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『うりふたつ』の裏側。

片喰 一歌とは?


 まず申し上げておきましょう。何者でもない、どこにでもいるただの好事家です!!(※ALI PROJECTさんの事も大好きですが、今回はそういう意味ではございません。)

 いろいろ省略しますと、今年の8月11日(改名後、作品初投稿日)から1年のあいだに『チキチキ!何作世に送り出せるかな?チャレンジ☆』に興じる生粋のドMです。イチカ、自分追い込むのだーいすき!

 え? 他人に追い詰められたら? その方を地獄の底まで追い回しますが。(マジなトーンで怖い事をお言いでないよ)

 光と闇のEndless Battle……

 なんだかもうこの時点でツッコミどころ満載ですね……?

 本当はPNの由来や創作歴(?)などについても語りたいんですが、そちらもまた今度にいたしましょう。

 数ヶ月前の恋愛100といい、我ながら捉えどころがないなぁ……とつくづく思いますが。(あの記事が要領を得ないのは、『徹底的な秘密主義者が、なるべく嘘のないように』書こうと努力した結果です。)

 私の事はお好きなように解釈していただきたいです。変な奴だとお思いでしたら変な奴として、狂人なら狂人で……なんだって構いません、みなさまの思う私が私です。

 ところで変な奴も狂人も大差なくないですか? まぁいっか!!

 そんな感じで今回も大真面目にふざけていきますよー!



『うりふたつ』って何?


 片喰がネット上に初公開した作品です。昨年。最近ですね。

 まず、タイトルから紐解いていきましょう。

 キャッチコピーの「かぼちゃの馬車にメロンの網目。彼にそっくり、あなたはだあれ?」にあるように、ウリ科の植物がふたつ登場する……というのがまずひとつめの意味。

 もうひとつの意味は紹介文に示されています。

 ある日、アキノの前に現れた死んだ恋人・ハルトにそっくりな顔をしたナンパ男。無口な彼とは対照的におしゃべりな彼は、自分をハルト本人だと言い張る。半信半疑なアキノは彼の誘いに乗り、『冥界デート』に付き合ううちに、彼が本当にハルトだと確信し……

『うりふたつ』紹介文より一部抜粋

 
 そのままです。『瓜二つ』という慣用表現ですね。平仮名にしたのは、今回はその表記がいちばん合うと思ったからです。

 ジャンルは現代ファンタジー/恋愛。ラストの解釈によっては多少ホラー要素も含まれるかもしれません。

 ご自由に解釈していただきたいのですが、作者はハッピーエンドのつもりで書きました。あの人はあの人です。ご安心を。

 ……とは言いましたが、同じような事例が起きた場合も必ずしもそうだというわけではないので、そこに関してはご注意くださいね。

 やっぱりホラーじゃないですか! やだー!



『うりふたつ』の裏話/設定



 (※この章には『うりふたつ』のネタバレが含まれております。ご閲覧はすべて自己責任でよろしくお願いいたしますね。)


 本題に入る前にお話ししておきましょう。

 なぜ急にこんな試みを思いついたのかといえば、アルファポリス様の近況ボード機能がきっかけです。

 カクヨム様にも近況ノートなるものはございますが、個人的に近況ボードのほうがとっつきやすいというか、目立つ位置にあるので、更新する気が起きやすいんですよね。

 字数制限があるので、放っておくと長文になってしまう特性持ちとしては、必要最低限に文章をまとめる力を鍛える事ができそうだというのも魅力的に映りました。

 では、そこになにを書くか。

 更新情報のお知らせだけでは味気ない。で、あれば……作中では描ききれなかった裏設定をお話しする場にすればよいのではないかと思いまして。

 すでに投稿済の記事にはまだ載せられていませんが、現時点でも語りたい事が沢山あるのを、どうにか押さえつけている状況です。

 しかし、複数あるサイト様内のサブコンテンツとあっては、読者様が限定されすぎているのではないかと感じました。

 確かに私は現在、アルファポリス様・カクヨム様・Nolaノベル様にて作品を公開させていただいておりますが、実はサイト様ごとに1作品ずつ、そちらでのみご覧いただける作品を置いております。

 CD等を購入する際、ECサイト様によって特典が異なる事がありますね?

