臥る日が多い鬱、料理の日々(2024年5月の日記)
■5月1日
日記文学好きのわたくし、『壇蜜日記』に夢中。今日はそれなりに原稿を書いたりした。GW中にやりたいことを考える。忍たま乱太郎が食べていた竹皮に包まれた塩おにぎりを外で食べたい、中華せいろを買ってしゅうまいを蒸したい、胡椒餅も焼きたい。外食をするよりも、いまは自分でつくって食べるをしたい気分のGW。
■5月3日
最近お気に入りの高円寺のカフェに行く。日差しがよく入り、子どもも犬もOKな良心的なカフェである。子どもが喚いたり、犬が多少吠えたとしても誰も咎めない。「お子様お断り」と書いてある飲食店を見ると入りたくなくなるから、こういったやさしいカフェを見ると犬も子もいないが穏やかな気持ちになる。
吉祥寺に行ったら、中華せいろをかなり安く買えた。帰ってしゅうまいを蒸す。目標を達成。ついでにスーパーに売っていた冷凍の中華おこわも蒸す。なんでも蒸せばうまい。
■5月4日
どうしても忍たま乱太郎のおにぎりみたいに竹皮で包んだやつを食べたくて、昨日中華おこわが包まれていた竹皮を洗って乾かし、塩おにぎりとぬか漬けきゅうりをつつんで新宿御苑に行った。おにぎりを包むには竹皮は小さすぎたけれど、とりあえずこれも目標達成。
その後、河童橋に行き、龍のイラストが入ったラーメンの器を買う。帰って担々麺を作って食べた。こういう町中華屋で出てくるTHE ラーメンみたいな器も好きだし、澄んだ薄いブルーの器も好きだ。
■5月5日
昨夜、家族のことでまた嫌な思いをして、3時まで眠れなかった。これまで史上大きな家族のトラブルかもしれない。しかしいま急にはじまったわけではなく、物心ついたときからずっとあり、じわじわと侵食があった。
しまむらに夏用のパジャマを買いに行って、デニーズでお昼ご飯を食べた。「ジョブチューン」という格付け番組好きのパートナーが、先日放送されたランキングで上位だったハンバーグを食べたいとのことで。味はとてもおいしかった。知らない土地に行き、一期一会で外食をするのも魅力的だが、私はいつでも同じ味が出てくるファミリーレストランが大好きだ。
16時くらいに外に出て道を歩いたとき、通りに一直線に植えてある木々のさざめきが美しかったことを、一生忘れないだろう。
夕方に祖母に電話して、お稲荷さんの作り方を聞いた。もしもお稲荷さん世界一決定戦があったら、祖母のお稲荷さんが間違いなく一位だ。そのお稲荷チャンピオンに言われた通りにつくり、完成写真を送ったら「硬そうだね」と言われた。道のりは長い。
■5月6日
朝からお稲荷さんを弁当にしてタッパーにつつむ。確定申告アプリの会費が使っていないのに、今年の分を勝手に引き落としされていて、ショックを受ける。
雨が降りそうだったので、近所の公民館でお稲荷さんを食べる。半分ピクニックという感じ。たまたま地域のブラスバンド演奏会が行われていたのでふらっと入ったら、想像以上によかった。音楽はいい。私のようにふらっと入った者もいれば、きっと毎年楽しみに聴きにきているんだろう常連もいて、最後はみんなで大拍手をした。一人できて音楽を聞いているおじさんがポツポツといて、心が温かくなった。
◼︎5月7日
突然父親から手紙がきた。開けない。以前は「死にトリ」(サイト)などを利用して、死にたいという気持ちを別の気持ちに分解して落ち着いていたが、いまはどうしていいのかわからない状況だ。死にたいのかもしれない。前みたいに、家族の問題を解決したい気持ちがあるのかどうかは微妙で、今はただ平穏な日々を続けない気持ちが大きいのかもしれない。親に生活を邪魔されたくない。
別のことをして気を紛らわした。タバコを吸ったり原稿を書いたりした。
■5月8日
気を紛らわすためにひたすら原稿。夕方髪を切りに行った。史上最強に短い。ティルダ・ウィンストンみたいにしてくださいって言ったんだもの。
■5月9日
疲労感。だるさ指数40といった感じ。思えば今年に入ってからずっとだるさ指数は50いかないくらいが続いていたような感じ。
仕事をひとつ断る。自分が正しく働けないことを、自分に思い知らせた。私は健常者ではないのだ。
◼︎5月12日
パートナーが親たちと電話をする。いわゆる仲裁に入ってもらった。今月、パートナーの親たちと両家顔合わせをする予定だったが、旅行はキャンセルになった。それくらい事態は重たい。
