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「チェンソーマン」は、藤本タツキ氏による作品で、「週刊少年ジャンプ」にて第1部「公安編」が2019年1号から2021年2号まで連載され、第2部は『少年ジャンプ+』にて連載の予定だそうです。2021年6月の時点でコミックスの累計発行部数は、すでに1,100万部を突破。2021年、第66回小学館漫画賞少年向け部門も受賞しました。

「鬼滅の刃」と「チェンソーマン」に、そこはかとなく通じる設定

「鬼」と「悪魔」、「鬼となってしまった妹を人間に戻すため」と「死んだ父親の借金を返すため」という家族に関わるそもそもの動機、「鬼殺隊」と「デビルハンター」などなど、その設定は双方の作品にそこはかとなく通じるところがありますね。


アニメの制作にあたっている「MAPPA」は、新作「チェンソーマン」の先行映像を6月に動画サイトで公開しました。再生回数は、すでに900万回超。コメント欄は、日本語より英語のほうが目立っているようです。

原作のマンガがジャンプの連載という「お墨付き」があるとはいえ、まだ公開されていないどころか公開日すら決まっていない日本のアニメが、なぜ世界から注目を集めているのか? そのヒントは、昨年映画が公開され、大ヒット・大ブームを巻き起こした「鬼滅の刃」にあります。

「チェンソーマン」は、「鬼滅の刃」と同じ道をたどる?

「鬼滅の刃」は、最初TOKYO MXでのテレビ放送でしたが、動画配信サービスである「Amazon Prime Video」や「Netflix」で配信したことで、ファン層を日本のみならず世界に拡げました。制作の「MAPPA」は、クオリティの高い映像作品で定評があり、アニメファンは「チェンソーマンは次の鬼滅になる」と大きな期待を寄せています。

米国Netflixは、日本製アニメを自社の競争力に取り込もうとしています。つい先日、9月10日に、東京都内に作品の世界観を示すコンセプトアートの制作拠点をオープンしました。かつてはニッチ向けだったアニメは、いつしか大きな存在感を示すようになり、いまや世界のNetflix会員の6割にあたる1億2千万世帯が視聴するキラーコンテンツに…。2021年には、40もの作品を独占配信することになっています。

アニメには、米国以外の意外な国も注目している

中東の雄・サウジアラビアの首都リヤドの映画館。6月、アニメ映画「ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語」が公開されました。
中東各国で上映された、この歴史作の監督は、劇場版「名探偵コナン」で知られる静野孔文氏。制作は、東映アニメーションと現地法人のアニメ制作会社・マンガプロダクションズが共同であたっています。

この現地法人は、同国の皇太子・ムハンマド・ビン・サルマンが設立した財団の子会社。これからの脱石油社会を見据えて、サウジアラビアでは石油への依存度を下げる国家目標「ビジョン2030」を掲げており、社会経済変革のひとつとして、2030年での達成を目指してエンタメ産業の育成を推し進めています。
「ワンピース」が大好きというムハンマド皇太子が、同作を手掛ける東映アニメーションに目を付け、若きアニメーターを派遣、日本流のアニメ制作を学ばせていると言います。

動画配信サービスにとって、良質なアニメは会員獲得のために有力な手段となります。
中国のIT大手の騰訊控股(テンセント)は、アニメ配信に注力し、関連会社が制作した「魔道祖師」は、海外向けアニメの交流サイト「マイアニメリスト」で放映中の人気作品1位(13日時点)に選ばれました。

有力コンテンツをめぐる競争は、いまや世界規模で起きています。

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