ライナーノーツ〜関野、鎌倉にいく〜
こんにちは、関野です。
文月プロデュース公演 #1 『草の便り』という作品を鎌倉で作ることになりましたので、その目論見と過程をしっかり明示しておくためのライナーノーツ第二弾です。
前回の記事で鎌倉での作品作りにエイヤっ!と飛び込んだ私は実際に公演をするゲストハウスの下見に鎌倉まで赴きました。
・・・
写真がない!
なんでこういう時に写真を撮ってないのでしょうか。アホなんですかね。いい感じの写真とか用意しとけよ。
まあでも無いものは無いので、しょうがない。
とにかく鎌倉に着いて思ったのは、
『観光以外で鎌倉来たの初めてだあ』
というなんだか頭の悪そうな感想でした。
今回の話は鎌倉に移住してきた人たちの話です。
『鎌倉に移住する』ということは、それまで住んでいた場所から離れる決断をしたということで、それが逃避なのか、それとも冒険なのか、いまのところわかりません。
でも、この『観光以外で鎌倉来たの初めてだあ』という感覚は大事にしておこうと思ったのを覚えています。そんなことを考えながら喫煙所でタバコを吸っていると、みんなが集まってきました。
・・・
写真がない!
マジで次からちゃんと写真を撮ることにします。
ある程度見知った中ではあるものの、やっぱり顔合わせって緊張するよななど思いながら、今回の公演をする会場である大町ジャンクション さんというゲストハウスに向かいました。
中身がこんな感じ
うーん
ゲストハウスだねえ。
今まで劇場でしか公演をしたことが無い私はまあまあビビりました。この狭さと、なんと言っても二段ベットが3台。圧迫感が半端ない。あと俳優と観客の顔面の距離がマジで30センチになりかねない。チューできる。
ただ、この圧迫感は劇場では出せないし、たとえギャラリー公演でも、ここまで俳優と観客の距離が近いことは絶対にない!とみんなでテンションが上がりました。
テンションが上がったついでに、客席の作り方や、アクティングエリア(俳優が実際に演技をする場所)の検証をして、ある程度の勝ち筋が見えるところまで延々試行錯誤を繰り返しました。
このお芝居、楽しくなりそうだなあ
と、私はここから始まるワクワクを止められずに、ルートビアを飲んでずいぶん饒舌になっていました。お酒は入っていないのに。
ちなみに二弾ベットの上でカメラ目線をしている男が劇団カツコという僕が主宰する団体の制作です。制作なのにめっちゃイケメンです。
そして、劇場下見を終えたのち、
ワンダーキッチンさん(写真が斜めでごめんなさい。)という古民家カフェで打ち合わせや本読みなどをいたしました。
もちろん、飲むんですけど。
それぞれの自己紹介から始まり、戯曲の疑問点を洗い出し、今回のやりたいことなどを共有しました。最後はみんなで決起飲みをし、それぞれが帰路に着きました。
少し酔いながら、鎌倉の路地を歩く最中、自分の体が最初に鎌倉に来た時よりずいぶん緩んでいるのがわかります。
この、劇場下見から本読みをする中で身体が変化していく感覚がとても面白かったので、これは覚えておかねばなるまい! と私はこんなメモをとっていました。
ビジターな感覚が、鎌倉の路上を歩き、ゲストハウスや古民家カフェで時間を過ごすうちに肩の力が抜けていく感覚。銀座とか行くとしんどいのと同じ。知らない町が馴染みのある街へ、そして住む町へ。境界を超える。その境界はどこか。体温が伝わり得る距離で、緊張と緩和を伝える。
なんだか妙にポエムだし、格好をつけていて今見ると笑えるけれど、ライナーノーツなので全部包み隠さずに申します。
つまり、人が移動したり、時間を過ごす中で、リラックスできる場所とリラックスできない場所があって、同じ場所(ゲストハウス内にずっといる)の居心地の変化(緊張と緩和)が、あの狭い空間で俳優を伝って観客に伝わればいいなっていうようなことを書いています。
果たしてそんなことが可能なのか。
【次回】稽古をする。
つづきます。
文月プロデュース公演 #1 『草の便り』
作 ナカノキョウコ(文月)
演出 関野 翔太(劇団カツコ)
出演 昆野 祐希 三浦 碧至 大関 朱音
制作 類家 アキヒコ(劇団カツコ)
企画・製作 文月
あらすじ
彼女は疲れていた。人に求められることにも、人に求めることにも。
ある日、ほんの少しのきっかけで彼女は東京を捨てて鎌倉に移住することを決める。ちいさな陶芸教室で働き始めた彼女のもとに、故郷から妹が訪ねてくる。ゆったりとした時間が流れる街で、彼女たちは、変化する風景と向き合って行く。
2018/11/16(金)-11/18(日)
14:00 19:00
11/16 ————————◆
11/17 ———◆————◆
11/18 ———◆————◆
チケット 1,500円
@大町ジャンクション ドミトリールーム
神奈川県鎌倉市大町2−2−35
鎌倉駅徒歩10分