私の仕事

私は理学療法士だ。

でもこれはただの資格であり仕事ではない。

そうは言っても
『そもそも理学療法士って何をやってるの?』
と思う人がほとんどだろう。
よく「リハビリの人」と言われる。

でもこんな説明不十分だ。

まず、リハビリテーションとは何か?
日本語では全人的復権と訳される。
簡単に言うと、「本来あるべき姿への回復」といったところだろうか。

理想的なリハビリテーションの略図を示した。

幸福度は波があると思うが、年齢とともに徐々に上昇し「幸せな人生だった」と言いながら亡くなることが理想だと思う。

しかし、病気や怪我など何かしらの原因で身体機能が低下するとそれに伴い幸福度は一気に低下する。

それを元の理想の時間軸に戻してあげることがリハビリテーションだ。リハビリテーションの1つの手段として理学療法がある。

理学療法とは?
身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。(日本理学療法士協会のHPから抜粋)

いや、堅苦しすぎる。非常に分かりにくい。

動画を貼っておく。たった3分の動画にまとめられている。興味のある人は是非見て欲しい。

僕は主にこの理学療法を用いて、リハビリテーションを行っている。基本的には身体機能回復を目指して行うことが多い。

しかし、現実は厳しい。
リハビリテーションの実際を略図で示した。

一度低下した身体機能は回復しないことも少なくないのだ。したがって理想のラインと現実の身体機能にギャップが生じる。

このギャップをどう埋めるかが非常に重要なポイントだと思っている。

すなわち、リハビリテーション=身体機能回復ではない。社会や環境に対して手を加えることも含まれるのだ。

では、リハビリテーションはどこまで医療機関でカバーできるのだろうか?個人的には日常生活までは医療機関でアプローチしていることが多い印象だ。

病院などでリハビリを受けて身体機能回復を促し、建物をバリアフリーに改修したり、車椅子などの補装具を使用したり、はたまた、ヘルパーなどに補助してもらったりして日常生活が送りやすいような環境を整える。

ここまでは医療機関がカバーしている。しかし、その先は医療機関ではカバーできないことが多い。

その結果、医療機関のアプローチのみではギャップは埋まらない。
「楽しみ」がカバーできていないからである。

誰でも日常生活に加えて「楽しみ」があるはずだ。例えば、旅行をしたり、歌を歌ったり、お洒落をしたり。

僕はこの「楽しみ」までを実現することが仕事だと思っている。

病気や怪我で障害を持っても楽しめる空間を作りたい。幸せな人生を死ぬまで過ごして欲しい。

僕の仕事は

「人を幸せにする仕事」だ。

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