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"妄想"選挙制度改革 ~特に参議院~

民意を反映する人を選ぶ仕組み

 低投票率や政治家の資質等々、政治を取り巻く世界はとかくいろいろ言われる。政治家は、各選挙区、言い換えれば地域の代表者として選挙という選抜の仕組みを経なければいけない。政治家の資質も大事な側面ではあるが、選ぶ仕組みについても時代にあわせて変化すべきだし、いろんなやり方があると思う。妄想的選挙制度を考えてみた。
※ここでは、衆参両議院の国政選挙を念頭に置いた妄想です。

衆議院の選挙制度

(現在)衆議院:小選挙区比例代表並立制

今は、上記の選挙制度である。衆議院はかつては中選挙区制度で実施されていたが、1990年代の政治改革ブームの中で、若き頃でも政治改革=選挙制度改革?と疑問は持ちながら見ていた記憶がある。この中選挙区制度は派閥政治の象徴=金がかかると言われたことや二大政党制にならない、落したい政治家が落とせないということで小選挙区比例代表並立制が導入されたと理解している。
 しかし、導入から約30年経た中ではデメリットも多くなっている。

 なんといっても「比例復活」。小選挙区で落ちたはずなのに復活するゾンビ議員の誕生。確かに単純小選挙区であると、落ちた議員に入れた票は生かされない、いわゆる死票が多くなるという点では、比例代表で死票の数を減らす等の効果あるだろうが、得票率でとんでもなく低い、時には法定得票数にすら達していなくとも名簿順位が高いというだけで当選してしまう。なんとも奇怪。たまにあるのが、議席が割り当てられても当該の政党の名簿上の当選者が足りないと、割り当てられた議席数に足りない議席数は他党に割り当てが移るという、いったい?という不思議。

 もう一つ、小選挙区では1議席しかないために、政策違えど選挙に勝つための互助会が成り立つこと。まだ政策協定なり結んで擦り合わせるならば良いが、勝つためだけの目的での呉越同舟、野合は選択肢そのものを減らすという、有権者からするとこれまた奇怪。

衆議院は、『2~3人の中選挙区』

 多様性を活かす、多様性への寛容の観点からも中選挙区制度の方が時代にも適していると思う。各地域にはそれぞれの歴史や事情、意見があって当たり前。その中でのマジョリティーを選出するとしても拮抗していることもある。1選挙区2~3人の中選挙区とすることで、死票を減らし、多様な意見を受け入れ議席に反映する方が時代に適していると思う。
 とはいえ、1選挙区あたりの議席数が多すぎると、これまた乱立するだけで、民意のマジョリティーがわからなくなるので、2~3人あたりにして、必要に応じて政策協定を結んで候補者を絞る等の過程を踏む余地もあった方が、政治の混乱を生まないと考える。

参議院の選挙制度

(現在)参議院:選挙区と非拘束式名簿比例代表

 人口の変動により地方選挙区の合区や比例代表のあり方等、参議院の選挙もいろいろ物議をかもしている。また、参議院は衆議院のカーボンコピーと言われることもある。解散がなく6年という任期を全うする意味でも、衆議院とは違う機能をもっと発揮できるようにしてほしいし、そうあるべきだと思う。

参議院は、『ブロック別選挙区・年代別比例代表』

 なんだ?と思われるかもしれないが、衆議院が各地域・選挙区の代表者とするならば、参議院は全く違う観点からの民意の代表者を選出するくらいの大胆さがあってもいいし、参議院が良識の府としての存在意義を再確認できると勝手に思っている。

110議席は、ブロック別選挙区

 交通網やネットの発展により、人々の行動範囲も広域化しており、課題も広域に考え対応しなければいけない。とするならば、北海道・東北・北陸信越・・・といった現在の衆議院の比例代表のブロックである11に分けた広域選挙区としてはどうか。

 仮に参議院の議席数が250とし、110議席はブロック毎の人口に応じて議席数を定めて配分して直接選挙で選ぶということ。実際は、55議席を3年毎に選挙で選ぶ。そうなると各ブロックは、平均5議席前後となるが、どうしても人口の多い首都圏に議席数は多くなるであろうが、そこは1票の格差を是正するための議席数の調整を行うことで対応できる。

 衆議院が各選挙区(各地域)に根差すならば、参議院のブロック別により広域で俯瞰した中での全体最適を追求することにより、衆参の役割の違いと両者の協力による対処療法ではない方法での問題解決が期待できると思う。

ブロック案

140議席は、年代別比例代表という大胆な案

 どのような仕組みかは、

①20代、30代、40代といったように10年単位で区切る。
②各党は区切られた年代別で比例代表立候補者を擁立する。
③有権者の年代に応じて、年代別候補者名か政党名に投票する非拘束名簿。(※30代の人は30代の候補に投票、50代への投票はできない)
 

年齢構成を7段階に

そして、あらかじめ年代別の人口に応じた「基準議席数」を設定するが、最終的な割り当て議席数は、投票率で若干の議席数を変動させる。

 仮に20代の投票率が著しく低いと、基準議席数が10議席あっても割り当てられる議席数が9に減り、60代の基準議席数が12議席であっても、投票率が著しく高い場合は割り当てる議席数が13に増えるということ。(有権者数に応じた議席数の平等ではなく、実際に投票した人数に応じた議席数の平等) 
 これは、衆議院の比例代表並立制のデメリットの面で紹介した部分を応用するとともに、投票率をあげることを目的としている。そして実際に投票行動をした人の民意を反映するということ。

 140議席は、3年毎に70議席改選されるとした場合、年代を20代から80代以上までの7カテゴリーにすれば、各年代におおよそ10議席となり、実際の人口で多少の調整をする。調整した各年代ごとの議席数は、あくまで基準に過ぎないので、投票行動次第では高齢者への議席の割り当てが多くなるということも発生する。

 政党によっては、20代だけに絞ることもできるし、60代に絞ることも可。年代に加えて女性に絞って政党としての特徴を出すこともできるし、オールマイティーに全年代に擁立するも可。
 比例代表の非拘束名簿で順位は立候補者の獲得票数で定めるとすれば、各年代でコアなファンや支持を持つ人も選ばれることになるかもしれない。

 年代別の制度は、日本で選挙権をもつあらゆる年代の代表者が集い、論戦を交わして政治を行うことは、年代の違いを埋め、互いを理解し、全年代で力を合わせた「共創」の視点を持つことになるかもしれない。

 ブロック別、年代別の制度であれば、参議院は、衆議院との違いも明確になるだけでなく、仕組み上「多様な年代が選出される」こととなり、活発な国会論戦も期待できると思う。

一票の格差

 一票の格差をどうするかは大事な視点。選挙区あたりの人数での是正は王道である。衆議院が各選挙区の人数あたり、参議院が広域ブロックでの人数あたりと年代別とした多層構造での一票のあり方と日本の人口構成を反映し複雑化した課題を多面的に見て解決していくことに資する仕組みにすることが、もう一歩踏み込んだ一票の格差を適正化することになるのではないか。

 あくまで妄想的選挙制度ですが、いかがでしょうか? コメントお待ちしています。


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