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読んで面白かったnote

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感想を書かせていただいたもの以外にも、面白かったnoteをまとめさせていただきます。
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2019年2月の記事一覧

大人の領分 番外 彼と彼女

金曜の夜に「友達と会食」の予定を入れた、と彼女から連絡が入る。仕事の合間に店を検索する。…

【超短編】もうだれも車を取りに来ることはない駐車場

月極駐車場で車たちはおとなしくたたずんでいた。 どの車もうだれも取りに来ることはない。何…

【掌編】ヨルノナカ

夕闇は紺青にしずみ、コンビニの明かりがしろく発光している。店内に足を踏み入れると、ちゃら…

上田聡子
5年前
26

文字で魅せる音・におい・温度

先日、高嶋イチコさんの作品を校正させていただきました。その体験談をnoteに投稿してくださっ…

さちこ
5年前
16

帰ってきた支配者【ショートショート】【#16】

「おい!聞いたか!?」 バタンと大きな音を立てながらドアが開き、勢いよく酒場に男が入って…

たけのこ
5年前
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【小説】こたつから出てこない

姉がこたつから出てこない。文字通りの意味だ。夕方六時にバイト先から家に帰ってくると、朝僕…

上田聡子
5年前
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68日目:からくり【絡繰り】→掌編小説

からくり【絡繰り】 糸・ぜんまい・水などの動力を利用して、人形や器物を動かす仕掛け。また、その仕掛けを使った見せ物。 ◆◆◆ ゼンマイを巻くようなカラカラカラという乾いた音が、廊下を伝って遠くから、ゆっくりと近づいてくる。 祖父が襖をあけると、そこには童女を模した日本人形がいた。 人形は両手にちいさな盆を持ち、そのうえには茶碗が一つのっている。祖父に促されて茶碗を手にとると、人形の歩みがとまった。 カラカラカラという音がなくなると、急に居心地のわるい静寂が訪れる。 「面白

【小説】朝から夕方までの喫茶店

厨房の流しで手を洗ったあと、礼子は業務用冷蔵庫の正面にかけてあるタオルで手をぬぐい、タオ…

上田聡子
5年前
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