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変わらないために変わり続ける

コロナの影響により大変な時代になった

「現状維持は衰退」なんて昔からよく言われていますが、コロナ禍により、まさにその言葉を痛感せざるを得ない状況でしょう。今までのやり方に固執し続けているとどんどん状況は苦しくなっていきます。

僕は経済活動への影響が出始めた2月下旬頃に「変わらないために変わり続ける」という言葉を思い出しました。この言葉は、一風堂のサイトに掲載されているのを見て知りました(新卒でお世話になった先輩がかつて一風堂の社長をされていたこともあったので)。

この「変わらないもの」は「ずっと受け継いでいくべきもの・守っていくもの」、例えば「企業のミッション、バリューのようなもの」を指していると思いますが、この状況下では「コロナ以前と変わらない提供価値、売上、パフォーマンスなど」も含まれるでしょう。

このような未曾有の事態でも慌てずドンと構えて平常運転できる、もっと言うといつも以上のパフォーマンスを発揮できる組織は強いし、生き残るはずです。そのためにも、常日頃から自己改善や外部環境変化への柔軟な対応をし続ける必要があります。

起きてしまった事実は仕方ないですし、変わりません。本当に言ったかどうかわかりませんがダーウィンの名言のとおり、これからは「変化に最も対応できる生き物が生き残る」わけです。飲食店などは、生き残りをかけてまさに下記リンク記事のようなことに必死に取り組まれ、成功している事例も出てきているようです。

自分の原体験

「変わらないために変わり続ける」は当然他の業態にも言えるわけですし、先程述べたとおり、何も今回の状況に限ったことではありません。ここで自分の原体験を少し紹介しましょう。

僕は新卒から約7年間、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)でTSUTAYA事業に携わっていました。この事業は市場もそこそこ大規模で安定していたこと、リアル店舗での競合環境はさほど厳しくなかったこと、またフランチャイズモデルで安定収入が入りやすいこともあって、今思うと比較的危機感が薄いというか、のんびりしていたような気がします(これは転職し、様々な業界を経験したからこそわかったことです)。

よって在籍中も、AmazonやYouTube、iTunesなどの動画配信、音楽配信サービスなどのWeb上での競合サービスが参入し始め、顧客行動も変化していっているにも関わらず、売上はそこまで落ちてなかったこともあり、それに対する会社の打ち手が当時の僕の感覚だと「遅いな」「ヤバいな」と感じていました。そして僕は「新しい何かをやらないとまずい!」と思い、約2年間、新規事業・サービスを提案したり、新規事業・サービスの部署への異動希望も出し続けたりしました。それを知った何人かの先輩がかけあってくれるなどはあったのですが、自分の力不足もあって結局異動は叶わなかったことや危機感やスピード感に対する感覚のズレなどもあり、転職しました。「1社員が何を言ってんだ」と思われるかもしれませんが(当時も思われていたはず)、事業の危機に対し、自分では何もできなかったことに対し、非常に悔しい思いもしました。

そして、TSUTAYAが現状どうなっているかというと下記リンクのような状況になっています。

打ち手がなかなか進まなかったのは、先程記載したとおり、フランチャイズモデルで TSUTAYAが当時1,500店舗超ある中で約9割は他の企業(加盟店)が運営していることも事情としてありました。加盟店と利益を食い合うし、彼らを説得するのに非常に時間がかかるからです。これはオムニチャネル化(もう古い言葉?)が上手く進まない小売業でも起きてた店舗運営部門とEC部門でのカニバリと同じ構図ですが、自社だけで完結する問題でもないのでなかなか難しいわけです。しかしWeb上の競合サービスに食われると、フランチャイザーであるCCCも加盟店も両方損することになります。

※補足
現在、音楽、映画などを扱うTSUTAYA店舗は潰れつつありますが、リアルだからこそ出せる価値を追求している書店(&カフェ)事業の強化や、レンタル、物販などの縮小・撤退により空いた店舗スペースにシナジーの高いテナントをリーシングするなどの店舗パッケージを見直すことでなんとか生き残ろうとしています(蔦屋書店、TSUTAYA BOOKSTOREなど)。その意思もあってか、2020年4月1日からはTSUTAYA事業の社名が株式会社TSUTAYAから株式会社蔦屋書店になりました

顧客に真摯に向き合えていますか?

先程のようにもちろん企業ごとに様々な事情があり、既存のものを変えづらいこともあるというのはわかります。ただサブスクなどの増加により、「広義のカスタマーサクセス」の意識が高まっている中、今まで以上に、外部環境の変化、顧客の行動や顧客の声に真摯に向き合っていく必要があると思います。そしてそれができない企業は淘汰されていくでしょう。

とはいえ、まだまだ多くの企業ができていないのが事実としてあります。顧客行動に関してはマーケティング活動の一環で分析し始め、徐々にできているところもあります。しかしカスタマーサポートにおいては問い合わせ履歴などに基づいた顧客の声の分析や、それらの声が経営に届き、事業やサービスの改善に活かされるというサイクルを回せているところはほんの一握りではないでしょうか。

海外ですが、下記のようなレポートもあります。これでは顧客の声は届きませんよね…。

【サマリー】
・62%の企業は、顧客→CSのメールに対して返信しない
・90%の企業は、顧客にメールを受領したことを返さない
・97%の企業は、CSの対応に満足したか顧客に聞かない
・CSの平均レスポンスタイムは12時間10分

カスタマーサポートも変わらないといけない

カスタマーサポートはまだまだマーケに比べるとアナログです。直近ではコールセンターの3密が社会課題にもなりました。

しかし、カスタマーサポートもやはり変わらないといけません。というか今までのやり方だとますます顧客不満足を招き、企業も働く人も更に苦しい状況になることが予想されます。

僕個人としては先程述べたような原体験もあるので、変化に対応できず、顧客から離反される、そして事業やサービスがクローズしてしまうような企業を増やしたくないと本気で思っています。「今まで大事にしていたこと・もの」を安易に手放してしまうなんてことは耐え難いことです。人間でいうと「生き様」を失うようなものです(伝わりづらいかな?)。

逆に顧客行動や顧客の声に真摯に向き合えばそんな事態は防げるはず。そして事業・サービスを成長させていくような良いサイクルが回り始める企業を増やしていけるはずです。

僕らが提供する、KARAKURI chatbotは潜在的な顧客の声と向き合える非常に有効なツールです。実際に僕らのお客様で、下記リンクのショップエアライン(セカイモン)様、エウレカ(Pairs)様、WOWOW様のように、顧客の声としっかり向き合うことでサービス改善していけるような事例も出てきています。

上記のような課題を解決していくためにも、そしてもっとこのような企業やサービスを増やしていけるよう、僕らももっと提供価値を向上させ続けねばと強く感じます。

コロナ禍に負けて「今まで大事にしていた変わらないもの」を失ってしまってはいけません。やりようによっては、自分たちが変わっていけば、もっと明るい未来が待っているはずです。カスタマーサポートに限って言えば、今までは経営的にもどちらかというとコストセンターと見られがちでありましたが、これを機にプロフィットセンターである強いカスタマーサポートであることをきちんと示して、一緒にこの危機を乗り越えていきましょう!

弊社代表の小田やセールス部門の責任者の麹池(キクチ)も、これからのカスタマーサポートに関する記事をまとめていますので、ぜひお読みいただければ幸いです。


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