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私が好きな映画 12選

このnoteでは基本私の個人的な好みの話なんぞ書かないようにしていますが(表題にも記してある通り、事実・論理をベースにしたコラムを目指しております)、たまには志向を変えて好きな映画でも羅列してみます。
当然一介のニワカの個人的な好みに関する記述以上のモノではなく、あくまでも自分用のメモという感じで残しておきます。お付き合いくださる方は是非ご笑覧ください。

・「」(1985年、黒澤明)
まずは世界のクロサワから。僕が最も好きな日本の実写映画監督は何だかんだでクロサワなのです。「用心棒」「赤ひげ」「生きる」「デルス・ウザーラ」「悪い奴ほどよく眠る」「」「まあだだよ」、、、好きな作品はごまんとありますが、「リア王」をベースにしたこの作品が一押し。
遠藤周作を思い起こさせる「神の沈黙」というテーマ、武満徹の音楽による重厚な演出、仲代達也やピーターの好演やワダ・エミの衣装など見どころたくさんで、自分の中で特別な作品となっています。
クロサワ以上に好きな日本の実写映画には出会えていないのですが、早く「ドライブ・マイ・カー」を見に行きたいと思っています。

・「おおかみこどもの雪と雨」(2012年、細田守)
日本が世界に誇るアニメ映画の分野から。細田作品は「サマーウォーズ」「時をかける少女」も名高いですが、僕が一番好きなのがこれ。数奇な運命を持った二人の子供が2つの世界のはざまで迷いつつ、やがては自分の居場所を見つけていく姿。現実世界に生きる我々と何ら変わりなし。またこの映画の美しい映像美も見逃せません。
日本のアニメ映画は名作ぞろい、宮崎駿監督や新海誠監督はもはや日本の代名詞の一つ、あとは「聲の形」「君の膵臓を食べたい」などでしょうか。

・「ライフ・イズ・ビューティフル」(1997年、ロベルト・ベニーニ)
「どの国の映画が一番好きか?」と聞かれれば僕は迷わず「イタリア!」と答えます。「自転車泥棒」「」「8 1/2」「1900年」「ニューシネマ・パラダイス」「山猫」、、、珠玉の名作がズラリ。中でもこの作品は特別。ゆったりと流れる前半部分と事態が急展開する後半部分の対比が印象的。誰もが温かい気持ちになれる映画だと思います。まあ僕自身が一男の父だということもあるかな。

・「夕陽のガンマン」(1968年、セルジオ・レオーネ)
映画を語る上では欠かせない西部劇。僕はレオーネのマカロニ・ウェスタン(イタリアの西部劇)が一番好きなのです。この作品の他「ウエスタン」「続・夕陽のガンマン」なども見逃せません。ピアニッシモのティンパニのロールを使った唯一無二の緊張感、モリコーネの音楽(音楽を先に作りそれに合わせて映像を撮るという手法を用いている)、独特のカメラワークなどで、レオーネならではの独自の西部劇を作り上げています。
ちなみに本場アメリカの西部劇だと、、、大定番「駅馬車」でしょうか。そう考えると僕はそれほど西部劇が好きではないのかも。

・「西部戦線異状なし」(1930年、ルイス・マイルストン)
西部劇と同じく映画では大きなテーマなる「戦争モノ」。古い映画ですが僕はこれが一番。「敵か味方か」のように決して単純でない、複雑さが狂乱を生む戦争と、それに参加する人間の狂気をものの見事に表現しています。
これ以外だと、シリアスなテーマなのにどこか脳天気な雰囲気の漂う「戦場にかける橋」、リアリティのある映像の「ハクソー・リッジ」などでしょうか。

・「素晴らしき哉、人生!」(1946年、フランク・キャプラ)
ヒューマンドラマの傑作。チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」を彷彿とさせるストーリー。「生まれてこなければよかった人間などいない」そんなベタなメッセージさえ新鮮な感動を呼び起こします。古い映画とはいえ、日本のテレビでももっとこういう映画を放送してほしいですね。

・「サイコ」(1960年、ヒッチコック)
サスペンスといったら僕はヒッチコック。これ以外にも「バルカン超特急」「めまい」「汚名」「レベッカ」、、、などなど、どれも観るものの予想を裏切り続けるハラハラの展開で、目が離せなくなります(唯一サスペンスとはいいがたい「」はどうもなんですがね)。その中でも「サイコ」は本当に鳥肌モノでした。ヒッチコックの代表作としてあげられることが多いのも納得です。

・「2001年宇宙の旅」(1968年、スタンリー・キューブリック)
SF映画の金字塔の一つ。また多くの解釈が存在する映画でもあります。特筆すべきは台詞の少なさ。リヒャルト・シュトラウスから現代音楽に至るまで、色々な音楽で音響が構成されています。この映画だと「美しく青きドナウ」がグロテスクに聴こえてくるから不思議な気がします。
終結部が難解なことでも有名ですが、そもそも「解する」必要などないのでは。現代アート作品にはこういうのはあまたあります。アートと映画の懸け橋となったのがこの映画だったのかもしれません。
ちなみにこの記事上部の写真は、以前東京都現代美術館で見たこの映画を題材としたインスタレーションです。

・「ショーシャンクの空に」(1994年、フランク・ダラボン)
最早書くまでもない超名作。この映画は「最後まで希望を捨てずに頑張ればいずれは~~」のような単純なメッセージではない。果たしてこれでよかったのか?主人公は救われたのか?様々な解釈を呼び起こすその奥深さが名作足りうる理由だと思います。

・「シックス・センス」(1999年、M・ナイト・シャラマン)
「ええええー--!!!」となったのはこの映画くらいなもの。あとは「猿の惑星」あたりか。そのくらいのインパクトで完全KOされました。子役の好演も印象的でした。

・「きっと、うまくいく」(2009年、ラージクマール・ヒラーニ)
今僕が一番好きな映画は?と聞かれるとこのインド映画を挙げます。インド映画特有の楽しい歌や舞踊もさることながら、ストーリー展開がとにかく見事!こういう映画との出会いがもっともっとあればいいなあ、なんて思います。

・「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017年、チャン・フン)
パラサイト 半地下の家族」が一躍代名詞的存在となった感のある韓国映画界ですが(どうも「万引家族」と似すぎてる気が)、僕は史実を題材にしたこの映画を選びます。光州事件の凄惨さ、迫力あるカーチェイスなど、息もつかせぬ展開が印象的。こうやって様々な歴史を知ることができるのも、映画の醍醐味の一つですね。

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