見出し画像

悩んだら風呂に入れというのはマジな話(1月2日〜1月8日の日記)

■1月2日
 大御所男性歌手が女性アイドルに「子供を産んで〜」などとセクハラ発言をしたとかで軽く炎上騒ぎになっているらしい。「会社員じゃなくてもおじさんのセクハラって発生するんだね」と言う私に「いや芸能界のほうがセクハラあるでしょ」とオット氏。嫌なものを見聞きしまったので美しいものに触れたいという気持ちが湧き上がる。浄化するために明日は美術館に行こうという話になる。
 夕方までガストに行って仕事。夜は“おこげパスタ(暗殺者のパスタ)”というバズっているレシピをつくって食べた。今日実家で家族の集まりがあったみたいだが、私は行っていない。

■1月3日
 国立近代美術館へ「大竹伸朗展」に行く。大竹伸朗の大ファンのオット氏は興奮してグッズもたくさん購入していた。2時間ほどみっちりまわり、生身の現代美術家に圧倒された。ふっと、以前近所の区の施設で展示をしていた名もなきアーティスト(三十代・男性)のことを思い出し、彼も大竹伸朗くらい有名になることを目指しているのかもしれないなどと思った。でもこれだけ有名になって、グッズが作られるまでになる美術家は、本当に一握りなんだろうな。
 青い絵や赤い絵、説明できない色の絵を見て、色の多様さを見せつけられた。

■1月4日
 明日から仕事初めということで嫌な気持ちになる。校正の勉強も思うように進まず、本当に校正者になれるのか、4月からお金を稼ぐことができず貯金でやりくりしながらオット氏に協力してもらう私は生きている意味があるのか、などと不安が巡回する。
 18時ごろまでファミレスで仕事をだらだらし、銭湯に行って寿司を食おうというスペシャルなオット氏の提案に乗っかった。
大きな風呂に浸かると、不安が一気に吹っ飛ぶのは不思議な現象である。どうでもよくなるのではない、クソどうでもよくなるのだ。悩んだら風呂に入れ、というのはマジな話だ。
 寿司やでは大好物の芽ネギを食べる。久々にビールを飲んだらすぐにお腹いっぱいになってしまい早々に帰宅。流れで「ファンタスティックビースト」の最新作を観る。

■1月5日
 仕事初め。10時ごろのそのそと起きて、メールなどをさばく。苦手な人から新しい仕事の依頼があったが、それもちゃんと断る(苦手すぎてその人のことを着信拒否しているのだが、めげずに電話してきているらしく「電話が通じませんよ?」と言われたがスルーした)
 午後までおとなしく仕事をしていたが、突然17時ごろチャイムが鳴る。なんと母親がやってきた。
 私がグループラインを抜け、正月の集まりにも顔を出さないことを心配したようだった。事前に行ってもいい?とオットに連絡を入れたようだが(オット氏は丁重に断った)、それでも来た。
「一人にさせてくれ」とどれだけ頼んでも、母親は勝手にやってくる。「ママの顔を見ればひさこは元気になるから」と信じているからだ。今日も手料理を持ってきて「これ食べて元気出して」と呪いを押し付ける。私は呆れて、家に入れなかった。玄関先でほとんど覚えていない会話をし、「本当にいきなり来るのは迷惑なので、やめてほしい」と伝えて追い返した。それでもなお、母は笑っていた。そんな冗談言って、本当はママに会えてうれしいんでしょ。と言わんばかりに。
 東京を出ることを考えたほうがいいのかな。私を苦しめているのはあなただよということが、どうしても本人には伝わらない。頓服薬3錠。

■1月6日
 寒くてなかなか起きられないと思ったら、今日から小寒で二月の節分まで「寒の内」と言われる寒さが厳しい時期らしい。頓服2錠。打ち合わせが一本あり、打ちのめされる。花金の今日、やれることだけを急いでやって三連休へと滑り込む。

■1月7日
 待ちに待った三連休が始まる。が、特にやることはない。“やることがないから休み”という感覚にここ数年で徐々に慣れてきた気がする。
朝起きて2キロランに行き、シャワーをあびてプロテインを飲む。12月、1月になってから全然ランニングに行っておらず久々のワークアウト。走りながら聞いたポッドキャストで唐揚げというワードを聞いたせいで、昼に揚げ物パーティを開催する。今日は七草粥の日だというのに、昼から罪深い(夜ちゃんと七草粥食べました)。
 夕方渋谷のロフトまでスケジュール帳を買いに行き、柄にもなくビタミンカラーのスケジュール帳を選ぶ。普段は黒や茶色しか手に取らない私に「きっとこれを見るたび元気になるから」とオット氏が勧めてくれたのだ。ピカピカのビタミンカラーの手帳がまぶしく、まだドキドキしている。でもきっと、この手帳とならどこまでもやっていけそう。そんな気がした。

■1月8日
 元気がないんだ、という友達に勇気づけにランチに繰り出す。マッチングアプリで出会った男性とうまくいかないなどの話を聞く。私も妊娠の話などをふわりと聞いてもらった。
 大量につくっていた白菜のゆず漬けがそろそろ古くなりそう、ということでシチューに変身させて夕飯。これは多めに煮物をつくって最終的にカレーにした経験によるもので、第一形態で味が染み込んでいるものの第二形態はうまい。料理のリメイクは生まれ変わりみたいで楽しい。
 明日で三連休が終わるが、頓服薬を飲んでいない。やはり揺さぶりの元凶は仕事と親か。

今度一人暮らしするタイミングがあったら猫を飼いますね!!