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サラリーマンは投機か? Vol.2

90%強は元本回収不能と2段階の崖

 仮に、A社が新卒一括で100名採用するとしましょう。役員になれるのは、せいぜい同期入社で3名~4名。仮に4名と見積もっても、4%は持ち出しした分まで回収できる可能性があるが、残りの96%は、回収不能、いわば焦げ付きます。社長になるのは、当然ながらもっと少ない。入社年次のレンジを4年ないしは6年に拡大して、その中から1人くらいが一般的ではないかと思います。仮に4年のレンジで1人としたら、1/400、つまり0.25%。これ、コスパ・タイパ両面から見ても割に合わず、まさしく投機ではないかと…

役員になれなかった96%に待ち受ける”2段階の崖”

1つ目の崖は、「役職定年」

 同じ仕事をしていても、年齢でポストオフと同時に給料減。まだ減少幅はのけぞるほどではないかもしれませんが、崖に落ちるわけです。特に、役員昇格レースで良い線まで言っていた人など、持ち出ししてきたことと照らし合わせると、年収以上に精神的に落ち込みます。あれだけ頑張ったのに… サラリーマン社会での役員昇格は、実力以上に”運”の側面も強いので、受け入れなきゃいけない現実ではありますが、やるせない気持ちになるかもしれません。

2つ目の崖は、「定年後再雇用」

 この崖は、とてつもなく、急勾配と言われています。新入社員程度しかもらえないとも。企業の雇用期間が65歳・70歳となる中、企業も総人件費の中でやりくりする上、かつては60歳からの年金受給に加えての2階建ての要素もあった定年後再雇用の給与体系。結果として、年金支給開始年齢の遅れとともに1階建ては5年後以降にスライド。でも2階部分は、そのままとなっているのも多いようです。そうなると定年後再雇用の初年度など、前年の所得に対する所得税もありますから、びっくりするわけです。そうなると、一気にやる気をなくす、給与に見合った分しかやらないと開き直るといったことも。先程お話しした役員昇格レースで良い線までいっていた人は、この2段階目での崖で、尚の事落ち込みがひどくなります。自分は、今まで何をそこまで頑張ってきたのかと…

リスク回避の投資プラン

 それでも、4%にかける!ということを妨げるつもりはありませんが、このご時世、いつ何時安泰と思っていた会社が傾くなんてこともあり得ます。もっと厄介なのは、皆で我慢だといってジリジリと給与ベースが下がっていく状態になっていくこと。そこで、自分が考える「投資プラン」は、求めるリターンとリスクの許容度で変わりますが、サラリーマン特有な部分も活かしての移行も可能なプランです。あくまで勝手な私見です。お許しを。

①ローリスク・ローリターン:「副業・複業」と「転職」

 副業・副業はわかるけど、転職?と声が出そうですので、少し補足します。転職は、「就社」ではなく「就職」という概念への移行と外でも通用するということを市場に示すためです。職としての基盤があれば、仮に今の会社が傾きかけても、移行できる可能性が高くなりますが、職としての基盤があやふやで、その会社でしか通用しないとすると、移行は難しくなると思います。そうした意味では、環境変化への対応力をつけるということで、リスクを低減するためと捉えて下さい。そして、2段階の崖に遭遇しても、「副業・複業」により居場所だけでなく、別収入があることで、崖から真っ逆さまに落ちていくことを防ぐセーフティーネットにもなるかもしれません。

 

②ミドルリスク・ミドルリターン:不動産・金融への投資

 ここは、副業・複業で得た収入を、金融商品や不動産等に投資して不労所得を得るスピードと規模を拡大することを指しています。転職により市場価値が上がって、収入が増えることもあります。転職、副業等で増えた分は、せっせと投資に回すのはいかがでしょうか。
 投資商品の焦げ付きや下落があったとしても、これまでの収入に+αした分を回しているので、大きなリスクを抱え込むことも少なくなると思います。もう一つ、副業・複業で収入をそれなりに得られるようになれば、個人事業主として開業してみるのもありです。個人事業主としての特色を活かすことで、可処分所得が増えますので、一層投資に回す余力も生まれる好循環に入りはじめるのではにでしょうか。また、個人事業主は事実上の「起業」。そこでも経験は、法人化した際の留意点をリスク少なく習得できます。良いことづくめのように思います。 

③ハイリスク・ハイリターン:起業

 やはり、ハイリターンをえるならば、起業です。しかし、ここではいきなりではなく、ローからミドルへ移行する過程で、副業・複業のポートフォリオの変化、市場から自分の市場価値が認められることを実感し、+α分を投資に回した分により、開業資金もある程度確保してハイに移行できるという点です。意外と安全な移行かなと思います。いや、自分はミドルで良いという判断もありますし、人それぞれです。しかし、ハイに挑戦するかミドルで良いかのの段階まできていれば、2つの崖からの落下回避はもちろんのこと持ち出しの回収にも成功していると思います。
 もう1点、このローから順の移行では、「レバレッジ」が効くこと。投資効果を最大化する投資手法にあるレバレッジをかけるというのは、1社しか知らない世界を抜け出て、外の世界とのつながり・出会いを求め、自身の市場価値が向上するから。ローで始めたけど、ミドルすっ飛ばしてハイになんてことも、出会いと市場からの評価次第ではあり得るかもしれません。

悔いなき人生を送るために

 自分自身も、転職&複業でローリスク・ローリターンのスタートラインから動き出したに過ぎません。しかし、動き出すとレバレッジのひとつである出会いもあり、好循環を感じることがあります。早くミドルに移行したいと思うも、焦らず一歩一歩かみしめながら進んでいます。
 1度しかない人生、悔いなく終わりたいので、楽しんで挑戦してみようと思っています。

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