マガジンのカバー画像

私だけの詩領域

25
詩の価値なんて知らないよ これは私だけの空だ
運営しているクリエイター

#作詞

【作詞】夜未満

【作詞】夜未満

1

PM5:23
ブルーライトに沈んだ目
私の心は汚れちゃって 
処女喪失した日を覚えてない

ほしいメッセージが届かなきゃ
機種変したって意味がない
最新型のスマートフォン
動悸と同じバイブ音

*

給湯室
窮屈そうなキス
見ちゃったの
あいつとあいつの蜜

「生まれつき文学と既婚なんで
愛とかいらないタイプなんで」

そうやって掲げた免罪符に
苦しんでんの自分でしょ

**

もうつらいや

もっとみる
N回目の春の歌

N回目の春の歌

1

「桜が咲く度君想う」
「桜降る度君想う」

歌い尽くされた春の歌
どこかで聴いた恋の歌

桜散る前にチル前に
何かを生もうと空仰ぎ

空っぽの青に浮かぶのは
音符の逃げ出した五線譜

「唯一無二なんてもんは
実はどこにもありはしない」って
満員電車の片隅で
吊り革広告が嗤った

*

それでも君は歌ってよ
そのままそこで歌ってよ

君が桜を歌わなければ
春は枯れていくだけだろう

桜が美しい

もっとみる