歌集評『羽と風鈴』 嶋稟太郎 小路口忍 本のカバーを外して広げてみる。格子状の窓枠が左上から右下へ角度をつけ、その奥に枝葉の疎らな木が透けて見える。それとは別…
『百年と一日』 柴崎友香 例えば死んだ祖父のことを人に伝える時、どのように語るだろうか。どこで生まれ育ち、職業は何をしたか、そしてそれに付随するエピソードをいく…
2020年、パンデミックとともに単身赴任で赴いた金沢の街。 内示出る二時間前の写真には首だけ食べたうさぎのケーキ 二回目の単身赴任は手際よく翌日家を決めてカニ丼 昨…
小路口忍
2023年9月29日 23:26
歌集評『羽と風鈴』 嶋稟太郎小路口忍 本のカバーを外して広げてみる。格子状の窓枠が左上から右下へ角度をつけ、その奥に枝葉の疎らな木が透けて見える。それとは別に左下から右上へと角度をつけた窓枠も多重露光のように重ねられ、パースペクティブは裏表紙の折返しまで続いていく。青色を基調としながらも、光源を感じられる左側は若草色で始まり右へ行くにつれ階調を変化させていく。書店でこの歌集を手にし、ページを
2023年3月31日 08:55
『百年と一日』 柴崎友香例えば死んだ祖父のことを人に伝える時、どのように語るだろうか。どこで生まれ育ち、職業は何をしたか、そしてそれに付随するエピソードをいくつか散りばめるのではないか。人でも土地でもとにかく今この場所から遠くのことを僕たちは「要約」して誰かと共有する。当たり前なことであるが、本人にとって重要なことが語られずも、時間と場所を超え見知らぬ誰かに自分のことが簡略化され伝えられてゆく
2023年3月30日 11:13
2020年、パンデミックとともに単身赴任で赴いた金沢の街。内示出る二時間前の写真には首だけ食べたうさぎのケーキ二回目の単身赴任は手際よく翌日家を決めてカニ丼昨年の家族旅行で行ったとこ住んで働くことになとは娘談「ライブあるから泊まらせて」利己的な遺伝子だけ遺伝自撮りした同じ場所にて夏と雪コントラストを家族ラインへそこにいるあなたの意味が分からない在宅勤務とまどいの妻後輩は