 店舗限定特典というんでしょうか。ああいうの、とってもわくわくしませんか? 私はします!!

 だから、自分でも似たような事をしてみたかったんですよね。

 限定作品を増やしたい気持ちと、最終的にはどこでもすべて閲覧可能にしたい気持ちとのあいだで揺れていますが、いまはいいとして。

 近況ボードに書く予定の裏設定をこちらでも公開していく事にいたしました!(もちろんコピペではありませんよ。あちらはあちら、こちらはこちらです。)

 毎度の事ながら、本題に入るまでが長いですね。お待たせしてしまいましたが、語っていきましょうか。『うりふたつ』の裏設定についてなぁ!!(誰? ねえ…!! 誰なの? 怖いよおッ!!)



 まず、舞台についてですが、10年ほど前の現代日本をベースにしております。

 作中にとある作品の台詞が登場するので、異世界ではなく現実世界と地続きでないと整合性が取れないというのが主な理由です。

 それと、脳内に浮かんだイメージの街行く人々はいまほどマスクを着けておらず、お店の出入口には除菌用のアルコールが設置されていなかった……というのも理由のひとつに挙げられるでしょうか。

 しかし、現実世界がベースになっているとはいえ、特定の都市がモデルというわけではありません。複数の都市から要素を抽出して掛け合わせた存在しない場所です。ご自由にイメージして楽しんでください。

 

 次に、主人公であるアキノとその恋人・ハルトの名前の由来についてお話ししましょうか。

 命を除けば、親から与えられる最初の贈り物である名前。名付けの方法はもちろん人それぞれでしょうが、そのうちのひとつに、誕生した季節そのものやその季節を連想させるお名前、旬の植物などをそのまま付けたり、一部入れたりするパターンがあると思います。

 ですが、作者の私は、ふたりの誕生日を設定していません。キャラクターの誕生日を設定するのも好きですが、必要がなければ考える事はないので。

 では、一体どういう事なのか。

 簡単です。ふたりの名前は、それぞれが死ぬ季節を暗示しています。

 アキノとハルトの両親がそれを知っていたわけではありません。まったくの偶然です。皮肉かもしれませんが、最も大雑把に分けて季節は4つしかないのですから、結果的にそうなってしまう事もあるでしょう。

 また、季節を採用した事にも理由があります。

 そうです、『四季の始まり』です。ハーデースにペルセポネと来れば……ですね。作者は確かにとてもイイ性格をしていますが、ただの意地悪ではありません。


 ……と、ここまではTwitterでぽろっとこぼした既出の情報がほとんどであったと記憶しておりますが、ここからは初出の情報です。



 こちらは作品の内容に直接関わっている部分ではありませんが、作者がこだわったところなので、お話しておきますね。

 回想のワンシーン。ハーさんとの会話中、ハルトの台詞に『喧嘩中のカップルの片方』という言い回しが出てきます。

 ときにみなさん。

 カップルと言われて、どんなふたりを思い浮かべますか?

 男性と女性の組み合わせでしょうか?

 ……困った事に、情けない事に! 作者であるこの私、いちばん最初に浮かぶのが男女のカップルなんです。

 まぁそれは、創作をするうえで最も好きな組み合わせだから……という事も関係しているとは思いますが、幼い頃からの刷り込みが完全にないと断言する事は不可能です。

 なんか、悔しいじゃないですか。そんなのは。

 いままでなかったものにされてきたひとたちが、勇気あるひとたちのおかげでせっかく可視化されてきているのに、いままでのテンプレートをわざわざ踏襲して差し上げる必要なんて、これっぽっちもないじゃありませんか!

