震える指
脳の性質か持病のせいなのか。
生まれつき手が、指が震える。
キーボードを打鍵するときも、常に気を張っていないと指が震えだし、タイプミスをしそうになる。
この震えは力を入れたときと緊張したときに顕著に出る。
かっこ悪いし気持ちが悪い。
自分の身体なのに、気持ちが悪い。
でもいい加減、認めようという気になってきた。
自分の身体と喧嘩するのに疲れたし、何より、誰かと繋がれるかもしれないから。
この手の震えのおかげで得したことはほとんどない。
むしろ損なことばかりだ。
折り紙も満足に折れないし、書道の時間は真っすぐな線が引けなかった。
美術の時間は、美術史がほとんど満点だったのに、実技でかなり点を引かれた。
だから嫌いだった。
でも今は認めている。
不器用な人に対して、「わかるよ」と言えるから。
「こんな簡単なことも出来ない自分なんて」とふさぎ込む人に寄り添えるから。
「みんなが出来るのになんで僕は/私は出来ないんだ」と泣きそうになる人のそばにいられるから。
出来ないことは、簡単であればあるほど、ショックが大きい。
そして簡単であればあるほど、出来ない仲間がいない。
みんな出来る (ように見える)。
そこに一人でも仲間がいるときの嬉しさたるや。
僕はその一人になれるのだ。
選ばれし一人になれる。
普通の人間にはなれない仲間。
だから。
僕は今日も、この震える指で文章を打ち続ける。
誰か一人でも「ここに仲間がいる」と思ってくれればそれでいい。
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