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しろくまさんと僕

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しろくまさんの刑事モノです
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#朗読

しろくまさんと僕(6)

しろくまさんと僕(6)

第6話「しろくまさんと新人」

休暇が終わり、仕事に復帰してからしばらくたった。時どき気配を感じてふり返ることもあったけど、そこにしろくまさんがいることはなかった。



「新人と組んでもらえないだろうか」

という署長の言葉に、僕はだまってうなずいた。そろそよ新しい相棒が必要だと考えていたからだ。それに、しろくまさんが僕にしてくれたように、後輩を教えるのがいまの僕の使命なのかもしれない。

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まもなく最終話?「しろくまさんと僕」出演者インタビュー

まもなく最終話?「しろくまさんと僕」出演者インタビュー

いつも「しろくまさんと僕」を読んでいただき、ありがとうございます。さて今回は、まもなく最終回を迎える「しろくまさんと僕」について、主演のお二人をゲストに迎えてお話を聞きたいと思います。

早速ですがよろしくおねがいします。

僕「よろしく」

しろくまさん「よろしくお願いします」

(※しろくまさん以下「しろ」)

まず、作品についてお聞かせていただきたいと思います。お二人の考える「しろくまさんと

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しろくまさんと僕(5)

しろくまさんと僕(5)

第5話「しろくまさんと休暇」

「行くところもなくてさ。なんか悪いね」

これからどうするつもりなの?と聞くと、悪びれた様子もなくしろくまさんは言った。シロクマという生き物は幽霊になると、少し図々しくなるのかもしれない。

しろくまさんとプライベートを一緒に過ごすことはほとんどなかったけど、僕らは相棒として長い時間を過ごしてきた。そういう意味では、休暇だということを除けば、普段どおりといえなくもな

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しろくまさんと僕(4)

しろくまさんと僕(4)

第4話「しろくまさんと飲みすぎ」

頭が痛い。

カーテンの隙間からもれてくる光で頭が痛む。どうやら飲みすぎてしまったみたいだ。えっと…昨夜はたしか。だんだん記憶も意識もはっきりしてきた。

※※

昨日、署長に休暇届を提出してから、すぐに帰り支度を始めた。相棒のシロクマが殉職したことは、署内のだれもが知っていた。葬式以降、同僚や先輩、上司とは一通り顔を合わせているので、帰る僕に声をかけたり呼び止

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