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腐男子をたくさんあつめてみたら ?? ⛱⛱

腐男子にリアルで会ったことはありますか?
かく言う僕も、ほとんどありません。ただそうなると、会ってみたい願望はどんどん高まるわけで、あえて大きめの本屋のBLコーナーに行っては、しばらく物色するフリをするのです。

リアルの本屋で探してみる?

一般書籍がメインの本屋なんて、店舗が大きかろうが、小さかろうが、BLコーナーを流行りに合わせてレイアウトし直すことは、ほとんどありません。流行の商業本の知りたいなら、ネットで調べるか、雑食の腐った友人に聞くべきです。そもそも、物色するような場所じゃないんです。それでも、「腐男子が実在するなら、オタク向け本屋に行く勇気はないだろう。」と、バカな推理で気持ちを立て直しては、強い心で待ってみました。

来ないんですよね。一度のチャレンジと一度の失敗とかではありません。何度やっても、腐男子は来ないんです。あるとすれば、通りすがりの腐女子と無言のまま、場のオーラを競い合う競技が開催されるぐらいのもので、一回戦の腐女子に勝ったとしても、二回戦もまた、女の子。おそらく、決勝戦まで行っても、いとしの腐男子は現れないのでしょう。バカな試みは繰り返しましたが、僕は賢いですから、リアルの人探しは難しいことを悟りました。

ゲイアプリで探してみる?


となれば、ネットです。腐男子と会いたいという熱い思いはこの程度ではありませんから、「趣味で繋がれる」という触れ込みのゲイアプリを新たにインストールしました。今さらですが、僕はゲイの腐男子です。審査を通過すれば、どうやらコミュニティなる機能があることに気が付きます。気になる腐男子のコミュニティは、、1500人弱。なるほど、比較がないと分かりません。しばらく調べて、マーベル映画好きのコミュニティ、宇多田ヒカル好きのコミュニティ、グルメ旅行が好きなコミュニティ、京都が好きなコミュニティがほぼ同数であることが分かりました。これは、予想より5倍は多いです。

BL文化は、少なくとも6〜10年前では、ゲイに嫌われているという印象が強いものでした。BL作品が細身で前髪でイケメンで友達の少ないキャラクターが恋愛することが多く、現実のゲイの価値観と大きくズレていたためです。加えて、ゲイカルチャーやクィアの一側面には、異性愛規範という考え方があり、それには結婚も含まれます。そのため、ゲイカルチャーの一部では、結婚という価値観に収まらないことをアピールすることで、ゲイの権利獲得が唱えられることもあるのです。

それが変わってきたのが、ここ3〜5年と言えます。ゲイたちや性的マイノリティが一枚岩でなくても、その一部に結婚を必要としている人たちがいるのなら、その運動に協力しようという風潮が定着しました。BL漫画によって、幼少期に救われた経験を語る漫画家や小説家、LGBT活動家の登場もあります。おっさんずラブに代表されるBLを題材としたTVドラマが、職場で自然と出会い、結婚をゴールとして描いたとしても、それ自体を取り立てて指摘するゲイはいません。かつては、同性婚の合法化を進めるための、あくまで建前の協力であったとしても、現在では違います。BL好きも、同性婚賛成も、彼らの新たなモテ要素としてゲイたちの中で扱われてきているのです。

⛱  余談 ⛱
「BL好き」や「リベラル⁇」の「モテ要素化」は、ヘテロの男女の世界にもあります。ブロマンスが好きと公言する男性芸人の方とか、あまり信じていないのですが、どうなのでしょうか? 
芸人さんって、男女問わず、オシャレなことや流行にシビアなことが多方面から求められるお仕事なので、そういう意味で信じていないんです。

一時期、腐男子のフリをして腐女子に近づき、ナンパやデートの誘いをする「ニセ腐男子」や「ファッションホモ」なる言葉が流行ったこともありました。なんなのでしょうか?


さて、ゲイアプリですが、特に会話の面白そうな腐男子が見つけられなかったので、進展がありません。1500人いるのだから、きっとワタクシを見つけだしてくださる殿方もいらっしゃると思います。当方は、末永くお待ちしております。

冗談は置いておいて、ゲイの腐男子のメンタリティなんて想像できますから、やっぱり、ノンケ(ヘテロ)の腐男子という神秘に出会いたいと思います。「どうしてノンケなのに、腐男子になったのか?」その深淵を覗き、新たな知見が得たいのです。


匿名チャットで探してみる?


またしても気を取り直して、探してみましょう。最近、とある匿名チャットにハマっていまして、メッセージアプリでの饒舌さと好奇心は、誰にも負けませんから、インストールした初日に、そのまま腐男子会を開催してみました。

時間も入れ替わりで、6人ほど集まってくださりました。素晴らしい世界です。そして、気になる質問をしてみます。あなたはゲイ or バイセクシャルですか? 答えはまさかの全員がYESです。

もしかすると、腐男子のゲイ・バイセクシャル率は、世間の想像よりずっと高いのかもしれません。ただ、1人だけ少し珍しいことを言う人もいて、その方は14才の頃にBL作品でゲイに目覚めたというのです。詳しく聞くに、それまではノンケであったというと自覚があったそうなので、そうした体験もあるだろうなと、ひとまず納得はしました。

さて、せっかく集まってくださったのですから、さらに質問を続けます。好きなBLジャンルと、どのようにBL作品を消費しているのかを聞きました。結果、好きなジャンルに差はあれど、ほぼ全員が現実の社会の恋愛対象と近い人が登場するジャンルを選び、性的に消費すると言うのです。ゲイなのですから当然かもしれませんが、あまり面白くもなければ、好ましくもない結果だと思いました。

⛱ 余談 ⛱   お話自体は、すごい楽しかったんですけどね、性癖の話はたいてい熱を持って盛り上がる話題なのかもしれません。


ゲイと腐女子は仲良くなれる?

先ほどのゲイ腐男子たちの話には、腐女子のBL作品の見方とかなり解離があります。これは、けっこう大きな問題です。

これでは、腐女子と分かり合うこともできなければ、ゲイカルチャーもBL文化も価値観が更新されることもなく、性的マイノリティに対する視野も理解も広がりません。なによりも、漫画やアニメ、映画、ドラマ、全ての作品に対して、語り合うことができないのが問題なのです。
僕だってオタクですから、キャラ萌えも声優も分かります。でも、好きなものを語り、応援するには、それでは足りないのではないか?と、世界が変わるほどに思うのです。全ての人にできるとは言いません。

クリエーターがいったい何を考え、何を感じ、思い、作品を通して願ったのか? BLに限らず、作品と名の付くものにはそうしたものがあります。


》その2 につづく

》次回は、僕自身のBLの見かたと、ついに出会えたノンケ腐男子の話もします。ゲイとノンケと腐男子と腐女子は仲良くなれるのでしょうか??



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