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白い楓(改訂版)

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頂いたご意見を参考に、大幅な書き換えを行いました。忌憚なきコメントをお待ちしておりますので、今後ともよろしくお願いします。
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#サスペンス

白い楓(1)

 私はペンのノックをいじり始めた。目の前には香山と明という、筆者である私が作り上げた登場…

金田健一
4年前
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白い楓(2)

 一貴山の深閑な住宅街に馴染むように汚れた、三階建てのアパートがある。同じように錆びつい…

金田健一
4年前
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白い楓(3)

 高等学校に身を置いていたころの周旋人に向かって、彼のもとを去る決断を言い渡した女の名前…

金田健一
4年前
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白い楓(4)

「大学の卒業証書は運転免許のようなものだよ」  という姉の言葉が気になった香山は、ぞんざ…

金田健一
4年前
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白い楓(5)

 任意の二人の関係を考えたとき、彼らが互いに二文字以内の名前しか知らぬ関係であったとして…

金田健一
4年前
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白い楓(6)

 明はバーベルを落とすとともに、手を下ろした。上半身には熱気と汗がまとわりついているが、…

金田健一
4年前
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白い楓(7)

 忙しなくガラスを叩く音を聞いた香山が吃驚して吸い寄せられるようにそちらを見れば、手が車の助手席側の窓を叩いたらしかった。さらに覗けたのは、スーツの袖であった。暗がりでは袖の色がよく分からないが、微かな街灯を吸い込む色であったため、黒か青のどちらかであると彼は推し量った。手首を象るような白い袖口が見えた。カラーシャツである。こんな時でもスーツを着てくるのは明らしい、と思った香山は間抜けにも、その手の主が明だと信じたままで、疑わなかった。  周旋人は何もしないで、手の主が他の部

白い楓(8)

 香山は、メールの受信ボックスに見慣れぬアドレスを見つけて、さらに内容を読むとしたり顔を…

金田健一
4年前
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白い楓(9)

 この回想の裏で起こった惨劇は以下の通りである。  周旋人が細かい指示を与えていたために…

金田健一
4年前
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白い楓(10)

 労働に区切りをつけた煙草までを思い終わった周旋人はドアの窓を開けた。静かだった車内に、…

金田健一
4年前
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白い楓(13)

 椅子に縛られたお宮は、力尽きて目を閉じていた。香山は死んでいやしないかと呼吸を確認した…

金田健一
4年前
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白い楓(14)

 一方で香山はお宮の話を聞きながら、自分が依頼されて、直接ではないにせよ殺害した女性Kの…

金田健一
4年前
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白い楓(15)

 一連の会話を受けた凶手は、周旋人と全く別の見解を持った。  それは、貫一が明との対面を…

金田健一
4年前
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白い楓(16)

 明を取り逃がした後、改めて貫一は自分の脇腹を確認していた。彼は明に何度か刺されたので、血が出ていた。そのままでは生死にかかわるために、止血しながら彼は紅葉を電話で呼んだ。移動手段を確保する必要がある。  河原の道を外れた雑草畑の上で貫一は足をのばしていた。この時間帯は、福岡市から唐津方面へ向かう車が多く、いつまでも橋の上は混雑していた。ここ数日はずっと晴れていたが、土はまだ湿っていて、腰を下ろすのは心地のいいものではなかったが、応急処置を済ませるためにはこうして地面に尻をつ