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プロ意識の高い販売員の脳内

こんにちは。
イメージコンサルタントのshotaです。

タイトルを見て、え?販売員の記事?と思いましたよね。
私は10年以上販売員としてのキャリアを積んできて最近お買い物での出来事があったので少しいつもと違う目線の記事を書いてみました。
若干業界のビジネスっぽい記事になりますが、ご興味のある方は読み進めていただけると光栄です。

さて、プロの販売員と聞いて皆様はどのような販売員を想像するでしょうか。
お客様の目線から見れば全員プロ
これは当たり前です。
しかし、お買い物に慣れている方であれば
「あの人頼れそうだな・・・」
「この人めちゃくちゃ知識豊富じゃん!」
「この人はちょっと波長合わないな・・・」

といった感覚を無意識にしている方は多いはずです。
では、(お買い物に慣れている)お客様が定義する、
プロの販売員
とはいったいどのような人を差すのでしょうか。

お客様にとってのプロの販売員


思わず、「喋っちゃう」

まず、「話す」と「喋る」は同じ聞こえ方ですが厳密には意味が異なってきます。

「話す」・・・伝えたい相手がいて、反応を想定しながら、内容を考えてすること
「喋る」・・・自分にも相手にもその場限りのようなことを、思いつくまま口にすること

接客中に思わず自分のことをベラベラ喋っちゃうことありませんか?
これ、実は販売員の戦略なんです。
お客様のふとした一言を、そのお客様にだけの会話やサービス、提案に繋げる
⇒お客様は特別な気分になって、"よし、この人から買おう!"と決める。

戦略と言いましたがサービスでもあります。
この主旨としてはリラックスして楽しんでいただきたい。
緊張していると視野が狭くなりますよね。
例えば初めてのプレゼンや会議で話をすることになったらとにかく伝えなきゃ!このポイントは必ず言う!のように伝えることにしか意識が行きません。
しかし、慣れている人であれば
まぁ、ここだけしっかり言えばいいよね。
と極端ではありますがそう考える方が多いと思います。
でも大切なのはそこではなく、聞いている方々の反応や表情・仕草から、
今の説明だと不十分だったからこのあともう一度説明しよう。
とアドリブを聞かせますよね。もしくは質問形式で相手を参画させる人もいます。
このように緊張している場合とリラックスしている場合の視野ってこれだけの差があるのです。

なのでプロの販売員はまず、お客様が入店していただいた時から緊張させない空気を作っているのです。また、接客中も"思わず喋っちゃう"をしてもらえるように意識しているのです。

「好かれなくてもいい、嫌われない」

人は誰でも「何、この人?」と思った相手を警戒します。喋るわけがありません。
これ、販売員の目線でしか書かれていない記事ばかりなのですが、じつはこのポイントってブランド・ショップ・館として一番重要なキーポイントなのです。
まず、先ほどリラックスできる空間がいいというお話をしました。
このリラックスできるかどうかでお買い物をするかしないかを決めるお客様ってものすごく多いんです!
急ぎで必要なものを買いに来ている方でも、リラックスできていなかったら再来店の確率はほぼ0でしょう。
まずお客様はよし!ここに入ってみようと何があるのかわからずに警戒しながら入店される方が大半です。
そこで緊張が解けずどんなお店なのかよくわからないという意識だとどんなに素敵な商品が並んでいても、魅力的に見えていないのです。
勇気を出して入ったお店=魅力のない店
という方程式が脳内に植え付けられ、一生来ることがなくなってしまうんですよね。
だから、ブランド・ショップ・館として一番重要なキーポイントなのです。
ではどのような要素でリラックスできるのか。
最終的にはお客様が「ここは大丈夫だな。」と思うことが目的です。
この"大丈夫だな。"は安心・信頼・和らぎです。
お客様の正面に立たない、目を合わせすぎない、声のトーン、そして何より笑顔です。
この印象=お客様から見たブランド・ショップ・館の印象です。

笑顔がなければ無愛想。
声が小さければやる気がなさそう。
声をかけてくるタイミングが悪ければ波長が合わない。

といった印象になってしまいます。
意識してると、

笑顔で愛想がいい。
声のトーンが聞きやすくて落ち着く。
ハキハキしていてちゃんと向き合ってくれている。
ちょうど聞きたかったタイミングで声をかけてくれたから波長が合うな。

