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読了 猫を棄てる 父親について語るとき

村上春樹の作品というと、独特の語り口というのがあって、全文を通してその調子なもんだから、違う人物も同じように見えてしまう。作品は読むんだけど、ハルキストになるほどハマり込むということはなかった。

この作品(小説ではなく、エッセイ)は特徴的な書き方を封印して、父親のことを率直に書いていて、それが新鮮に映った。というよりは、村上春樹作品ではないみたいに思えたt言った方がいいのかもしれない。

全部で100ページほどの短い作品なのだが、そこに強い反戦への思いが、父親の先の大戦についてのエピソードを通して伝わってきた。


このような作品が上梓された背景を探りたい。コロナ禍の中で、アメリカと中国の対立が激化している。日本はというと、憲法改正の動きが目立たないようだが、着実に進んでいる。そんな時代だから、書かれた内容が響く気がしてならない。

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