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「学校の授業」の利用法・数学編

GIGAスクール構想が大きく進んだ令和4年の今日においても、高校生の学習において最もスタンダードなものは学校で授業を受けるという形式です。

学校に毎日通い、朝から夕方まで授業を受けるという生活スタイルは明治期からさほど変化がないようです。

「学校の授業」の価値の相対的低下

しかしながら「学校の授業」の価値は相対的に低下し続けています。

塾や予備校は日本中に校舎を構え、必ずしも学校で授業を受ける必要はなくなりました。

書店には優良な学習用の書籍が溢れ、ネットで注文すれば翌日には配達されます。

インターネットの回線が増強され、動画コンテンツを過程で視聴できるようになった結果、家で教科の学習を進めることも可能です。

知のアクセスポイントとしての高等学校はその役割を失いつつあると言えます。

とはいえ、全日制高校に通うというスタイルは依然としてスタンダードであり、授業は毎日行われています。

しかし、大学受験においては前述の様々な方法があるものの、卒業の要件でもあり、「学校の授業」は受ける必要があります。

そこで、「学校の授業」をいかに利用するかについて生徒目線で考察していきます。

さらに、教員としてどう対応するかについても考えたいと思います。

授業利用のスタイル:「反転型」 or「 復習型」

「学校の授業」を利用するスタイルには大まかに2種類が存在します。

私は「反転型」と「復習型」と名前を付けています。

どちらも共通しますが、授業中は話に集中し、板書を写すのはメモ程度に留めます。

そして、授業中に扱っている類題や類題を並行して解いていきます。

分からないときは、授業に耳を傾けて確認をします。

「反転型」

反転型は、授業の前日までに次回の内容のオンラインの授業動画を見て理解する方法です。

教科書を読んで理解する方法もありますが、効率を考えると動画を見て予習をする方がはるかに時間短縮になります。

事前に動画で理解をして、学校の授業を受けます。

いわゆる反転授業を自分で行うスタイルと言えます。

授業の説明がわかりにくいという教員の授業や、授業内容が難しくて現時点でついていくのがギリギリの場合におすすめの手法です。

「復習型」

一方、復習型は参考書やオンラインの授業動画をどんどん自分のペースで進めていく方法です。

とにかく先取りで範囲学習をどんどん進めていき、学校の授業で半年〜1年ほど前に終わらせた内容を遅れて復習するというスタイルになります。

基本的には難関大学受験の希望者など、学校の授業が自分のレベルよりも低い場合はこの手法がおすすめです。

また授業がわかりやすい教員の場合でも有効で、授業中の説明で思わぬ気づきや独学で抜けている部分、オンライン動画では流してしまった細部の確認などが効率的に可能です。

「学校の授業」を上手く利用する

最近は某塾や予備校で推奨するだけでなく、独学を勧める動画などもYouTubeの動画なども増加傾向です。

学校の授業を無視する方が受験では成功しやすい、という短絡的思考に染まってしまう人たちも少なくないのではないでしょうか。

もちろん、授業が極端にわかりにくい、あまりにもレベルが自分に合っていないといった場合は別です。

しかし一般的には日中の拘束時間が無くならない以上は有効活用するほうが効率的です。

こそこそと内職をしてもあまり効果は高くないからです。

教員に求められる「多様性」に対する「許容性」

おそらく今後、私が書いたやり方ではないとしても、授業を都合のいい部分だけつまみ食いして利用する生徒は増えていくでしょう。

教員に求められるのは授業の形式を、かつての全員が前を向いて聞くというスタイルから脱却してしまう、と覚悟して許容することです。

おそらく、保守的な一斉授業大好きな教員であったとしても、自分でスタイルを変えることが無かったとしても、目の前の生徒は間違いなく変化するでしょう。

そうした「許容性」の向上が学校や教員に求められているのではないでしょうか。

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