◼︎5月13日
いろんなことが起こった。
環境をつくりたいと思った。原稿の依頼ももう受けるのをしばらくはやめよう。人に取材するのも疲れる。取材の申し込みも、何もかも疲れる。やはり事務所に所属して、いただく仕事をコツコツやっていくほうが私に向いている。
今までは、仕事を「好きな仕事」と「得意な仕事」にわけていた。この10年、好きな仕事をやってきたわけではなく、得意な仕事をやってきた気がする。でも、これからは得意なことを選ばず、「向いている仕事」を選びたい。家でひとりでコツコツできること。誰とも接触がないこと。そういう環境に身を置くのが自分に向いている。
◼︎5月14日
昨日一歩も外に出なかったので散歩。ラジオ聴いて、今日はパートナー氏が遅い日だからゆっくりと過ごす。弟1から連絡があった。「いままでひさこちゃんの病気のことを何も知らなくてごめん」だそうだ。弟2は、この状況をおかしいと思って憤慨していた。その気持ちが弟1に伝わったのかもしれない。でも弟1が私の病気のことを知らなかったのは親のせい。親が、私の病気のことをひた隠しにしていたから。
義母からライン。顔合わせがキャンセルになったことを「気にせんでええよ」と言ってくれた。善意と優しさに埋もれて、返事をかえせない。
■5月15日
連絡のトラブルがあった。記者会見に行かなくちゃならない仕事があったのだけど、私はてっきり編集さんが申し込んでくれていると思っていたが、編集さんは私が勝手に申し込んでくれていると思っていた、という行き違い。案の定へこみ、睡眠不足がたたって20時間くらい寝た。到底自分のせいではないこと。自分ではどうにもならないことでも、なんとか自分に責任を押し付けようとして、私は自分を攻撃する。やめたい。
夜中に起きたら雨がふっていて、もう死にたいとなったことを覚えている。夢も最悪で共同親権が施行された世界で虫になる夢。映画「ジュリアン」を観たのせいかな。
■5月16日
昨日の行き違いの話を「俺だったら気にしない笑」とパートナーにいわれてかなり心が楽になる。ラッキーでしょ、それはって。だから結局認知のゆがみ。
今苦しんでいるのは、認知のゆがみだということを理解すると、最近少し楽になる。あと、大人になったせいで、この苦しみがずっと続くわけではないということを知っているから昔と比べてベッドから起き上がることができる。
今朝は「虎に翼」が雄三さんが出てきてうれしかった。
ジャスミンティー、コーヒー、ブロッコリー、薬膳的にいいものを食べる。これを食べたから大丈夫という積み重ねが私を支えている。昼はパートナーが作ってくれていたチャーハンを食べた。「気分転換にちょっと遠くのスーパーまで野菜を買いに行ったら?」という提案に従い、カブを買いにでかける。天気も曇りから晴れになるタイミングで、とても心地よかった。自分の機嫌は自分でとっていきたい。
たまっていた友人たちへのメールやLINEの返事、義母からメッセージが来ていたので、その返事もやっとできた。すっきりとした。共同親権反対。
■5月17日
朝ドラ「虎に翼」で、虎子と優三さんが結婚した。よかった。
ゴミの日の前日、台所に置いた燃えるゴミが臭うのが最近の悩みだ。口は結んでいるのに臭うのは、きっと夏が近づいているからだろう。
家で原稿が書けなくて、久々にコメダ珈琲に行った。それなりにできたと思う。
■5月18日
土曜日。渋谷のNewJeansのポップアップへ。K-POPは好きでよく聞くけれど、パートナーと揃って好きになったのはNewJeansが初めて。
麻辣担という食べ物を食べた。好きな具材をいくつか選んでから調理してもらう辛い春雨の麺。辛いは辛いでも体によさそうな爽やかな辛さだった。帰ってきて昼寝した。
■5月19日
母親からまた無神経なラインがきた。この人にはもう話が通じないのかもしれない。
◼︎5月22日
朝、首を寝違えたまま、15日のことで心配していたメールの返信が来て、原稿が終わって、ゲラも納品して、なんだか色々と先が見えた一日だった。ほら、大したことなかったでしょう。
今日はそんなに集中はできなかった。NHK「孤独を感じる日によむ本」という番組の中で紹介されていた松本大洋の『Sunny』のセリフに「苦しいことも楽しいことも長くは続かないことが救いである」とあり、救われる。
