大学生活のハイライト
大学生の頃、通っていた校舎の近くに「ハイライト」という定食屋があった。
ミックスフライ定食が安くて(590円くらい?)、量もとても多かった。
サークル帰りに、同級生とよく食べに行った。
1時間以上話したあと、さらに、近くに住んでいる彼のアパートに移って、またコーラを飲みながら無駄話をしていた。
4回生の頃、一人で食べに行った。
胃もたれをして、食べるのに苦労した。
大学卒業だな、と思った。
僕は中高とはっちゃけた人間ではなかったので、大学に入るまで、友達と定食屋に行くなんてことをしたことがなかった。
1回生になって。
サークルに入って初めて、友達と外の定食屋に行って夕飯を食べるようになった。
18歳の胃袋は元気だから、揚げ物さえ入れておけば満足した。
しかも僕はそのとき、自転車通学だったから(片道1時間)、どれだけ食べても太らなかった。
定食屋に入って、友達と話して。
時間が足りないから、その友達の家で続きを話して。
たまに、帰るのがだるくなって。
泊めてもらって。
そんな生活をしていた。
エモい。
エモすぎるぞ自分。
気付けよ。
動画にでも残しておけばよかった。
それから、2回生になって。
一丁前に後輩が出来て。
エラそうに後輩に奢ったりして。
それ以外は全部一緒。
ひたすら話して、時間が足らなければ家に行って。
そんな毎日だった。
3回生の途中までは、まだまだ同じ生活をしていた。
楽しかった。
彼女も出来た。
同級生とのご飯の時間を断って、彼女とご飯を食べに行ったりもした。
「すまーん!今日はアカンねん!」とか言いながら。
でも、就活がやってきた。
僕らはその生活が出来なくなり、毎日、自分が社会に求める希望と、御社がいかに素晴らしいかを考えるようになった。
面白くなくなった。
そして4回生、就活が終わって、卒論も書き終えた。
やっと、昔の生活が出来る。
今日は一人だから、ハイライトでも行こう。
そして。
ミックスフライ定食が食べ切れなくなった。
それが、大学生活の終わりだった。
初夏の夜だった。
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