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【AIを使いこなすツール】いつの間にかAIに置き換えられないために 『予測マシンの世紀 第三部』#3

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■ワークフローを分解する
昨日はコンピューターが出た当初のことを見直し、リエンジニアリングの重要さを見てきました。

AIは汎用的な技術です。そのため、一部分をよくすることは効果が少なく、プロセス自体を見直す必要があります。

AIは汎用的な技術だ。予測は意思決定の重要なインプットであるため、あらゆる意思決定に影響を与える可能性がある。問題や既存のプロセスに「AIを投入する」だけで、生産性の大幅な向上を実現できるマネージャーはいない。AIは、プロセスを見直す必要があるタイプのテクノロジーなのだ

では、具体例を見ながら、ワークフローを分解していきます。

企業はすでに、ワークフローを構成するタスクに分解して分析を行っている。Goldman SachsのCFOであるR.Martin Chavezは、新規株式公開プロセスにおける146の異なるタスクの多くが「自動化されることを望んでいる」と述べている。これら146のタスクの多くは、AIツールによって大幅に強化される意思決定を前提としている。今から10年後、誰かがゴールドマン・サックスの変革について書くとき、その物語の主要な部分は、AIの台頭がその変革において重要な役割を果たしたということになるだろう。

このゴールドマンサックスに関しては以下の記事参考です。

AIの実際の導入は、ツールの開発によって行われます。そして、AIツール設計の単位は、「仕事」や「職業」、「戦略」ではなく、「タスク」です。このタスクとは、意思決定の集合体です。

第二部 意思決定で見てきたように、意思決定は、予測と判断に基づき、データに基づいて行われる。タスクの中の意思決定は、多くの場合、これらの要素を共有している。そして、その後の行動に違いが出てくる

本では以下の図が登場します。

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図1 プロセス全体の再設計と自動化の方法を考える(『Prediction Machines』より抜粋)

ワークフローはタスクに分解されます。そして、タスクを実施するにあたり、意思決定をする必要があります。意思決定で学んだ通り、判断の前に予測があり、その予測にはデータが必要です。
この判断は、以前見てきた通り、自動化できる場合が多いです。

あるタスク内のすべての判断を自動化できることもある。あるいは、まだ自動化されていない最後の意思決定を自動化することも出来るが、これは予測の強化によるものだ。予測マシンの登場は、プロセス全体、つまりここでは「ワークフロー」と呼んでいるものを再設計して自動化し、そのようなタスクから人間を完全に排除する方法について考える動機となる。

安価な予測マシンのおかげで、全ての自動化に向けたワークフローの見直しが始まりました。ただし、本で毎回指摘されている通り、それによるリーターンとコストを見極める必要があります。

より優れた安価な予測だけで純粋な自動化を実現するためには、予測マシンを採用することで、タスクの他の側面でマシンを使用する際のリターンを高める必要があります。そうでなければ、人間の意思決定者と一緒に働くために予測マシンを採用することになるだろう

具体例があるとわかりやすそうですね。
著者が経営するCreative Destruction Labは様々AIスタートアップを支援しています。150社以上のAI企業を見てきたそうです。

今までのAIスタートアップは、特定のタスクへの対応に注力しているものが多いそうです。

AIスタートアップは、特定のワークフローにおける特定のタスクに対応するAIツールの開発に注力している。
あるスタートアップは、文書の中で最も重要な箇所を予測し、それをハイライト表示する。
別の企業では、製造上の欠陥を予測してフラグを立てる。
さらに別のスタートアップは、適切なカスタマーサービスの対応を予測し、問い合わせに答える。

イメージが湧きます。何かのタスクの自動化に対応したAIスタートアップが多いです。
一方大企業は、数百のAIを導入しています。

大企業では、自社のワークフローにおけるさまざまなタスクを強化するために、数百種類のAIを導入している。実際、Googleは、メールから翻訳、運転まで、さまざまなタスクを支援するために、1000種類以上のAIツールを開発している。

問題は、予測マシンの導入は多くの企業にとって、インパクトがあるはずですが、それは目立たない形で少しずつ改善されていくことです。ほとんど気付かないのです。

AIがスマートフォンの写真アプリを改良するようなもので、写真を便利に分類するが、アプリの使い方を根本的に変えるものではない。

確かにです。スマホの性能はこの5年以上で全く違うものといっていいほど上がっているはずですが、我々のスマホの使い方がほとんど変わらないので、インパクトが感じづらいです。
著者はいいます。

しかし、あなたがこの本を読んでいるのは、AIがどのようにしてあなたのビジネスに根本的な変化をもたらすかに興味があるからだろう。AIツールは、2つの方法で仕事の流れを変えることが出来る。
1つ目は、タスクを陳腐化させ、ワークフローから削除すること
次に、新しいタスクを追加可能でること
これは、ビジネスやワークフローごとに異なるかもしれません。

本に記載のある具体例を見ていきます。今日はここまで。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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