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自宅を建てる-17 ヒノキ

しおやです。

今回はヒノキについて書いていきます。

前置き

ヒノキ(桧)って建築にとってとても大事な素材です。

法隆寺も薬師寺もヒノキでできています。こういった寺社で使われるヒノキは原木で直径2m、長さは15~20mのものが必要で、そうなると樹齢も2000年前後のものになり日本ではもうほとんど無いようです。(参照「木のいのち木のこころ」西岡常一)

住宅で使うのは105mm(≒3.5寸)角や120mm(≒4寸)角なので細くても良いですが、お寺などの柱はとても太くて真っ直ぐなものが必要なのです。

そんなヒノキですが、一般的な住宅では土台や柱といった構造材としてや、床、壁、天井などの仕上げ材や家具などに使われます。木目が美しく香が良く、杉より少し緊張感があるように思います。
杉も日本建築に欠かせないですが、柔らかく、優しい感じのある材料です。価格は地域や等級などピンキリなので、良い杉は高くなりますが、同程度の仕様ならヒノキの方が高価です。

余談ですが、日本を代表する建築家である内藤 廣氏の設計事務所によって先日紀尾井清堂(2021)という建築が完成し、私もその内覧会に参加しました。そこでは内壁や天井にを使用していて(床や手摺はナラ)、とても重厚な空間に柔らかさも感じられる空間を作っていました。
その少し近所に同じく内藤事務所によるとらや赤坂店(2018)があり、内覧会後に久しぶりに寄りました。そこではヒノキを使っています。こちらでは木の優しい雰囲気もありながら少し高級感があり、固く、きりっとした空間に感じます。材料の違いでの雰囲気の違いが分かる面白い体験ができました。

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↑紀尾井清堂の内観写真

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↑とらや赤坂の内観写真

ヒノキに似た木

ヒノキに似た木でヒバがあります。青森ヒバが有名です。これも香りがとても良いです。
あとサワラというのもかなり近い樹種で、寿司屋さんのまな板でも使われているのを見たことがあります。匂いがヒノキやヒバほど無いそうため、こういった使われ方をします。

化粧柱

化粧柱というものがあります。プラスターボードなどに隠されず、単独で空間に現れます。こういったものは、化粧柱と指定すると節がほとんど無く美しいものを選んでくれます。

自宅でも個室にあります。

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写真:長谷川健太氏

この写真の右よりの柱がヒノキの化粧柱です。

梁を大きくすれば柱は要りませんでしたが、あまり梁を大きくしたくなかったのもあり、柱は残しました。空間の使い方をある程度誘導してくれ、この部屋にキャラクターを与えるような存在です。

化粧柱は下の写真のような背割りが出てきます。きれいな面が変な割れ方をしないよう、あらかじめ割っておくのです。

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浴室のヒノキ

浴室編でも書きましたが、浴室の壁にも使っています。
言うまでもなく、ヒノキは水に強い方です。まな板にも使われていますね。ただ強いといっても、完全に無敵ではなく、ずっと湿気があるとやはりカビます。手入れをしていく必要があります。ちなみに浴室のヒノキは保護塗装もしていません。素のままで、香りも楽しめるようにしたいという考えからです。

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お風呂の蓋もヒノキの物を購入しました。

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https://ehime-hyakka.com/sugomono/products/furniture/furniture-bath/i0077/

これも香が良く、また美しいです。湿ると香りを発します。少し重いですが、樹脂製の風呂蓋も意外と重いですよね。サイズは伸びることも勘案して標準サイズにしましたが、もう少し大きい方が良かったかもしれません。ただ標準からサイズを変えると一気に高くなるため、ここは標準に甘んじました。

あとタオル掛けもヒノキ製のものを購入しました。笑

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かなり細いですが結構丈夫です。軽量で、使わないときは畳んでおけて便利です。濡れたバスタオルを干しますが、触れている部分も小さく、水は下へといくのもあり、今のところ問題ありません。ヒノキクラフトさんの商品です。


ちなみに自宅のリビングダイニングの天井は杉です。

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写真:長谷川健太氏

こちらは面積も大きく、価格面もありますが、やわらかく優しい雰囲気を求め杉を採用しました。

次回はテレビについてです!

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自宅を建てるシリーズ


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