見出し画像

【続・感染症後の世界】ニューノーマル時代に大変革を迎える分野#8 ロジスティクス

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

引き続き、感染症後の世界で必要なテクノロジーについて書いた本、「21 Technologies for the 21st Century」の第二部、「New Normal」についてまとめています。

7. 私たちが知っているようなオフィスの終わり
8. クラウドコンピューティング
9. アジャイル、スケーラブル、レジリエンスの高いデジタルインフラと運用
10. 働く人としてのAIとアルゴリズム
11. 市場の調整
12. センサーとモノのインターネット
13. ロジスティクス

今回で、「ニューノーマル」の最後、本日は「ロジスティクス」についてです。物流のことですね。

13. ロジスティクス
アマゾンの工場の動画、面白いですよね?例えば以下。

感染症の影響で、ますますアマゾン需要が高まりました。
どのようにモノを運ぶか?がロジスティクスで、よく話題に上がります。以下はWikipedia

ロジスティクスとは、サプライチェーンプロセスの一部であり、顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管、サービス、および関連する情報を計画、実施、およびコントロールする過程である

以前の記事に書いた、センサー・AIによる予測・アルゴリズムによる市場の調整が、物理的な世界に非常に影響しています。

グローバル経済、といわれて久しいですが、この構造はロジスティクスの進歩が大きなカギとなります。コンテナ輸送は、20世紀最大の発明の一つ、といわれています。以下の記事がわかりやすいです。

コンテナのおかげで、世界中から数日で商品が届くようになりました。ポイントはオライリー氏が述べているように、以下です。

デジタルコンテンツに長年適用されてきたキャッシングのような概念が、物理的な配送ネットワークにも似たようなものがあることに注目するべきだ。物理的な世界の商品へのアクセスの粒度は、オンライン・コンテンツへのアクセスの粒度に徐々に近づいている。いくつかの物理的な限界の範囲内では、ほぼオンデマンドである。

オンライン上で動画見るような感覚で、すぐに物理的なモノも手に入ると。

シリコンバレーと我々の経済の未来を理解したいのであれば、アマゾンとUber(とLyft)を研究することが重要なのは、このような理由からである。これらの企業は、過去20年間にデジタルの世界で学んだことのすべてを、ロジスティクスのような物理的な世界の問題に応用しようとしている。グーグルがユーザーが最もクリックする可能性の高い広告を予測できるような精度で、現実世界の行動を予測できるようになることは、経済にとって変革的なものになるだろう。

やはりキーワードは「AIによる予測」。現在、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』を読んでまとめているのでお楽しみに。
このAI予測で、ロジスティクス分野に大革命が起ころうとしています。

アマゾンが圧倒的です。Amazonロッカー、知らなかった。。。これは商品をロッカーで受け取るものですが、実際に場所の制約を考えると、

何万ものロッカーの場所について、そのサイズや形状を考慮して、すべての荷物の配達時間と、荷物がピックアップされるまでの平均的な放置時間を正確に推定し、スペースの空き状況の評価に基づいて、ロッカーピックアップのオプションを動的に提供できるようにしなければならない。

単なるロッカーと思いきや、最適化にテクノロジーを最大活用するということですね。この辺も勉強したいですね。

アマゾンはネットワーク化されたセンサーを利用していること、知っていました?返品のやり方が変わっています。

返品ラベルを印刷・送付ではなく、ラベルの付いていないパッケージを玄関の外に置いておくだけで、UPSがラベルを持ってきてくれる。ドライバーは集荷時にそれをスキャンし、あなたのリターンはすぐにクレジットされる。
アマゾンの倉庫内のパッケージは、梱包されて空箱に密封される。アマゾンはそれらの中に何があるか、すべてのデータがある。例えば、 特定の場所での集荷の要求、返却されるパッケージの可能性が高いサイズ、その場所での集荷ドライバーの到着したかなど。
ラベルのスキャンによって、アマゾンの人間が箱の中身を調べていなくても、リターンクレジットがトリガーされる。

アマゾンあまり使わないので知らなかったです。一度使い倒していよう。

ロジスティクスという観点では、日本でも話題になったUberとLyftは見逃せん。

アマゾン以上に、彼らは物理的な世界サービスのオンデマンドでの利用可能性に対する消費者の期待に針を動かしてきた。彼らは、需要と供給の両方のクリティカルマスを構築し、Uberのサージプライシングのようなインセンティブを介してアルゴリズム的にバランスを取ることで、ピックアップ時間に関するユーザーの期待に応えなければならない。事実上、彼らは民間経済の中心的なプランナーだ。彼らが教えてくれるのは、需要を十分に明確に予測できれば、それを満たすために供給にインセンティブを与えることができるということだ。

感染症の影響で、シェアリングエコノミー的なものが危機に陥りました。その影響もあり、Uberも厳しくなっています。そういう意味では、「オンデマンド・ロジスティクス、予測分析、マーケットプレイス・デザインに賭けてはいけない」とオライリー氏は書いています。
ただし、

21世紀、物理的な経済がデジタル経済によって大きく形を変えるのは間違いありません。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?