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私がみてきたアートと彫刻の20年

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私がみてきたアートと彫刻の20年#3 「藝大という秘境でも楽園でもない場所のこと 〜藝大彫刻のアカデミズム」

私がみてきたアートと彫刻の20年#3 「藝大という秘境でも楽園でもない場所のこと 〜藝大彫刻のアカデミズム」

 私が大学院生の頃、東京藝大を「秘境」と呼ぶ本が話題になりました。謳い文句は、その卒業生の8割は行方不明だとかそんな感じだったと思います。私は読んでいませんが、書かれた側の人間として当時思うことはいろいろありました。確か著者が、当時の私がいた学科の学生と結婚された方で、ある意味当事者に近い目線で書かれていたため、話題を呼んだのだと記憶しています。

 藝大は良くも悪くも何かといろいろ言われることが

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私がみてきたアートと彫刻の20年 #2 「ひとりになるためのアート」

 35歳アート底辺として節目を迎えたことをきっかけに書き始めたnoteの第二回です。今回は高校生で出会ったアートについて書きます。今回は超個人的な内容や画像等もないので、有料部分は投げ銭コラムというふうにしてみます。少し前の美術受験のことも書いてあります。私は現在美術系予備校の講師もしているので、それなりの情報としてご活用いただければと思います。

普通科高校(私立)の美術

 高校が私立の中高一

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私が見てきたアートと彫刻の20年 #1 「彫刻がわからなかったから」

私が見てきたアートと彫刻の20年 #1 「彫刻がわからなかったから」

父の死をきっかけに唐突に書いたnoteの記事から一年と一月が過ぎました。色々と自分の節目が見えた一年だったので、色んなことを振り返って少しずつ書いてみようと思います。

はじめに

 「彫刻」は普段普通に過ごしていて存在を意識することはないし、美術館でも割とスルーされがちなんじゃないかと思っています。もちろん作家単位では有名なものもあるでしょうけど、相対的に彫刻というのはわかりづらいんじゃないか

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