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製茶工場、稼働中。

4月25日から近隣の農家さんの製茶を請け負っています。
自家用茶として、親類縁者が飲む分だけ作っている方が多いのですが、伊東市に製茶工場は当社だけになってしまったので、最盛期はなかなかの活況です。自社茶園の製茶と合わせて、お茶工場の稼働もピークを迎えています。

今年はコロナの影響でGWにお茶刈りを手伝いに伊東の実家に帰ってくる親類縁者がおらず、人手不足でお茶刈りをやめる農家さんもちらほら。

そんな前代未聞の流れの中、当社茶園のお茶も刈頃を迎えました。

お茶刈りから荒茶が出来上がるまでを紹介したいと思います。

収穫用の袋を配って

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お茶刈り


伝統の2人用刈機です。毎年友人に手伝ってもらっています。感謝!

収穫

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工場に持ち帰り蒸し機に投入します。

緑茶は不発酵茶です。
茶葉の発酵を蒸して止めるお茶が『蒸し緑茶』。
茶葉の発酵を釜で炒って止めたのが『釜炒り緑茶』です。

当店のお茶は『蒸し緑茶』です。

蒸し機へ

蒸し設定は『中蒸し』

自園のお茶は『中蒸し』です。
流行りの『深蒸し』だと、味や色は良く出るのですが、茶葉の形が細かくなってしまいます。
うちのお茶は仕上がった時にぐり茶のグリグリとした茶葉形状が欲しいので中蒸しにします。

蒸し機から粗揉機へ

蒸された茶葉が『粗揉機』へ投入されます。
「そじゅうき」と呼んでいます。

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センサーで水分量を見てますので、設定した水分量になると自動的に排出されます。が、天候、気温、湿度などに多分に影響されるので、時々茶葉状態を手で取って確認します。

写真無いのですが、中ではへら状の「揉み手」、フォーク状の「さらい手」という、二種類の金属が回っていて、熱風を当てながら粗く揉み、ある程度まで乾かしていきます。

粗揉機から揉捻機へ。

「じゅうねんき」といいます。粗く揉んでクタクタになった茶葉の水分量を均一化すべく重りを載せて揉み込みます。茶葉の芯や茎の内部からも水分を引き出し揉んで均一化します。均一化がうまくいっていないと仕上がりにバラつきが出ます。

揉捻機から中揉機へ

「ちゅうじゅうき」です。
揉み込まれて固まった茶葉を解しながら熱風で程よく乾かします。
仕上げが『煎茶』の場合は精揉機で伸ばすので軽めに乾かします。
仕上げが『ぐり茶』の場合は茶葉を伸ばさないのでしっかりめに乾かして乾燥機へ。荒茶の出来上がりです。

精揉機

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「せいじゅうき」。
うちの精揉機はセンサー式ではないので、これが1番経験や勘が欲求されます。動画の一番上、取っ手の付いたやつは可動式の重りです。
奥に押すと軽くなり手前に引くと重くなります。
下が釜になっていてガスバーナーがついており、常に熱せられています。
茶葉が一か所に留まらないように動かしながら均等に茶葉を熱します。
茶葉の湿り気が少なくなってくると茶葉が伸びなくなるので、状態を手に取って確認しながら重りを軽くしたり重くしたりしながら直線状に伸ばします。

※「伸びる」とは、ぐりぐりと縮んでいる茶葉の見た目を煎茶状に伸ばす事です。乾かしながら伸ばします。ぐりぐりした状態で乾かして荒茶にしたのがご存知『ぐり茶』です。正式名称は玉緑茶。

中揉機からこの状態で出てきます。このまま仕上げると『ぐり茶』

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上のぐり茶状態を精揉機で伸ばすと『煎茶』↓。茶葉が伸びてます。

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最後に乾燥機で乾燥。熱風の中を30分くらい通って出てきます。
完全に乾いた訳ではないですが、これで『荒茶』が完成です。

乾燥機

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ぐり茶が出たところ

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この状態のお茶は粉も茎も全部入っていて茶葉の大きさも揃っていませんが
野趣に富み素朴でうまいです。
昔は茶農家が自宅用の賄い茶として飲んでいたそうです。

この後『仕上げ加工』を経て売場に並びます。

仕上げ加工の詳細は前回ブログにて。

5/4現在、雨でお茶刈に行けません。
当店茶畑もあと半分くらいは残っています。
近隣の遅い場所の生産者の方々も明日以降、刈って持ってくると思います。

当工場は茶葉を60kgずつしか処理できないので流れによっては昼夜を問わず稼働です。

現場はギリギリ崩壊していませんが、慢性的な人手不足!

静岡産の新茶も最盛期を迎え、荒茶が毎日のように届きます。
仕上げにも大忙しです。
もう少しで静岡産新茶をいろいろとご案内できると思います。
その都度HPやインスタで紹介したいと思います。

あと10日程は忙しい日々が続きそうです!

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番外編

2020年、当店茶畑の風景をどうぞ。

5/1 八十八夜

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4/29

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最後に、何もかも卒業して繁忙期にも笑って見てるだけになった当店の会長、マスターブレンダー、ティーオブゴッドに100g¥1,080のぐり茶の新茶をテイスティングしてもらいました。

齢94

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渋川剛気?

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うまい!とのお言葉を頂けました!

寿命が延びたそうですw

安心して売場に並べられます。

近隣の方おまたせしました。
当店か、『いで湯っこ市場』にて販売中です。
発送も承っております。

100g¥540ぐり茶の新茶はもう少しお待ちください!







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