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「リフレクション」の効果に関する考察

ここ数年、授業の後に「リフレクション」(=振り返り)を生徒に書いてもらっている。

授業のプリントに本時の到達目標などを設定し、それに対して言語化する作業をGoogle formで入力する形式をとっていました。

それに関してのこの2年で得た知見をまとめたいと思います。

授業の流れと書かせるタイミング

私の授業では、原則として15~20分程度の範囲学習解説をはじめに行います。

基本的な内容や教科書の範囲を解説し、定義や定理の確認、証明、そして問題の解法を説明していきます。

要は反転学習の家でやる部分を授業の前半で実施する形式です。

本当は反転授業形式も考えましたが、家での視聴の徹底を図ることが難しいため断念し、授業時間内の手短な説明を行う形式に移行しています。

その後、30~35分が問題演習としてあらかじめ公開している問題を解く時間になります。問題自体は前日に公開しているため、事前予習をすることも可能ですし、必要に応じてYouTubeなどの関連する範囲の動画視聴も可能です。

この演習時間に解いて、わからない問題などは質問をするなどが後半の時間のメインになります。この間は自由に周囲と相談をすることも可能ですし、私も巡回しているので自由に質問をできる状態を作っています。

この演習問題を時間内に解けなかった分を宿題として、なるべく次回までに解いてくるように(絶対ではない)指示をしています。

どの程度の内容を書かせるか

「リフレクション」を行うと決めた当初はある程度、授業中に時間をとって書かせていました。

理解できない分野を言語化して理解するというプロセスは魅力的に感じたからです。

しかし、数回を繰り返すと同じ文言が並ぶようになりました。

その結果、わざわざ時間を取って書かせる意味がないと私も考えるようになり、宿題の提出時に書いて出すように設定したところ、当然ながら提出率が激減しました。

ほとんどの生徒が「リフレクション」を書かなくなったのです。

なぜ「リフレクション」を書かないのか

基本的に数学の場合、問題を解けない時の原因は問題の読解、定義定理の理解不足、計算間違いのどれかがほとんどだからです。
(いきなり見た入試問題などでは発想自体が思いつかないというものもありますが、教科書範囲ではそうしたものはほとんどありません)

そのため、毎回印象に残って振り返るほどの内容は受験指導をメインとする私の数学の授業では設定しにくいことがわかりました。

もちろん、毎回感動にあふれるような授業を展開できていない私の側にも問題はあったのかもしれませんが、週に8時間もある授業の中で毎回振り返りをするほどの内容を作るのは私の能力的に、あるいは情熱的にも不可能でした。

現在「リフレクション」の取り扱い

とはいえ、現在も毎回課題にセットする形でformの配信は継続しています。

少ないながらも、気づきがある生徒や印象に残ったこと、セットにして聞いているアンケートや質問の欄に書き込む生徒がいるためです。

そうした直接教員に話しかけにくいと感じている層の意見を拾い上げるシステムとしては存在価値が出たため、現状は継続をしています。

今後、この部分に関しては改善をする必要があるのですが、そこがまだ見えていないのが私の課題です。

また、無理矢理記入を徹底させるほどの熱意も無いため、別の方法や方向性での改善を目指していきたいと思います。

とりあえずの方針としては、無理なく続けられる、生徒側もそうですが教員である私も無理をせずに続けられるやり方を模索したいところです。

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