『Sunny』の話をしたら、パートナーが「俺も最後までまだ読んでない」ということで、突然全巻買ってくる。この人、こういうところがある。
■5月24日
やっと原稿が終わったと思ったのに、著者の人が粘りたそうだったので一件保留に。今までの私だったら「また終わらない苦しみが続くのか」と起こりもしない未来を想像し、ネガティヴな思考に支配されて週末を無駄にしていた。が、それはそれ、これはこれができるようになったいまの私は、「そうか〜じゃあ仕方ないか〜」と考えるようになった。それに気づけて、少し楽になる。
8年くらい前にカウンセラーの先生が「考え方の癖を変えるのはとても時間がかかる」と言っていたが、時間はかかるが、必ず自分が生きやすい方向に考えは変えられることを実感した。
金曜なので、外食にということでラオス料理を食べに行った。その後、お酒を少し飲みたいねとふらっと入ったバーが大当たりだった。いい音楽とアイリッシュクリームというリキュールで割ったお酒を少し飲み、とてもいい気分で帰る。事実と考えたことをわけるだけで、金曜の夜をこんなに楽しむことができる。認知のゆがみを私は、追放したい。
■5月25日
ユニクロが安いので買い出しに行く。パートナーはスーツ、私は結局何も買わなかった。行きたかったラーメンを食べに三軒茶屋へ行く。すごくおいしかったけれど、最近小麦粉をたくさん食べると体調を崩すことが気になっている。
『恋じゃねえから』という漫画を読みはじめる。『Sunny』も読み進める。
■5月26日
日曜日はずっとひとりで家にいた。昼間から揚げ物をして、鶏の南蛮漬けをつくる。18時に早めに夕飯を食べて、最近ルーティンになりつつある銭湯へ行く。行く途中にお腹が痛くなって困った。
銭湯のおかげでぐっすり眠る。
『Sunny』を読了。松本大洋の最高傑作といわれているが、凄まじく感動してしまい、しばらく『Sunny』の話しかできなそう。
■5月28日
昨日も体調が悪かったが今日も最悪。しかし薬が切れたので通院しないといけない。1時間ほど待って、やっと診察。45分間主治医と話して、泣き、椎名林檎の新曲を聴いて寝た。フレッシュネスバーガーで、椎名林檎の新譜を全部聴いた。
特に新曲の「ちりぬるを」という弔いの曲で大泣きをした。
インナーチャイルドならぬインナーひさこちゃんがが「ちりぬるを」を聴いて泣いてるから、毎回感動して泣いてしまうのかもしれない。子どものころから何度か自分が死んだ意識があるから、それに対しての弔いの立場として聴いてるんだと思う。自分の中にエネルギーや苦しい気持ちがたまっていて、それは長らく発散されていないため、こもって熱になるしかない。それは何か大きな出来事とかではなくて、ずっと塵が積もっていたようなものだから、特定の原因はない。ヘッドホンを買って社会のものから遮断するツールがほしいし、体にタトゥーを入れたい。それと、はやく、体を薄くしたい。
帰ってきてなんとか最低限の原稿とメールをこなして、今日は横になるしかなかった。ここのところ泣きすぎていて、目の底から腫れている。
夕方、薬局に行かねばならず、いつもの薬剤師のいる薬局へ行ったが、不躾な客がいて、普段は温厚な薬剤師があからさまにイライラを出していて、やられる。やられてしまう。
帰ってきてまた倒れるように眠る。過眠の時期が到来している。夕飯も作れず、帰ってきたパートナーが冷凍餃子などを焼いてくれる。
■5月29日
朝ドラ「虎に翼」。嫁である花江ちゃんが猪爪家に入り(お父さんに対して「怒っていいのよ、寅ちゃん!」という)ことで猪爪家が復活する様子を見て、俺が間に入ってよかったんだとパートナーが言った。
パートナーが間を取り持ったことによって、私の家族問題が急激に進展したことに、私はいらついていた。私が話しても、両親は向き合ってくれなかったくせに、第三者が入ってきたらすぐに対応を変えるのか。
しかし、まわりを上手に巻き込むことが大事なんだよと主治医にいわれた。そして、負の側面をみるのではなく、結果そうなってよかったことに目を向けたほうがいいといわれたことも思い出す。すべては結果オーライなのか。
◼︎5月31日
金曜日、バーで飲んだフランジェリコというヘーゼルナッツの酒がおいしかった。しかしミルク割りで2杯飲んだら、腹を壊した。
今度一人暮らしするタイミングがあったら猫を飼いますね!!