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shizugon
2022年3月27日 07:20
どこになにがありますか?ぼくのせなかにはこうらがありますとりはずしもできますこうしてたたいておとをだすこともできますカホンみたいだねってきみがわらいますだからうれしくてぼくはたくさんこうらをたたきますリズムにあわせてきみがうたうのでたのしくなってこのままときがとまればいいなっておもいますゆびをみせたらきみがおどろいてぼくといっしょだと
2022年6月2日 11:27
「きょうはおねしょしなかったよ」マキはエミリーにこっそりいいました。エミリーはパチパチと2かいまばたきをしました。おねしょをしない日は、ユミちゃんにめいわくがかかりません。これからは、せんたくのお手つだいもしたいとおもいました。マキがおりこうさんにしていれば、みんなにもめいわくがかかりません。お空をみれば、ママがわらっています。だけど目をとじると、ママがないています。ママが足をひ
2022年3月29日 16:39
ナオが居なくなって一週間が過ぎた。ナオと同じ部屋のミズキは先生に呼ばれ、ナオから何か聞いていないか、行き先に心当たりはないか聞かれた。ミズキの知っているナオは、いつも冷静だった。不機嫌を顔に出したり、暗い顔をしていたこともなかった。かと言って、楽しそうにしている顔も、笑っている顔もあまり見たことがなかった。なにかあったのかな。検討もつかず、ナオのことを思い浮かべながらも、ミズキの視線は
2022年3月4日 21:14
決めた。すべてからさようなら。わたしのすべてを運命という名のカプセルに入れてしまうなら、自分から捨てに行けばいい。ナオの心は大きな静けさを手に入れたように冷静だった。今朝の食堂での、ユミのブチ切れ事件。ママに会いたいと泣き叫ぶユミの姿を見て、あのハルでさえ、目を伏せ涙を堪えていたのがわかった。他の子もそうだった。みんなの親を待つ気持ちが痛いほど伝わってきて、食器のぶつかる音
2022年2月11日 12:57
洗濯機の前で三回目の洗濯物が回るのを、ユミはぼんやり眺め、朝の出来事を思い出し目を瞑った。もうすぐ2年生になるというのに、いつまでもおねしょが治らないマキに、またきつく当たってしまった。マキだって、わざとおねしょをしているわけじゃないのもわかっている。どもりながら、謝るマキにもイライラした。いつまでもベッドの上でグズグズしているマキの腕と足をつねり、乱暴にシーツをはがした。その反動
2022年1月30日 19:18
ユウトが園を出て、坂道を下りていくのをすべり台の上から見送った。すべり台の上の一番高い所からは、園から数十メートルはある坂道と出入口の門が少しだけ見渡せた。ユウトは、最後までわたしを探していた。みんなとのお別れをし、シスターや先生方も涙を流す中、困ったような笑顔をみせていたユウトの目は、わたしを探していた。市の決まりで、ユウトは中学になると男子だけの養護施設に入らなくてはいけ