアは80%を超えているらしいです。

空港から街の間にあるバナナ農園

ホテルまでの移動中、街の様子を見ていましたが、とてものどかでした。アルバ・ミンチは争いのない平和な場所であるとは聞いていましたが、道路の舗装状況や建設工事の様子、街の雰囲気を見ているとやはり発展していて平和な印象を受けました。住民の目も優しく感じました。

道路舗装がきれいで人の身なりが良い印象

アルバ・ミンチには大きな湖が二つあり、資源が豊かです。レストランではナイルパーチなどの魚を食べることができます。また、湖にはワニが生息していることでも有名で、クロコダイル・ファームと呼ばれるワニの養殖場があり、1,100ブル(外国人料金)で見学することが可能です。卵を孵すところから始まり、5~10歳のワニが販売され、10歳を超えると売れなくなるので湖に返されるそうです。養殖場スタッフによると輸出先は日本、南アフリカ、イタリアなどの国で革製品として売られます。この産業がどれほど現地の発展に役立っているのか数値的に知りませんが、アルバ・ミンチは革製品の産地にもなっていることがわかりました。

ホテルから見える湖と森の景色
クロコダイル・ファームのワニ

少しガンベラとの比較をしてみようと思います。一つめは「平和」についてです。アルバ・ミンチは、ガンベラほど見た目や生計スタイルが違う民族(ヌエル、アヌアック、ハイランダー(高地人)など)が混在している都市ではなく、いわゆる、ハイランダーの街です。また、南スーダンのように紛争が続く場所と隣り合わせで武器密輸や武装グループが潜伏し住民を虐殺したりして敵対関係が生まれたり(平和構築文献ではSpillover effectと呼ばれたりします)、難民が流入し「よそ者」が大量に増えることもまずありません。これは、平和構築用語を使うとアルバ・ミンチの人々が「社会的結束」を強めやすい環境が整っているといえるでしょう。これは結果としてアルバ・ミンチの安定した治安を形作る要素になり、生産的活動に役立ちます。

2つ目は「資源」についてです。上述したようにアルバ・ミンチにはバナナ、魚、ワニなど資源が豊富です。それ以外にも綿も確認しました。こうした産業がある程度現地に還元され比較的豊かな街が作られているように感じました。現地エチオピア人によって経営されているバナナ農園はその典型ではないかと思います。一方、ガンベラには農業に適した土壌がたくさんあるのですが、現地人によって有効的に使われておらず、大規模な商業農業を行うのは"Investor"と現地の人に呼ばれるパキスタンやサウジアラビアの外資系企業で、現地人の農家は小規模で自給自足が多いようです(ここはもっと調べ上げたいと思う部分ではありますが。)。対照的に、現地人が経営するバナナ農園が広がっているのを見るとアルバ・ミンチの発展具合を物語っているように見えました。

アルバ・ミンチで一泊ではありますが感じたものがあり、逆にガンベラに思いを馳せた、そんな弾丸旅行でした。以上、簡単ではありますが、私の限られた知識で考察しました。今回の弾丸旅行は数日前に思い切って決めたのですが、行ってよかったなと思いました。

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