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ネパールからのインターン生に聞いた!日本の印象&仕事スタイルの違い

外国人の採用を積極的に行う企業が増えているなか、(株)ショーケースでもフランス・中国・韓国・ネパール・ベトナムなど、あらゆる国の従業員が働いています。そして、この度、ショーケースがIT企業・Deerwalk Japanとタッグを組んで、インターンシップを実施。インターン生として出向しているネパール人の3名にお話を伺いました。

写真左から)
Kanchan Raj Pandey(カンチャン・ラージ・パーンデー)  職種:デザイナー
Sanjeev Budha (サンジーブ・ブダ)  職種:エンジニア
Anil Shrestha(アニル・スレスタ-)  職種:エンジニア

※本記事は、英語で実施したインタビューを日本語に翻訳・編集しています。

日本や(株)ショーケースに対する印象は?

インタビュアー:現在はインターンシップを通じて、ショーケースで働かれているとのことですが、そもそも日本に来ることになった”きっかけ”はなんだったのですか?

カンチャン:僕たち3人は、アメリカに本社を構えるDeerwalkというIT企業で働いています。当社はネパールと日本に支社があり、3人とも転勤で日本にやってきました。そして、今回、当社とショーケースとのインターンシップの取り組みに参加させていただけることになりました。もともと、他の国でも働いてみたいという気持ちがあり、日本の方と一緒に働き、日本の文化を知れることは良い機会になると思っています。

サンジーブ:僕は、日本のワーキング・カルチャーを知りたいと思って来ました。日本の人たちがどのように働いているかを見ることで、ネパールに活かせるものがあればと思っています。

アニル:今回のインターンシップは、大変良い機会をいただいたと思っています。日本のIT業界を知ることで、これからの経験に生かしていきたいです。

インタビュアー:実際、日本に来てみていかがですか?

サンジーブ:ネパールとは文化は異なりますが、日本で働くことは快適です。とても生産的で、新しいアイデアに触れることで成長できると感じます。

アニル:機能的で、良い国だなと思います。ネパールではすでに日本のアニメや漫画が人気ですが、実際に現地の人々や文化を観察して、日本のことをもっと知っていきたいです。一方で、たとえば気候など、ネパールと似ている部分も多々あると思いますね。

カンチャン:環境も充実していますし、特に問題はないです。一番の問題と言えば、“日本語”ですね(笑)。

インタビュアー:言語の問題はたしかにありますよね。ショーケースの印象はいかがですか?

アニル:皆さんが親切で、オフィス環境も整っていて、とても働きやすいと感じています。

カンチャン:ショーケースとは、ネパールにいた時にも一緒にプロジェクトをやらせていただきました。でも、今回は実際に日本のショーケースのオフィスで働くことで、異なる環境に身を置いて肌で文化を学べますし、一緒に働けることを誇りに思っています。

サンジーブ:オフィスではさまざまなサポートをしていただき、楽しく働けています。皆さん、それぞれ秀でたところがあって、そういった人たちと働けることが嬉しいです。

日本とネパールの”働き方”の違い

インタビュアー:仕事をする上で、日本とネパールとでスタイルが異なると感じることはありますか?

サンジーブ:そうですね。日本のエンジニアは、フルスタックであるケースが多いのかなと思いました。コードも書くし、管理もするし、書類も作るなど、なんでも幅広くこなせる方が多い印象です。ネパールでは、エンジニアと言ってもフロントサイド、バックサイドなど、それぞれカテゴリーや部署が明確に分かれています。

カンチャン:ネパールでは、Java開発者、QC(品質管理)担当、PM(プロジェクトマネージャー)などそれぞれの担当がはっきりと決まっていて、自分の分野に集中するというスタイルが一般的なんです。

サンジーブ:そういった働き方の違いには、新しい学びがあると感じます。

インタビュアー:なるほど。たしかに、日本は海外ほど職種や部署の壁がないのかもしれませんね。

アニル:あと、ネパールでは毎朝、お茶を飲みながら進捗確認を行うミーティングを行いますね

インタビュアー:日本の朝礼や朝会と同じような感じですか?

サンジーブ:そんな感じですね。ただ、違いはネパールではミーティングを始業後にやりますが、日本の会社では始業前にやるところが多いかもしれません。

インタビュアー:たしかに、始業の5分,10分前に軽い打ち合わせをしたりしますね。日本人からすると、始業後にお茶を飲みながらミーティングというのは珍しく感じますが、ネパールの方からすると、始業前にミーティングをするのが珍しく感じられるのですね。

将来の夢や、今後のキャリアについて

インタビュアー:今後のキャリアはどのように考えていらっしゃいますか?

アニル:とにかく今は、いろいろなことを学びたいと思っています。新しいテクノロジーに触れ、学び、エンジニアとして成功を収めていきたいです。

カンチャン:デザインについてはもちろんですが、日本ではビジネスモデルを学ぶことも重視しています。いつかは自分でビジネスをやりたいと思っていて、最終的にはネパールに戻り、人々の役に立つ事業をやりたいです。

サンジーブ:僕も、いつかは自分のビジネスをやりたいと思っています。向こう5年間のプランでは、ソリューションアーキテクトやシステムデザイナー、セールスエンジニアとしてのスキルを高め、成長していきたいです。

インタビュアー:エンジニアという職業は、ネパールでは人気なのですか?

