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本棚は段ボール

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読んだ本の感想を述べています。 ネタバレ等ありますので気にする方は気をつけてください。
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2024年3月の記事一覧

本棚は段ボール Vol.27 『和菓子のアン/坂木司』

本棚は段ボール Vol.27 『和菓子のアン/坂木司』

読み始めたとき、ああ、将来を決められない女の子が和菓子または和菓子屋さんに出逢って和菓子屋さんで働いて幸せっていう話だなあと思った。

けれどすこし予想が裏切られた。
まず、老舗の和菓子屋さんと出会うのかと思ったら、デパ地下の和菓子屋さん。

というか、よく見たらあらすじに、「お仕事ミステリー!」と書いてあった。ミステリーだったのか。

友達におすすめされて読んだので、中身を全く知らず、あらすじす

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本棚は段ボール Vol.26 『暗闇にレンズ/高山羽根子』

本棚は段ボール Vol.26 『暗闇にレンズ/高山羽根子』

 面白いが、難しい。
すっきりと理解して楽しむ類の話ではない。
読んでいてしんみり、じんわり、面白いなあと感じるもの。

現実をぼかす、嘘の混ざったもの、または嘘そのものを現実と思い込ませる。
高山羽根子さんの小説にも、似たようなところがあり、SFなのに本当にあったことのように感じる文章です。
だから、この本で言えば、高山羽根子さんの小説は、映像的なのかもしれない。

本棚は段ボール Vol.25 『そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ』

本棚は段ボール Vol.25 『そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ』

 幸せかどうか、不幸かどうかは自分で決める。人にとやかく言われる筋合いはないが、自分で感じる自分の幸、不幸の度合いを、他人にぴったりと当てられると、その言葉には愛を感じてしまうなあと思う。
 きっと私のことをよく見ていてくれていなければ、それはわからないことだから。
 私は娘の立場で読んで、なんだか結婚がしたくなった。結婚、離婚したとしても、素敵だ。一緒にいようと決めること。それってすごいことだし

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本棚は段ボール Vol.24 『被覆と身体装飾の社会心理学/B.B.カイザー』(上、下巻)

 小難しい本を読みました。

卒論で使うために買って、使うところだけちょろっと読んで、放置していた本。

 つまりは、服が人間を動かし、また人間が服を動かしていくということ。

 着るものは、自分を表し、また、人からカテゴライズされる大きな判断材料となること。
それを利用した戦略も取りうるということ。