【連載小説】息子君へ 219 (43 人生は終わるけれど勃起は続く-7)
肉体的に共感がまともに働いているのかどうかが、そのひとにとってセックスがどういうものになるのかに大きく影響するということでは、きっと、歳を取るほどセックスが自分の中で大事になっていくのは、ひとの気持ちを自動的に感じ取ってしまう度合いの高いひとたちの方なのだろう。
ひとの気持ちを感じ取れるひとは、自分が思いたいことを思っているよりも、伝わってくる他人の感情に気持ちが動かされることを出発点にして何かを思ったり行動したりする度合いが強いから、心が動かなくなってくることで、前より