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誰よりも何よりも寄り添ってくれる存在だと信じている。

初めて出会ったのは、大学2年生。
世の中がこんなご時世になり、自分自身も何もかも上手くいかなかった時期に彼らの音楽に出会った。そして、私はいつの間にか邦ロックにハマっていた。

本当のことを言えば、大学1年生のころにも一度彼らの音楽には出会っていた。といってもある人が音楽を流しながら、歌っているのを私は聞いていただけだから、もちろん当時は興味も持たなかった。ただ、「マカロニえんぴつ」という一風変わっているバンド名をそこで初めて覚えた。当初の印象としては、名前からしてあまり好きにはなれなそうであった。
それがその一年後に沼に入るように聞き入っているとは想像もできない。もちろんとある人が歌っていた曲も今では大好きな、ちょっぴり切ない甘酸っぱい思い出の曲となった。

いよいよ出会ったころの話に戻そう。
一番最初に惹かれた曲は「ヤングアダルト」だった。
名前からして、ちょっとこれ聞いても大丈夫なやつ?とか今では超偏見的な感覚を持っていたなと思うが彼らの音楽はとにかくギャップが大きかった。
もちろん良い方の、想像以上に良いというギャップ。
MVはもちろん、歌詞に撃たれて衝撃を受けた。圧倒された。




狂うように聞いて、自分の過去をなぞってそれを彼らの音楽が癒やしてくれる。不思議な存在だなと思った。家族や友人や恋人でも埋められない穴を音楽がそっと埋めてくれた。その感覚を初めて味わった。

「ハロー絶望、こんなはずじゃなかったかい?でもね、そんなもんなんだよきっと」


それからというものの、色んな曲に手を出し知っている曲が気がついたら増えていった。増えていく分、彼らへの好きな気持も増していった。
一人辛かった時間も、失恋した時も、新しくスタートを切る時も、寄り添ってくれた。人は裏切ってしまうけれど、音楽は裏切らないと思い始めた。 

口ではどんなに良いことも言えてしまうけれど、それっきりってこともあるし、信じるだけ辛いということもある。だけれど音楽は裏切らない、何を根拠に私がそう述べるのかは分からないけれど、彼らの音楽からはそれが全力で聞こえてくる気がしているから、そんな風に感じるのだと思う。

それともう一つ。
なんでこんなに好きになったのかなと思うと、彼らの音楽は「過去・現在・未来」すべてに焦点を当てた曲があって、しかもどの自分もどんなに最低でも認め、ありのままの姿を肯定してくれているところだと思った。
なんて言うか、大人にならなきゃと思わなくても良いように思わせてくれる。そんな歌詞を3つほど紹介します。

「どんな未来の色だってさあ!受け入れて生きなきゃダメなんてそりゃないよな、ヘイブラザー泣いてもいいんだぜまだ。まだ。まだ。まだ。風になるためのうた」

「生きてりゃ死ぬが、咲かなきゃ枯れないぜ 羽が欲しい 自由は怖い
飛べないうちは頑張って歩くかな 旅に出る詩」

「ごめんな、まだ夢があんだ ギリギリまだ人で居たいんだ 死ぬ前にもっとちゃんと生きたいんだ」

はっとりさんの書く歌詞は、どこか大人の世界を知った絶望やあきらめが見えるのにそれでも、もがいて生きていくんだってメッセージが感じられて大きく共感してしまう。恋愛系の曲に関しても、無理に忘れろ、さっさと次に行くぞってよりかは、未練も全て今の自分の感情を認めてあげようぜってそういう風に聞こえる。これもまた3つほど紹介します。

「ねえ、もう一度だけを何回もやろう、そういう運命をしよう 愛を伝えそびれた でも確かに恋をしていた 恋をしていた」

「冷めないで 消えないで そう願ったって遅いのに
愛して まだ相手してほしくて なんて、もう馬鹿だよな ねえ行かないで 棄てないで もう縋ったって遅いけど」

「声をもっと そばでずっと 聞けないなんて辛すぎるな 今はきっと言えるはずさ どうしようもないくらいにあなたが好きだって あなたがいなきゃ駄目だって」

失恋したときに、友人に相談したら「時間が解決してくれるよ」って簡単に言われたけれど、ああ全然私の欲しい答えじゃないんだよな、結局人の孤独は分からないし、自分の孤独は自分だけのものなんだと思った。
だから、音楽があって良かった。思う存分に振り返り、泣き、自分の孤独を必死に飼いならしたんだから。

だから私はわりと真面目に思っている音楽は、「誰よりも何よりも寄り添ってくれる存在」であると。

マカロニえんぴつの音楽は何より過去を照らしてくれた。何故なら彼らの音楽を聴いて思い出されるのは、一番辛かった時の生活や自分だから。もう沢山泣かされた。今でも苦しくなるね、沢山沢山辛かったけれど今日まで音楽に生かされてきた。何もかもが上手くいない時に出会ったのだから皮肉な運命だとも思った。どうせなら、一番幸せなころに出会ってもっと幸せを彩って欲しかったなって。
それでも出会えなければもっと沢山の物事を諦めていたと思うから、心の底から彼らの音楽を知れたことに感謝している。

こんな歌詞が書けるはっとりさんの人生に私はあこがれてしまうし、彼らの音楽があればどんな酸いも甘いも受け入れてやろうっていう気持ちにもなれる。特効薬だね、私にとっては音楽が唯一のすがれるものだった。
彼らの音楽に出会えたおかげで、私は一回り強くなれた、ありのままの格好悪い自分でさえも愛してみようと思えた。
マカロニえんぴつが私の青春でした、なんて大きなことは言えないけれど私の大学生活には欠かせない存在であって彩ってくれたことは確かな事実。


残りの学生生活もグッドミュージックと共に走り抜けたい!






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