といった印象になり、何かあればつい寄ってしまうお店になります。

潜在ニーズを引き出してくれる

PCを購入しに家電量販店に行ったとします。
職種、どこで使うか、何を使うか、といったニーズを伝えた上で該当するPCを提案してくれますよね。
PCを買うということはそれに付随するマウス、マウスパッド、スタンド、プリンター、モニター、Wi-Fi…とPCを買いに来たがのちに買い足さなければならないものがあるということです。
それらがどのくらい必要なのか、最低限なければならないものは販売員は知り尽くしています。
PCを売るだけなのか、それともPCに付随する雑貨や、周辺機器を提案してくれるのか、ここに大きな差が出てきます。
顕在ニーズ(今回はPC)と潜在ニーズ(雑貨や周辺機器)両方を提案することによって、お客様の心理は「この人めちゃくちゃ知識豊富!」、「この人で良かった」、「これからも困ったらこの人にお願いしよう」
販売員の信頼もそうですが、お店のイメージもその人のイメージとリンクする人が多い傾向があります。
また、最初に担当してくれた販売員がほかのアイテムを紹介できない(一緒に商品を見て回れない)ケースもあります。
その時にその人から「周辺機器のコーナーは〇〇さんという方がいいアドバイスしてくれますよ」などお客様が困らない環境を提供してくれると更に信頼度はアップしますよね。
要は、できなければ"何か一言"が最重要なのです。

また、一緒に回ることができるケースであれば今までのお客様の会話からいろんな角度で、お客様が気付かなかった視点(客観的視点)からの提案を行うことで、「すごく親身になってくれている」、「この人はセンスがいい」といった安心にも信頼に加え安心にもつながるのです。

お客様にとってのプロの販売員=信頼感

ここまでお客様目線から見るプロの販売員とはどのような人なのか
というお話をしてきましたが、要約すると信頼できるかどうかなのです。
信頼していれば自然と会話もしますし、頼ります。

ここでひとつ私の販売員時代のお話をさせて頂きます。
私はセレクトショップで勤務しており、洋服以外の雑貨類を扱っていたのですが、ある日の夕方によく来てくださる顧客様からご連絡が入りました。
「ちょっとしたお礼を会社の人にしたいから見繕っておいて!」
この情報だけの連絡が来ました。
事前情報としてその方は

・金融関係のお仕事に従事。
・仲良くしている同僚がいてその方はトレンドに敏感。いつもお洋服や化粧品の話をする仲
・顧客様はお嬢様がおり、(このときはまだ2月)春から社会人になる。

この情報の中から、
同僚へのお礼のお品を(仲がいいからこそ)気を遣わない程度の金額で探しているんだなと仮定。
ただ、その程度(安価・高価)は顧客様がお決めになることなので、
・3000円位でハンドクリームとハンカチ
・6000円位でタンブラーorマグとコーヒーのセット
・10000円位できれいな色のスカーフ
俗にいう松竹梅手法で用意して待っていました。
その待っている間に思い出したことが、
お嬢様の就職と翌月は年度末で忙しいということ。=来店したいけどできない…
またここで仮説を立て、顧客様自身のお洋服とお嬢様の就職祝いのバッグを用意し終わった時にちょうどご来店。
その日のお仕事の会話や最近の出来事をお喋りしながら準備していたものを見比べていただきました。
そして答え合わせ。
だれに、どんな関係性の方でお探しなのか。
予想は的中し、仲の良い同僚の方に以前ディナーを招待いただいてそのお礼をしたいということでした。
お選びいただいたのは3000円前後のセットでした。
お礼の品も決まり、年度末の話とお嬢様の話をすると、
「よく覚えていたわね~!!!私そんなことまで話していたかしら!?」と驚きの表情で感動されていました。
用意していたものも見ていただき、お嬢様のバッグは色違いのものにはなりましたがすべてご購入いただきました。
また、顧客様の購買履歴にハンドクリームはなかったので差し上げる前に使ってみてくださいとサンプルをお渡し。
その日はルンルンでお帰りになりました。
後日、顧客様からお電話があり、「お礼してきました。とっても喜んで早速使ってくれていました!私も渡す前に使ったけどものすごくよかったから3本用意しといて!明日うかがいます。」とのことでした。
このストーリーの中で私が伝えたいことは
目の前の顕在ニーズにこたえることは当たり前。
いかに潜在ニーズを探って先読みできるか。

今回であればお嬢様の就職(=就職祝いが必要?)、
翌月が年度末だからご多忙(=来店できない…?)
とそこから逆算して準備をすることで覚えてくれている、私のことを理解してくれているという信頼に繋がるということです。
他にもいろんな信頼を得るケースはありますが一例として受け止めていただけますと嬉しいです。

これから皆様がそのショップの担当の販売員を決めるときの参考になれば幸いですし、現在販売員として活躍されている方も少しでも意識されると光栄です。

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