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小沢一郎研究

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小沢一郎の政党観

小沢一郎の政党観

①新進党の結成 1994年に新進党が結成されたのも、こうした認識によるものである。この時点の2大政党の対立軸は、守旧派(55年体制の現状維持派)と改革派ということだ(小沢,1996,106‐108)。小沢は、基本理念を共有できれば、細かいところは個々の政治家が主張を変える必要はないと考えている。自民党のように、それぞれが「ウィング」を広げていけばいいのである。この小沢が「ウィング」を広げた結果、異

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日本による平和構築の手法、国連中心主義

日本による平和構築の手法、国連中心主義

 「国連中心主義」とは、立憲民主党に所属する小沢一郎(おざわ・いちろう、1942 ‐ )衆議院議員が、かつて『日本改造計画』(講談社、1993)の中で主張したものである。小沢は、自衛隊を念頭に「世界の平和だけでなく、自国の安全を保障するためにも、専守防衛戦略から平和創出戦略へ転換しなければならない」とし、その根幹に国連中心主義を位置付けたのである。まず、『日本改造計画』の内容をもとに、小沢の主張

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