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経営者の葬式は、小さな葬式や家族葬のような「人脈・縁を切る」ことはやってはいけない。

白柳 孝 つれづれ日記 Vol.47

1.人脈・縁はお金では買えない最高の応援団です。

税理士として事業承継や相続対策のお手伝いを多く行って来ましたが、最後の親から子への人脈承継が蔑ろにされています。
一般に、生きている間の人脈の引き継ぎは、会社に息子を入れて教育するとか、社長交代などでお披露目パーティや息子を連れて取引先を訪問するとかしています。それは人脈が経営者にとって重要と言うことが分かっているからです。次期社長を連れてゴルフに出かけたり、飲み会に連れて行って紹介などもしています。

2.最大のチャンスは、葬式、結婚式等冠婚葬祭です。

葬式の時に喪主の挨拶は何というか、これを活用すべきなのです。

「本日は最後までお見送りいただきまして、故人もさぞかし皆様のご厚情に感謝いたしておることと存じます。
なお、残されました私ども家族に対しまして、今後とも生前と変わりなきご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒、お願い申し上げます。
この言葉で人脈の引き継ぎが出来るのです。そして葬儀終了後に時間を掛けて1件1件丁寧にお礼の訪問をするのです。

経営者は人の面倒をみるのが好きな人が多い、特にこちらから頼っていけば喜んで力を貸してくれます。

3.親や先祖の人脈を引き継ぐのは、遺された遺族です。

人脈・縁という見えない力、お金で買えない応援団を子供達遺族に遺すのは、親の責任です。最後の税金のかからない相続財産は人脈・縁なのです。これを残すには子供達に言っておけば良いのです。「俺の葬式は○○寺で、盛大にやってくれ、お金はかけなくて良いから、大勢の人を呼んでくれ」「そして葬儀後にはきちんと丁寧に訪問してくれ」と言えば良いのです。その為の費用は別にとっておくのです。

葬儀費用はけちっても、葬儀後のお礼の費用はけちってはいけない。
その費用を別にしておくのです。相続財産として子供達相続人に分割したら、あっという間に無くなってしまいます。
テレビコマーシャルのように「生前母はお葬式は小さくて良い」などと言うことは、子供に人脈・縁の引き継ぎをさせないという事なのです。

4.親兄弟親戚縁者の応援団をもっと大事にすべきです。

日本が戦争で負けてから、家のしがらみを無くそうとか、妻の権利とか、個人主義とか、はては夫婦別姓とか、親兄弟親戚縁者はしがらみや面倒くさいものという風潮にさせられてきました。
しかし税理士として顧問先の経営相談等を40年もやってきた経験から、「親兄弟親戚縁者」の繋がりが深いほど事業の安定や発展に繋がっていると言うことが分かります。

事業を独立し始めたときに、周りに縁のある人が多い場合はみんなが応援してくれます。反対に知らない人ばかりの土地での開業はものすごくご苦労されています。勿論成功するかどうかは本人次第ですが、応援団がいるかいないかではものすごく違う事は確かです。

身内マーケティングと言って、まず身内、自分の知り合いをお客にするということを積極的にさせるコンサルタントもいるほどです。
また地震や台風などの被害の時に、家がなくなったらどこに世話になるか、身内がいるかどうかで避難先が全く違ってくるのです。
日頃は何の付き合いも無く、冠婚葬祭だけの付き合いでも、イザと云うときや親戚が商売を始めたときなど喜んで駆けつけてくれるのが、身内親戚、そして縁のある人なのです。

5.今までブチブチに切ってきた、親兄弟、親戚縁者の根っこを張り直そう。

新型コロナで冠婚葬祭が出来なくなっています。家族葬の風潮で親戚関係を切っています。こちらが一度切ると相手も冠婚葬祭だけでなく、親戚付き合いも呼んでくれなくなります。お年忌などもどんどん縮小されています。

マスコミも個人が大事と私達を洗脳しています。しかし個人は弱いです、数・量が力になるのです。今から世界が大変な時代となります、倒産が激増し、株価も暴落し、世界大恐慌から戦争になるかも知れません。新コロなどの感染病も蔓延するかも知れません。

いま個人のネットワーク、縁のある人を繋げる人脈作りが大事だと思います。

新型コロナでどんどん人間関係が分断されていきます。友達でも近づかないでと、学校でも職場でもマスクをして近づかない、要するに人間関係を切っているのです。

マスコミに踊らされてはいけない。最後は人間関係です。
もう一度自分の縁のある人を繋げていきませんか、親戚関係を見直しませんか、NHKテレビのファミリーヒストリーは先祖の大切さを教えてくれています。ルーツを見直すことで人生が豊になります。

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税理士 白柳 孝


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