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東京でOLをしながら小説を書いていた頃

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だいすきでだいきらいだった東京。
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#詩

この詩に誰か旋律を

この詩に誰か旋律を

『星束』1

*

硝子の夜を重ねては
水槽の中の夢を見た

ペンネーム:海の三日月さん
「誰かここから連れ出して」

*

都会の星は散らばって
路上を彩り無理心中

夜空をちぎって飲み干した
追憶すらも遠ざけて

***

どこだって
誰だって
ほんとになんだってよかった

どこにだってもう行きたくなくて
片道切符の汽車の中

きみだって
そうだって
ほんとになんでもよかったんだ

途中下車さ

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渋谷スクランブル交差点で狂う

渋谷スクランブル交差点で狂う

可愛くないと殺される街、渋谷。
ある詩人が、かつてそう歌った。

私は殺されるだろうかと、
怯えながら歩くセンター街。

学生の頃、早く起きすぎた朝や眠れない夜なんかに、よくスクランブル交差点の定点カメラ映像を眺めていた。
この中に自分が混ざる未来と、一生混ざらない未来を想像した。

いつか、この定点カメラの前で狂ってみたいと思っていた。

結局、混ざる方に人生は動いた。
けれど混ざった自分が、こ

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