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世界の料理〜タジン鍋〜


今回は、タジン鍋について書いていきます!

タジン鍋とは北アフリカでよく作られている料理で、独特な鍋の中にお肉と野菜を入れて蒸した料理の事を指します。

実はこのタジン鍋、とても考えられた構造でヘルシーかつ効率的な料理なんです!

その知られざる構造について書いていきます。

伝統的なタジンポットは陶製で作られています。
本体と蓋の二つの部分から成っていて本体はふちのある皿状、蓋は円錐かドーム型、上の口にあたる部分は細く、底の部分は太くなっています。

写真では上の蓋はすでにとられてサーブされちゃってますが、、、

実はこの構造、とても理に適っているんです!

円錐形の蓋の上部の狭い空間は対流が起こりにくく、温度が低い領域が得られます。食材から上がる水蒸気や、食材やハーブなどに含まれる揮発性の香りの成分が、冷たい蓋の上部で冷やされて結露し、再び水滴となって食材のもとへ戻るようになっていくという構造です。

その結果何が起こるかというと、蓋と鍋の隙間にウォーターシールが形成されて密閉状態となり、料理の香りが飛ぶのを防いで風味を逃さない蒸し焼きに最適の条件が得られのです!!!

さらに蓋の下のほうだけ水蒸気の対流が発生するため、土鍋の熱を下部に集中させやすいという利点もあります。

理に適っているのはこれだけではありません。

モロッコでは飲料水は非常に貴重でした。そのような風土的要因から、食材の水分だけで調理できるタジンは作られたともいえ、一般的な家庭料理となっているのです。

このように歴史的背景も考えるとますます緻密に設計された料理なんだと驚かされるばかりです!

ヘルシーな部分にも注目しましょう。

高さのあるフタは、かさばる野菜を盛り上げても収めることができるようになっています。
蒸すことで柔らかくなって見かけの量がかなり減るため、多くの野菜を食べられるという構造です。加熱時に使用する水分が少ないため、水溶性のビタミンやミネラルが溶出する損失が少なく、熱の通りが良いので油の使用も控えられます。

このように蒸し料理の特徴を最大限に活かしているのがこのタジン鍋です!

どうですか?感動しますよね。

その土地の特徴を知る事で、より楽しくなるグルメ旅。
これからも学びながら色々な食材や料理を口にできたらいいなと思います!

ご精読ありがとうございました😃

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