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何の役にも立っていない読書が1か月で役に立つ読書に変わった話【「読書脳」感想】

プロローグ

「読書脳」を読んで、一番衝撃だったこと。
それは、今までの私の読書は「何の役にも立っていない」ことを思い知らされたことだった。

覚えていない、つまり「記憶」に残っていないということは、それは「知識」としてあなたの中に定着していないということ。もっと言ってしまえば、その読書は何の役にも立っていない、ということと同じなのです。

「読書脳」樺沢紫苑著より

情けない話だが、生まれてから42年、読んだ本の内容の大半は覚えていない。

もともと読書量は多くないし、読書熱心でもない。
1年前に樺沢紫苑先生主催のウェブ心理塾に入会してから、本を読むようにはなったものの、読んだり読まなかったりと、ムラがある状態だった。

人生の半分以上、ほぼ意味のない、無駄な読書をしていた…。
衝撃を受けた私の頭の中をめぐっていたのは、過去の読書遍歴だった。

過去の私の読書は、ないないだらけの読書だった

小学生の時に、「ナルニア国物語」を読んだことがある。楽しかったからかというと、そうではなかった。貸出カードを埋めるだけのものだった。

高校生の時には国語は苦手科目だった。文章はもっぱら、受験勉強のためだけに読んでいた。大学生の時は、学問に必要な本を最低限読む程度だった。

社会人になったら、大学までの積み重ねで難しい本が読めて当然と思いきや、全然頭に入ってこない。当然だ。読書量が足りないのだから。
後輩の育成に悩んでいた時に、上司から「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン 人々を惹きつける18の法則」(カーマイン・ガロ 著、 外村仁 解説、 井口耕二 翻訳)を読むように言われて読んだものの、全く活用できなかった。

また、本を読む目的を明確にしていなかったので、最初のページから漫然と読み始め、読み切れないこともしばしばだった。

「読書脳」を読んで、私の読書が意味のない、無駄な読書となった理由がすべてわかってしまった。

まず、本を読む「目的」がない。
目的があっても、それは「必要に迫られて」なものだから、読書を楽しめず、「自己成長」につながっていない。
おまけに、読書慣れしていないのに難しい本を読んで、挫折している。

「読書脳」を読んで実践したこと

私は、「読書脳」を読んで、以下のことを実践すると決めた。

  1. 本は初めから読まない。本をパラパラ読みして全体を把握し、本を読む目的(ゴール)と方法(読み方。速読か精読か)を設定してから、読書する。

  2. 「この本は何日で読む」と決めて読書する。実際に「読書脳」を読んでいるときに、Xで読了機嫌を宣言し、期限内に読了した。

  3. 本のセレクトは読みやすい入門編からにする。

  4. 読み終わったら、読書記録ノートを付ける。読んだら3回以上、SNSなどでアウトプットする。

実際にこれらを実践して、読みかけだった本も含めて1か月に5冊読了できた。私の先月までの読書量は1か月に1、2冊程度だったのだから、約2.5倍増えたことになる。これは驚きでしかない。

おまけに目的を持って読んでアウトプットすることで、本の内容が記憶に残り、本を読んで得た気づきの実践が加速度的に早くなった。

子どもに読書の良さを伝えたい

そして、私は、一人の子どもをもつ母親として、この新たな体験を次世代に伝えたいと思った。

子どもが読書を通じて成長してもらうには、まず読書嫌いにさせないことが大事だと思っている。そこで、私は、小学3年生の息子に、学校の図書の時間には、今まで通り興味を持った本を借りてきて、楽しく読んでね、と伝えていた。

ある日、私はダイニングテーブルに自分が読んでいた本「かがくいひろしの世界」(ブロンズ新社、沖本敦子 編)を置いていた。すると、息子が、本の表紙に誘われ、その本をパラパラとめくり始めた。

そして、彼は、その本の最後に収められた、未完絵本の内容に夢中になった。
私たち親子は、数日間、その話題で持ちきりだった。

彼が楽しみながら本に親しむ姿を見て、私は本当にうれしかった。

エピローグ

「読書脳」を読んで得られたことは、単なる本を読む行為で得られることをはるかに超えていた。
自身の行動を加速化したうえに、他人の行動で感動したのだから。
この本に出会えたことは、とても幸運なことだった。

これからも、私自身が楽しんで読書をして「知識」を自身の血肉にし、「自己成長」サイクルを加速させたい。

そして、子どもにも読書の魅力が伝わるように、今後も、私の息子と読書にまつわる会話を楽しみたいと強く思っている。


(注)かがくいひろし(1955-2009)絵本作家。50歳でデビューし、2009年に亡くなるまでの4年間に16冊の絵本をのこす。


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