アニル:エンジニアと医者が人気の高い職業ですね。

インタビュアー:皆さん、一度はネパールから出て、海外へ学びに行くのでしょうか?

サンジーブ:全員ではないですが、海外へ出る人も多く、オーストラリアなどが人気です。距離的にも行きやすく、言葉も英語が通じるので。

インタビュアー:ネパールの方は、英語が話せる人が多いのですね。

カンチャン:ほとんどの人が話せますね。地方の年配の方など、一部話せない人はいますが、多くの人が話せます。ネパールの田舎の方では、ネパール語以外にそれぞれの民族の“民族語”が話されていたりもして、僕たちもわからない言葉を話している人もいます。

サンジーブ:カンチャンと僕は、首都のカトマンズ出身なのですが、アニルは地方出身で、アニルの民族語は僕たちも理解できません。

アニル:僕は、ネパールのポカラという町の出身です。自然豊かで、とても美しい町です。大きな湖からはヒマラヤ山脈が望め、観光客にも人気があります。

サンジーブ:ネパールに行ったら、ぜひ行って欲しい場所ですね。

インタビュアー:首都のカトマンズは都会なのですか?

サンジーブ:日本の都市と比べると小さいですが、大学や病院、IT企業などが集まっていて、ネパールでは一番大きな都市です。高層ビルはありませんが、最近になって少しビルやアパートも建ち始めました。

インタビュアー:主な交通機関はなんですか?

カンチャン:バスですね。あとは、バイクが多いです。電車の開通は予定しているのですが、まだ先ですね。

インタビュアー:日本では、電車に乗って通勤していますよね?通勤ラッシュなど大丈夫ですか?

サンジーブ:しっかりと押さえていないと、時々つぶされそうになります(笑)。

日本滞在中に考えているプランは?

インタビュアー:日本での滞在中に予定していることは何かありますか?

アニル:まずは、日本語を学ぶことですね

インタビュアー:たとえば、どんな日本語を覚えましたか?

カンチャン:「私はカンチャンです。ネパールから来ました。どうぞよろしくお願いします」

インタビュアー:自己紹介はもうできるんですね!

サンジーブ:ネパールで1ヶ月勉強してから来たのですが、今もレッスンを受けています。毎週日曜にはスカイプでネパールにいる日本語の先生と2時間ほどレッスンがあり、宿題も毎日出ます。8月には、3人とも日本語能力試験N5を受ける予定です。

インタビュアー:そうなんですね。頑張ってください! 日本で観光してみたいところはありますか?

サンジーブ:たくさんあります。

カンチャン:これまでに、浅草寺や根津神社、代々木公園には行きました。

アニル:東京以外の地方へも行ってみたいですね。大阪に行ってみたいです。

サンジーブ:どこか、オススメはありますか?

インタビュアー:近場なら、箱根の温泉や高尾山でのハイキングなどもオススメですよ。

アニル:良いですね。ネパールでは、毎週ハイキングに行くんです。毎週末、会社のメンバーで山に登るのが恒例です。

インタビュアー:そんな恒例行事があるんですか!?

カンチャン:チームビルディングも兼ねていて、会社からバスなどの必要な経費を出してくれます。

インタビュアー:毎週ハイキングをしていた生活と比べたら、日本では運動不足になりそうですね。

サンジーブ:日本でも、毎日の通勤ラッシュでハイキングくらいの運動をしていますよ(笑)。

一同:(笑)。

インタビュアー:今日は、お時間をいただきありがとうございました。日本での生活や仕事をぜひ楽しまれてください。

三人:ありがとうございました。

◆プロフィール
Kanchan Raj Pandey(カンチャン・ラージ・パーンデー)
Deerwalk グループで8年にわたり勤務。デザイナー(ウェブとグラフィックス)、アニメーター(ビデオエディター、ビジュアルFX)として活躍。また、ウェブ、グラフィックス、ビデオ編集ならびにビジュアルVFXの講師を務める。

Sanjeev Budha (サンジーブ・ブダ) 
現在はソフトウェア開発に従事。Deerwalk Institute of Technology からコンピューターサイエンスとITの学士号を取得。JavaとPython を使った専門的な経験を持つ。カトマンズ大学では情報言語プロセシング&リサーチラボのJava開発者として勤務していた。

Anil Shrestha(アニル・スレスタ-) 
現在はソフトウェア開発に従事。これまでに、Android開発者、Java、Phythonの講師、コンピュータサイエンスの講師なども経験。トリブバン大学で、コンピューターサイエンスとインフォメーションテクノロジーの学士号、また後進国開発の修士号を取得。

文/坪井安奈

https://www.showcase-tv.com/

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