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紅白歌合戦を観て感じる変化。紅組・白組は来年辺りなくなるのかな。

大晦日の晩、紅白歌合戦を観ました。
豪華アーティストのパフォーマンスを一気見出来て、とても満足です。

育った実家での慣習がそうだったからかもしれませんが、今のところ12月31日の晩にはNHKにチャンネルを合わせています。一緒に年越しをしていた今は亡き祖父母のことや田舎の風習を思い出したり、昔はエンディングまで起きているのが辛かったなーとか。自分の娘たちが最後まで観れるようになって成長を感じたり。この大舞台で際を攻めてあまり見なくなった芸人さんがいたなー、とか。やはり「ゆく年くる年」への切り替わりがたまらんなー、とか。色々思いながら。決定的な理由はありませんが、観ています。

そうこうして長らく紅白を観てきた私ですが、今年は番組に大きな変化を感じました

Twitterを観てたら「もっと高齢者を大事にすべき」「毎年紅白を観てきた母が今年で見るのをやめた」というようなコメントもいくつか目にしましたので、私だけではないのでは?と思います。

今回のプログラムには、演歌、歌謡曲を歌うベテランアーティストの方が極端に減った印象を持ちました。以前は「若者向け(あいまいな定義で恐縮です)」の順番をずっと待っていた印象でしたが、今回は「逆」でした。

これまで紅白を支えてきた大御所の皆さんは、裏番組でやっていたテレビ東京の「第55回年忘れにっぽんの歌」に集結していたイメージです。

麻丘めぐみ、石川さゆり、市川由紀乃、五木ひろし、梅沢富美男、大江裕、大月みやこ、丘みどり、梶光夫、北島三郎、北山たけし、香西かおり、伍代夏子、小林幸子、小柳ルミ子、坂本冬美、里見浩太朗、サンプラザ中野くん/パッパラー河合、島津亜矢、純烈、神野美伽、瀬川瑛子、千昌夫、DAIGO、田川寿美、田辺靖雄・九重佑三子、天童よしみ、中西保志、中村美律子、長山洋子、新沼謙治、橋幸夫、畠山みどり、早見優、原田悠里、氷川きよし、福田こうへい、藤あや子、細川たかし、堀内孝雄、前川清、松平健、美川憲一、三沢あけみ、水森かおり、南野陽子、宮沢和史、三山ひろし、森口博子、八代亜紀、山内惠介、山口智充、山田太郎、山本譲二、山本リンダ、横山剣
2022年12月31日(土)「第55回年忘れにっぽんの歌」出演歌手(50音順)

上記に加えて、ここ数年加速していた「お笑い芸人」の方の登場も更に増えていた印象を持ちました。私も子供たちと一緒にケラケラ笑って観ていました。

昭和歌謡曲の歌手の方々は本当に歌が上手く、また貫禄もあるのは申し上げるまでもありませんが、現代の若手のアーティストさんにも脱帽。中年の私にはこんな難しい歌、歌えないわー、というものが多いです。よく家族でカラオケに行きますが、娘たちは難なく歌えるところを見ると、これが「世代間ギャップ」というやつなのでしょうか。確かに、自分が10~20代の頃、よく母親が紅白歌合戦を観ていて「今の若い人たちの曲は分からない」と言っていたのを思い出します。

天才!?と思ってしまうケースもしばしば。藤井風さんを観ていて、私と妻は「芥川龍之介かー」と言っていましたし、milet、Aimer、幾多りら、Vaundyさんが一緒に歌っていた曲は、各人の声含めて個性的なのに一体感を感じて感動しました。そしてテーマからZ世代感も存分に感じて良かったです(もちろん、若手じゃなくともYOSHIKIさんや玉置浩二さん、三浦大知さんなども最高でグッときましたが、本題からズレるので置いておきます)。

私は3人娘と一緒に生活している影響もあり、日常的に比較的新しく登場するアーティストの方々の曲を聞くことも少なくないので、若手層向け曲多めの今回のプログラムも十分楽しめました。

と、今回最も言いたかったことは、それよりも「男女(ジェンダー)」の話です。そう、私は数年前から男女で無理やり分かれて歌合戦をしていることに、ブルっとしていた一人です(毎年観ていたくせにw)。

それが、今回は「強い意志」の様なものを感じました。そう感じた理由はいくつかあります。

  • 番組を通じて、「白組」「紅組」という司会からの言葉やテロップが極端に減っていたこと。

  • 勝者発表のタイミングが、最後の最後に、「ちょこっと触れました」程度になったこと。いつもは「蛍の光」の前だったと思います(トロフィーを勝った方の司会が持っていた気がする)が、今回は後でした。もしかしたらこのまま、勝ち負け決めずに終わるのでは!?という期待感をも思わせてくれました。

私が今回の紅白歌合戦を観て、冒頭に触れた世代交代以外にもこの「ジェンダー」「LGBT」への想いを感じたのは、これだけではありません。

  • いくつかのバンドは意思を持って、赤白ではなくて「特別枠」だから引き受けたと聞きました(本当かどうかは分かりませんが)。また、男性ボーカルのチームが紅組として参加したりもしています。

ボチボチ、周りの世界がとやかく言わなくとも、「ああ、このままじゃ無理なんだ」と主催者側も考えなけばならない状態になったのかな、と想像します(本当のところはもちろん分かりませんが)。

この手の変革には表に見えない(想像する数倍の)議論や葛藤、軋轢や歴史との闘いなどあるものです。

簡単なことではない。

そのことを紅白歌合戦を観た当日の夕暮れ時に思わせてくれる出来事がありました。

大晦日、三人娘と犬を自宅に置いて妻と一緒にホットワインが飲みたくて(普段やっている店がお休みでした)、新しいお店を探して散歩して行ってきました。ワインも食事も美味しかったです。しかしながら、お店の女性スタッフさんとの会話にはちょっとした違和感を覚えました。この後どうするのですかー?の会話の続きで、紅白歌合戦の話になりました。そこで、常連として出場している若手演歌歌手について「女装しているんですかね!?」「気持ち悪い」と結構な嫌悪感を感じるコメントがありました。僕と妻は、「いやいや、きっとそうじゃなくて、これまでどっちかというと我慢してたものを表しているんじゃないですかね(これも真実はもちろん不明ですが)」と伝えましたが、明らかに暖簾に腕押しだったなあ、と思います。

正しい、間違っているの話ではなくて「難しさ」を感じたというまでです。

何かを変えていくことには言うまでもなくパワーが必要です。
今回の紅白歌合戦の番組構成には私は結構な志を感じると共に、一視聴者として賛同をしています。

コロナへの対応には国全体として隣の大国とあまりレベル感変わらず四苦八苦、大ナタ振るうことに苦労しているように感じていますが、国全体を相手にしていると言っても良い(と思う)レベル感の今回のチャレンジには、すがすがしさと、未来への期待を感じさせてくれました。個人的には「いろいろあるけど、今後はみんなマスク付けなくても良いよ」と言ってくれたレベル感での受け止め方です(大袈裟ですが)。

もちろん、また次、今後どうなっていくのかは私には分かりませんが、それでもこうした一つ一つの変化が(反対意見含めて)人々の心を少しずつ動かして大きな変革を創っていくのではないかな、とそんなことを想った年末です。

そんな話を家族としていたら、じゃあ、もし紅組白組なくなったら、番組のタイトルどうするの?という話になって、困りました。番組名はそのままで良いのではないでしょうか笑。だめかな。。


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