見出し画像

2024/5/20週|バリュー(行動規範)による評価をする際に一貫性を保つ上でのポイント

企業において人事評価をする際に、社員に求める行動規範(バリュー)が評価の要素に含まれることがあると思います。
行動規範をどの程度体現できていたかを、等級別に定義、設定したとしても、どうしても抽象的な表現になるので、被評価者と評価者の間の主観となり、評価づけにばらつきが発生することはよくあると思います。

こうした時に、どのように評価を運営するべきかについて調べておいたものをまとめておいておきます。参考リンクは下部に。
すべてを同じ物差しで測るのはできないとは思うのですが、評価という性質上、一貫性を保つ努力投入をする価値はある領域と考えています。

バリュー(行動規範)による評価をする際に一貫性を保つ上でのポイント

  1. 行動規範に沿った基準と行動を明確に定義する。
    マーケティング組織内でも以前実施したことがあるのですが、定義されている行動規範について、自分の業務に引き寄せた時にどういうものが行動規範に沿った行動で、どういうものがそうでないのかを話し合っておくことは効果的と考えます。
    基準が具体的で測定可能であればあるほど、主観的な解釈の余地は少なくなります。例えば、単に「誠実さを示す」と言うのではなく、具体的にどのような行動が誠実さを示すのかを話したり、「チームワークを重視する」という行動規範を評価する際には、「チーム内での意見交換の頻度」や「他のメンバーのサポート状況」といった具体的な指標を設定するのも良いかもしれません。

  2. 全従業員の評価プロセスと評価尺度を標準化する。ガイドラインをつくる。
    一貫性のある評価フォーム、質問、評価尺度を使用することで、すべての社員が同じ基準で評価されるようになります。評価は、各マネージャーの個人的なアプローチに任せるべきではありません。運用工数とのトレードオフにはなりますが。
    また、評価ガイドラインも必要ですよね。これには、各評価項目に対する具体的な行動例や期待される成果を明示します。

  3. 評価の適切な実施方法について管理職へのトレーニング機会を提供し、再帰性バイアス、ハロー/ホーンズ効果、類似性バイアスなど、忍び込む可能性のある一般的なバイアスに気づかせる。
    バイアスについて自覚的になり、主観的な意見ではなく、事実と証拠を重視するよう教育していくことが重要です。

  4. 被評価者だけでなく、複数の視点から意見を収集する。
    同僚、部下、一緒に働く他のマネジャーからフィードバックを求め、より包括的な見解を得ることも一貫性の担保につながります。360度アプローチによって一人のバイアスの影響が軽減されると思われるためです。

  5. レビュー時の記憶だけに頼らず、年間を通じて具体的な事例や証拠を文書化し、フィードバックを回しておく。
    頻繁なチェックインやメモによって継続的にパフォーマンスを追跡することで、より客観的なデータポイントが得られ、過去の記憶によるバイアスに対抗できるようになると考えられます。
    評価の結果を従業員にフィードバックする際には、具体的な事例をもとに説明し、どのように行動規範を実践しているか、あるいは改善が必要かを明確に伝えます。これにより、従業員も自身の評価を理解しやすくなります。

  6. 人事部またはさらに上の管理職に、部署を横断して完了した評価を確認させ、一貫性やパターン、赤信号を探させる。
    監視のレイヤーを増やすことで、マネジャーによる部下の評価の大きな食い違いを発見することができます。

  7. テクノロジーツールやAIを活用して、レビューで使用されている言葉や、性別、人種、年齢、その他の属性による評価の分布から、潜在的な偏りの指標を特定する。
    分析ツールは、気づかないかもしれない微妙なパターンを見つけることができます。(個人的には目にしたことがないが興味のある領域)

主観性を完全に排除することは不可能ですが、これらの実践により、従業員が会社の価値観や行動規範を遵守しているかどうかを評価する際の偏りや矛盾を大幅に減らすことができるのではないでしょうか。

参考資料:

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです

お読みいただきありがとうございます。お役に立つ部分がもしありましたらXでシェアいただけますと幸いです!!