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息子君へ

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息子君へ 遅れてしまったけれど、一歳の誕生日おめでとう。 俺は君のお父さんだよ。けれど、そういう言い方をすると、もしかすると、今俺が語りかけている君は存在しない人間になってしまう… もっと読む
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【連載小説】息子君へ 1 (1 息子君へ)

1 息子君へ 息子君へ  君が一歳になる一ヶ月くらい前の、君のお母さんの誕生日だった日、…

正田幸大
5か月前
26

【連載小説】息子君へ 224 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-12)

 子供時代に触れる情報や、思春期くらいからの活発なポルノ的コンテンツやポルノの消費によっ…

正田幸大
3時間前
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【連載小説】息子君へ 223 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-11)

 どれだけセックスが飛び抜けてひとを喜ばせるもので、どれくらいほとんどのひとにとって、セ…

正田幸大
1日前
5

【連載小説】息子君へ 222 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-10)

 相手に気持ちを動かしてもらえるひとの場合、セックスしていて身体に充満してくる喜びとか興…

正田幸大
1日前
2

【連載小説】息子君へ 221 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-9)

 どうなんだろう。若い頃にいいセックスをしていれば、肉体的な共感能力も向上していたんじゃ…

正田幸大
2日前
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【連載小説】息子君へ 220 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-8)

 けれど、俺がそう思うのは、そもそも俺がわざとらしいことされるのをあまり楽しめなくて、わ…

正田幸大
3日前
1

【連載小説】息子君へ 219 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-7)

 肉体的に共感がまともに働いているのかどうかが、そのひとにとってセックスがどういうものになるのかに大きく影響するということでは、きっと、歳を取るほどセックスが自分の中で大事になっていくのは、ひとの気持ちを自動的に感じ取ってしまう度合いの高いひとたちの方なのだろう。  ひとの気持ちを感じ取れるひとは、自分が思いたいことを思っているよりも、伝わってくる他人の感情に気持ちが動かされることを出発点にして何かを思ったり行動したりする度合いが強いから、心が動かなくなってくることで、前より

【連載小説】息子君へ 218 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-6)

 この手紙のようなものの中では、俺の昔の話は、生育環境の話以外は、ほとんど俺の恋愛とセッ…

正田幸大
5日前
6

【連載小説】息子君へ 217 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-5)

 けれど、義理マンを憎むことからも、男たちが自分の生活の中に何も輝いたものを感じ取れてい…

正田幸大
6日前
4

【連載小説】息子君へ 216 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-4)

 多くの夫婦がセックスレスになるのは当然のことなんだろうなと思う。女のひとからすれば、優…

正田幸大
7日前
6

【連載小説】息子君へ 215 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-3)

 俺はセックスを素晴らしいものだと思っていて、セックスを軽視するのが間違いだということを…

正田幸大
8日前
5

【連載小説】息子君へ 214 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-2)

 どんなふうにセックスが圧倒的に人生に大事なのかというのは、とても簡単に説明できる。セッ…

正田幸大
9日前
3

【連載小説】息子君へ 213 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-1)

43 人生は終わるけれど勃起は続く この手紙のようなものを読んでいて、俺が君のお母さんに対…

正田幸大
11日前
9

【連載小説】息子君へ 212 (42 心は終わっていく-8)

 けれど、そういう時代の変化という問題でいえば、三十歳とか、三十五歳くらいで心が止まってくるとして、女のひとたちの晩婚化によって、心が止まりかけている時期から子供が生まれて、小さい頃の子育てが行われる場合が増えたというのは、近年の子供たちの気質の変化の一つの要因になっていたりするのかもしれない。  親に子育てを手伝ってもらうわけでもなく、育児書を見ながら一人で自分なりに育てるようなスタイルになって、その初めての子育てを、心が止まる前の段階で体験できるのと、心が止まっている状態