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【詩】冬霧

冬の日が好きだ。
命の尊さを、最も感じられる季節だから。
呼吸が見え、
赤くなった頬と指先からは血液が見え、 
冷たくなった唇と身体から、死が見える。

夏の日は、きみの命が感じられない。
熱く燃えるような身体は、
ただ屍が炎を纏いながら踊っているようにしか見えない。
生と死が両方見える、そうしてはじめて、
きみは生きているんだねって思える。
そう思えるのが冬の日だけなんだ。

今はその日、きみの命を感じられる季節。
初詣に行った時しっかりお祈りしたから、
多分もう、夏は来ないよ。
来てほしくないよ。



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