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”目的”を立てて、人見知り克服を目指す

会社員をしながら俳優として活動をしている吉井翔子です。
人前に立つ俳優という仕事をしていると、たまに「目立ちたがり屋なのか」とか「陽キャなのか」とか言われます。まあそりゃあ…正直、舞台のカーテンコールで真っ先に挨拶をする座長をやってみたいし、地上波の作品にも出てみたいとも思ったりしているので、その点、もしかしたら、少しは目立ちたがり屋なのかもしれません。
でも、わたしの親しい友人たちはよく知っていますが、わたしは大変な人見知りです。大勢の飲み会では喋らないし、先輩役者たちの前で自分から手を挙げて発言することも苦手。映画監督のワークショップに行っても、はじめましての監督になんて話しかけたらいいのかいつも迷います。

ところが、わたしが「人見知りでなかなか人に話しかけられない」と相談をしたら、ある俳優仲間に言われたんです。
「他人はそこまであなたに興味がないよ」と。
よく聞く言葉だけども、改めて知人に言われて、がつんと胸を打たれました。

そりゃそうだ!
だって他人は、”わたしのことを全く知らない”んだもの!

わたしが人見知りをする理由は、”初対面の相手に、自分のことをよく見せようとして、なんて伝えたらいいか分からないから”でした。
相手の好みを分析して、それに合わせた自分を引き出し、「いや、やっぱり違うかも」と、また相手の出方を覗って――と、やけに慎重になりすぎているからなのです。
でも、そんな心配はいりませんでした。
初対面だからこそ、相手のわたしへの興味・認識はゼロの状態であり、すなわち、印象に残らなければ、”ただ忘れられるだけ”なのですから。

とはいえ、それでもやっぱり、初対面の相手に話しかけるのは勇気がいる!
と、そう思いますよね。わたしもそうです。
だから「自分が話しかけずにいて、あとで後悔しないか」と考えるようにしました。
わたしは、どんな場所やコミュニティにいる時でも、自分が物語の「主人公」でいることを意識するようにしています。それは、ただワガママを言うことや、周囲から目立てばいいとか、そういうことではありません。

その場に自分が居る、”目的を持つ”ということです。

自分は何のためにこの場所にきているのか。
誰に会いに来たのか。
何を話しに、
何を渡しに、
何を伝えにきたのか。

そしてその目的が達成できなかった時、自分はどうなってしまうのか。

シーンの登場人物には必ず目的が存在する、といろんな演技の方法論で言われたりしていますが、人の日常を表現している芝居だからこそ、日常生活の中で、わたしたちにもあてはまることなのです。
人見知り克服に、わたしはこっそり”シーンの目的”を使うようにしています。

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