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「実物に当たる」建築の勉強法 vol.1

実物に当たることから逃げてはいけない

建築に限らず、「どのように勉強するか」は何かを習得する上でとても重要になる。どんな勉強法かで、5年後、10年後に雲泥の差が生まれてくると思う。

私は大学文系学部を卒業して建築の世界に飛び込んだ。全くの畑違いの世界であった。ただでさえ大学の建築学科を出ている人に遅れをとっている上、建築についてはズブの素人であった。だから、建築の勉強法は徹底的に研究した。

その中で、最も重要なのが「実物に当たる」ということである。

何を当たり前のことを、と笑われるかも知れない。

しかし、当たり前の事を出来ていない人があまりにも多い。

よく考えてみればお分かりかと思うが、写真の建築は実物ではない。ただの絵である。しかしどういう訳か、建築写真だけを観て建築を観た気になってしまっている人がとても多い。

気持ちは少しわかる。建築を観に行くのは、けっこう面倒臭いのである。

服を着替えないといけないし、遠い場所なら車や電車で行かなければならないのでお金もかかる。一日がけで、はたまた何日もかけないといけないくらい遠い所にあるかも知れない。

そんな方には、その面倒臭さを楽しめるように小旅行感覚で観に行くことをお勧めする。行ったついでにウマいものを食べて帰るといい。するとモチベーションが上がってくる。

建築はどこまでいっても現実の「モノ」である

実物と写真は全く違う。実際に実物に当たってみると、

「あれ、写真で観たのと全然違うな。」

「写真だとキレイな白い外壁だったのに、えらく汚れてキタナイな。」

「うわ、エアコンの室外機だらけじゃん。」

などなど、写真で美化していた想像の世界と、現実の世界のギャップに戸惑うだろう。

しかし、本当の建築の勉強はそこから始まる。

カッコいい図面を描いて、カッコいいポートフォリオを作っても、立ち上がった実物で全て評価されるのだ。

写真だけ観て満足してはいけない。写真だけ観て逃げていてはいけない。

実物を観て失望することもあるだろう。

しかし、その時は心から喜ぼう。一歩前進した証拠だ。

さあ、お気に入りの服を着て勉強に出かけよう。




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