 そもそも、外見と内面は違って当然です。それは性格のみならず、性別にだって言える事。もし男女の組み合わせに見えても、実際がどうかなんてわかりません。だから、ハルトもああいう言葉選びをしました。彼は作者よりずっと聡明です。

 以上を踏まえて、もう一度、想像してみてください。

 みなさんの脳内の『喧嘩中のカップル』は、どのような人たちでしたか?

 (最初から男女にイメージを固定していなかったよ、って? あなた、最高に素敵ですね! 尊敬します。)



 さて、熱くなってしまいましたが……そろそろ次のお話へまいりますね。

 お次は、再会したハルトが別人のようになっていた理由について、お話ししていきましょうか。

 こちらは気付いてくださっている方がいらっしゃるとしたら作者が最も喜ぶポイントですね! そのためにこの記事を書いたと言っても過言ではありません。

 作中でもアキノが疑問を呈して、ハルトも一応は答えていますし、それが嘘だという事ではないんですが、実は彼が彼女には語っていない理由もあったんです。

 というか、厳密に言えば質問に対する答えにはなっていなかった(=論点が少々ズレていた)事に気付かず、アキノは納得してしまったんですけれどね。彼女は素直ですが、自己解決/完結しがちな側面があるのは否めません。

 作中では、突然ハルトが愛情表現豊かで饒舌な人物になった理由について本人の口から説明されていますが、ハルトの口調が変化していた理由については実は明らかになっていないんです。

 要約すると、ハルトはアキノと生前にした約束を果たすために再び彼女の前に姿を表したのですが、彼はせっかく会えたのだからと以前の分を取り返すように愛の言葉を捧げます。

 ……なにか引っ掛かりませんか?

 そうです。それだけなら、口調まで変える必要はないんです。

 では、なぜ彼は以前とは異なる口調になっていたのでしょうか。

 ここで思い出してほしいのが、ハーさんことハーデースの口調です。

 一人称など細部に違いは見られますが、作中でアキノと話しているときのハルトにどことなく似てはいないでしょうか?

 作中の季節は秋。しかも、『平年より気温が低い』ので、冬の戸口を叩いているようなもの。ペルセポネは冥界に下ってきたばかり。

 ハーさんは1年のうちの1/3しか冥界で過ごす事のできないペルセポネに、あの手この手で愛情を伝えます。会えないあいだも仕事の合間に暇を見つけては彼女に連絡するハーさんの様子を間近で見てきたハルトは閃くのです。

 「俺もハーさんになったつもりで話せば、『お喋りな悪魔の口』に頼らなくても、アキノに素直な好意を伝えられるのでは」と。

 ハルトはその仕事ぶりやハーさんに見せる態度から窺えるように、真面目で質実剛健な男です。だからこそ、アキノへの好意も伝えにくかったことでしょう。言いすぎれば軽いものになってしまうだろうと思い込んで。(それにしても、生前の彼はあまりに言わなさすぎました……)

 ですが、彼は形から入るタイプです。まずは型を落とし込んで、そこを満たすための努力をするのです。

 彼もどこかの誰か同様、素直ですから……ハーさんの口調の真似は、彼が自分自身にかけた魔法ともいえるのかもしれません。やっぱり彼は魔法使いですね。

 ハルトが『お喋りな悪魔の口』に頼っていれば、スムーズに本人確認(?)ができていたかもしれませんが、『お喋りな悪魔の口』に頼らなかったからこそ、アキノは再会した彼の言葉を本心として受け取れたのではないでしょうか。……なんて、久々に読み返して思いました。



 さて、こんなところでいかがでしょうか。

 今回、お伝えできた事はほんの一部ですが、発見次第またこういった場を設けることもあるでしょう。別作品でもしてみたいですね!!

 最後にもう一度。

 ご興味がございましたらぜひ『うりふたつ』の世界に足を踏み入れてみてくださいね。いつでもあなたのご来訪をお待ちしております。

 それでは、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!

 また次回の記事でお会いしましょう。



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