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雨…傘立てに置いた傘は…雨上がり〜晴れたらどうして置き忘れるのかな?


少し前の頃は
「梅雨」は
シトシト…雨が降った
本当に
シトシトと…
雨だれは
一粒ひと粒
目に見えて
一粒ひと粒
掌に受け止められて
一粒ひと粒
指先からそっと落ちていった
紫陽花は
雨に寄り添い
その紫陽花に
カタツムリはひそむ
そのカタツムリの上を
子どものアマガエルは
「お先に」…と
ピョコリっと跳ぶ

この光景は
やはり
シトシトの雨にこそ
似合う

閉め切った納戸は
雨が続いた湿気で
少し
カビのにおいがするかも…

そして季節は
確実に次に進み
梅雨は明ける

「梅雨明け」

指揮者が指揮台に上がり
そのタクトの先を一心に見つめる
オーケストラの
団員のように
そのタクトが
ふり降ろされた瞬間を
一瞬で感じるように

蟬は鳴き出す

梅雨空は
この目覚めた蝉たちの合唱で
この迫力に
吹き飛ばされる

それでも
梅雨明けの頃は
時折…雨が降る
傘をさして
目的地に行く
傘立てに
傘を置く

用事を済ませた時には
晴れた空
眩しいほど

傘を持ってきていたことは
すっかり忘れてる
傘はなくても
足は
スイスイ進むから







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