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ひと言で有馬温泉を説明する

世界的に稀有の温泉が湧き、日本一の歴史を有する有馬温泉
最近、その核心を取材してくれるメディアが増えてきた。
しかし、なかなかひと言で説明しにくい。
そこで資料をつくってみた。

有馬の温泉をひと言で・・・

有馬の泉源に行くと源泉の温度が100℃近い温度が記載されています。
火山があると100℃近い湯が湧くのですが、有馬の六甲山は火山ではありませんし、近畿地方には火山がないのです。
こんな高温の温泉が湧くはずがないのです!

有馬の温泉の塩分濃度は6%あります。ただし時期と泉源により、その値多少異なります。上の右側には、ある番組の塩分濃度の高いランキングの画像を張り付けています。有馬温泉は1位で3.92%、2位の青森県の温泉が2.24%となっています。そしてその画像の下に海水の場所による塩分濃度の図を張り付けていますが、海水の一番濃いのが3.6%、薄くて3.1%です。
海水より濃い温泉が湧くはずがないのです!

湧いている温泉は600万年前?

600万年前の日本列島は、現在の形をしていません。

この時に、フィリピン海プレートが紀伊半島の下に潜り込んで行きます。
フィリピン海プレートの生成された年代は5000万年前と2500年前の新旧のプレートに分かれています。プレートが古いという事は冷めていて重くなっています。そうすると沈み込む速度が速い。逆に新しいプレートは熱いので軽い。だから沈み込む速度が遅い。
近畿地方に沈み込むプレートは1年間に約3.5cmと言われていますので、単純ですが600万年の時を経て、有馬の地下50km下に到達します。
沈み込む際に取り込んだ600万年前の海水と上部マントルの成分を溶かし込んだ湯が湧いてくるのが有馬の温泉です。

火山でないのになぜ湧くか?

通常火山は海のプレートが陸のプレートの下に沈み込み、100kmぐらいの深さに達すると、沈み込み際に含んだ海水の力を借りてマグマが形成されます。そのマグマが上昇しマグマ溜まりをつくります。それが地表に噴き出すと火山になるのです。

火山を中心に15~6kmの範囲に温泉が湧きます。日本の多くの温泉は雨や川の水が地下に浸みこみ、マグマの熱で温められて、さらに成分等が加えられて地表に湧いてきます。

地球上で一番新しいフィリピン海プレートは熱くて軽いので、太平洋プレートと違って、日本列島に沈み込む角度が浅いのです。
そしてちょうど有馬温泉の地下50~60km下に達した時に、600万年前に取り込んだ海水を放出するのです。でも温度は1000℃以上あり、超臨界水状態になっていますので、上部マントルの色々な成分を溶かし込んで湧いてきます。プレートからの直結の高温の温泉なのです。

プレート直結温泉となぜ言えるのですか?

プレート直結温泉という言い方は、巽好幸先生がネイチャーのサイエンスレポートに論文を掲載されています。

金泉と銀泉

最近、銀泉の事をよく聞かれます。
銀泉は炭酸泉やラジウム、ラドンの放射能泉を指します。

温泉って難しいと思うのですが、湧いた瞬間を指すのか、湧出して浴槽に注がれた状態を指すのか・・・

まず説明用に画像をつくりました。

有馬の地下200m以上下に、海面みたいな湯を含んだモノがあると考えてください。
ここに達するまで井戸を掘って、湯を吸い上げているのです。

有馬の地層は花崗岩で出来ています。花崗岩は年月が経つと風化してボロボロになります。炭酸ガスやラジウムやラドンと言った放射能は気体なので、花崗岩の細かい隙間に入っていきます。
それが地下水と結合して炭酸水や放射能泉として湧き出るのです。

温泉は湧出した瞬間を指し、浴槽に注いだ状態と違う場合が多々あります。
金泉には多量の炭酸ガスや放射能泉を含んでいますが、湧出した瞬間に大気に放出されるので、浴槽に注いだ状態ではほとんど含まれていません。

でもその他の成分は多量に含まれています!
でも銀泉は・・・

放射線浴は、浴槽に浸かるというよりも温泉が湧出した場所で、ホルミンシス効果があるといわれる放射線浴は可能です。実際有馬の泉源に行くと放射線量は多いです。

放射能泉としても日本有数

ここに・・・微量のラジウムラドンおよびアスタチンから水銀までの原子核崩壊によって生じる放射性同位体が含まれるのが特徴。たとえば有馬温泉の源泉近くでは13マイクロシーベルト/時を被曝する。この量は、原子力安全委員会の指針では屋内退避が推奨される被曝量である。

これに対し、「健康への悪影響は一切なくむしろホルミシス効果による免疫細胞の活性化により健康になるため積極的に被曝すべき」とする者もいる。

と記載されています。13マイクロシーベルトはないと思うけど

東京で0.10,天神泉源で0.37,源泉の流れている所で0.75マイクロシーベルトありました。

湧出時の温泉は無色だが、時間がたつと赤茶色になる。

有馬の温泉の鉄の含有率や塩分濃度は高いです。
しかし地球は鉄の塊ですので、赤茶色い湯はあちこちで湧きます。

でも、濃さが違います。

温泉の塩分濃度

2023年12月1日

  • 極楽 2.0%

  • 妬  3.0%

  • 天神 4.2%

  • 有明1号 2.6%

  • 有明2号 3.0%

  • 亀の井  5.6%

今日はここまで

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