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靴を買った。 真っ赤なエナメルの靴だ。 昔も同じようなものを持っていた気がする。 どんな形…
「富士の麓にはたくさんの人が埋まっているんだ」 誰かが私にそう言った。 「それはどうして…
あなたが寝静まった深夜3時。 わたしは眠れなくて甲州街道のテールランプをあなたのマンション…
犬は飼い主に似るとはいうが、ここまで似ているとはお隣さんでも知らないだろう。うちの犬は…
僅かばかり白い雲が掛り始めた満月を私は縁側から眺めていた。右手には熱燗を左手には芳ばし…
腕組みをしてあぐらを組んでいると一人の坊主が私の前で経を詠み始めた。 なんだと目を見開い…
『とある街で原因不明の病が流行っていた』 「この流行病を治療する方法を解明致しました」 と一人の司教が教皇のもとを訪れた。 「申してみよ」教皇は言った。 「はい。我らが信仰する今は無き大樹から炙り出る煙に、この流行病を治療する成分があることを突き止めました」 「ほう、興味深い。だが大樹は遥か昔に枯れ果て、今はその跡地を聖地として崇めていることを司教ともあろう者が知らないはずはないな?」 「はい、存じています。しかしながら申し上げます。今、私どもが居るこの場所はその枯れ
地球とはどんなところなのだろうか。 人類が文明を築き、自らのエゴで自然を破壊しては、失っ…
花火大会の季節がきた。 ぼくはいつからだろうか、花火大会を見ていない。 だいたい気がついた…