銀の輔

路上ペンギン写真家。東京の街角にペンギン(銀の輔)を置いて写真を撮ってます。 http…

銀の輔

路上ペンギン写真家。東京の街角にペンギン(銀の輔)を置いて写真を撮ってます。 https://500px.com/p/shiosenbe?view=photos

最近の記事

Pしんぶん その6

神社長の町  勝ってくるぞと板橋区でお馴染みの、仕事終わりはすぐ北区と並んで二十三区屈指の魅惑タウンでありますよ。池袋辺りから区内随一の幹線道路たる川越街道を走ることしばし、幸せに包まれた板橋区幸町があるのです。幸町ですよ!東京でここと勝負できるのは、台東区寿くらいでしょうか。でもね、こちらには神様がついてるのだ。しかも社長さん。株式会社ゼウスですから、創業者にして未来永劫社長という万全の組織体制。   静かな住宅街の真ん中を貫くさいわい通りの、無闇に背の高い建物もなく、

    • 無思想町徘徊紙 Pしんぶん その5

      横丁で大きいってどういうこと? 普通◯◯横丁と言えば、路地に毛が生えたような狭い道だろうと思うもの。かのプー横丁もきっと小ぢんまりした趣き深いとこに違いない。だから「大」を冠するのが既におかしいのに、「通り」まで付けちゃった大横丁通り実業会は、本郷三丁目駅近く、見目麗しき復興建築エチソウビルのちょい先、本郷通りからひょいと入って、抜ければ壱岐坂が白山通りにぶつかるちょい手前に出る一本道は、確かに横丁には少し広いけど、だからって大横丁かなぁ。  でも歩道にはプレート街路樹脇

      • Pしんぶん その4

        ご近所駅前東西南北守護神巡り いにしえより国家中枢の四方は堅固に守らねばならない。鬼門だけ押さえりゃいいってものじゃない。ので東京もきっちり東西南北を冠する駅が守護神ばりに守ってる…かどうか知らないけど、そういうことにPしんぶんが決めた。ので、お手軽にサクッと巡るのであります。   東と言えば東京駅。世界中から老若男女が集結する玄関口、やや集まり過ぎなこの駅を睥睨するのは、我らが鉄道の父、井上勝。駅舎復原工事の時には、消滅か?と思ったけど、全日本鉄道的に神様ですからね、一見

        • 東京逍遥 その4

           放ったらかしネガが酸っぱい臭いがし始めたら気をつけた方がいいよって教えてくれたのは、鳥越の洋食屋さんのご主人。下町の写真を撮り続けてる凄い人。本棚の上に積んだネガ箱を見るたびに、思い出すんだけど、まっいいかって後回しにしてきた。でも年明けはやる!って年末に宣言したので、平井の写真展でお世話になった恵比寿の写真屋さんに持ってった。「何本ですか?」、「300本です」。全て90年頃から撮ってきた銀の輔の街写真だ。おじさんが笑ってた。ナンバーふってないネガも結構見つかって、今度は僕

        Pしんぶん その6

          東京逍遥 その3

           去年見たかったけど間に合わなっかた『ファースト・カウ』をシネ・リーブルで見ねば、あぁこの映画館も随分久し振りだなと思ったんで、久し振りついでに池袋北口の伯爵に行った。初めて行った深夜、その怪しげで謎めいた雰囲気と客層に気圧され、東京では珍しいストロングスタイルのコーヒーを飲みながら、聞き耳を立てるひとときだったんだ。  でも朝は流石に普通で、それどころか喫茶巡りっぽい若者や外国人観光客が盛んに写真を撮っていて、あの頃だったらひと悶着起きるよなと思いつつ、エンドレスで流れる

          東京逍遥 その3

          東京逍遥

           神田明神は親父の実家が氏子で、両親も僕らもここで結婚式を挙げたこともあり、ご近所の氏神様と共に初詣に行くんだけど、今年は控えているもので、松が取れた今日、新年のご挨拶に。そもそも三が日に明神様へ行くには決死の覚悟が必要で、仕事始めを過ぎないと、ここで一日が終わっちゃうんだよね。なので、本日ゆるりと。  お昼をどうしたもんか?と思ったけど、カミさんの鶴の一声で池之端。外界から遮断された静かで穏やかな二間ぶち抜き空間、炉が切ってある奥の床の間には伊東深水の美人画掛け軸二幅、手

          東京逍遥

          東京逍遥

           お口くちゅくちゅモンダミン♪のメロディを聞いて降り立つ山手線神田駅から、ひょいと浮世小路を折れ、小津和紙の「久」が輝くビル方向、だからといって百兵衛さんのように長谷川町に出る訳もなく、かといって久蔵みたいに椙森神社にも行かず、伊場仙で国芳にも会わずに小舟町パークレットで、子どもたちが遊ぶ公園を窓越しに見ながらサワードウとクラフトビールという寸法。ごめんねマツムラ。  冷たい風にほろ酔いの心持ちよくうかうかと、昭和通りをひとまたぎ、神田駅から垣間見た日本橋を渡りつつ、揺れる

          東京逍遥

          Pしんぶん その3

          ・本所甘いしょっぱい攻撃  寒くなるとね、もんじゃの季節かなぁって思います。年季の入った鉄板で手を暖めながらね、コテになすりつけた溶岩の如く熱いやつ、どろどろとしたあの生涯固まらないお好み焼きみたいな奴を頬張ると、口ん中が一気に熱せられ、ソースとうどん粉と微塵切りキャベツの溶解物の旨味が押し寄せてくる訳です。このままじゃ大火傷じゃぁ~という時に、ビールと言う名の特別消防隊をささっと流し込む。黄金色の麦酒がきめ細かい泡と共に、口の中を穏やかに取りなしてくれるという寸法。  

          Pしんぶん その3

          Pしんぶん その2

          ・銀の輔、銀座で思う日々  秋ですよ、来ないと思ってた秋が来ました。来年は常夏かも知れないけど、二丁目の奥野ビルの柘榴は、ちゃんと実をつけたし。  でもまだ緑が残ってる、どころか濃かったりね。いつもならとっくに枯れ枝みたいになってるはずの紫陽花が、ドライフラワー一歩手前くらいで残っていたりしてます。銀座もそんな感じです。柳の葉もちゃんと茂ってて、もうちょっとで地面につきそう。それが秋風にゆらりゆられて、それは素敵な景色です。  銀座通りを横軸の芯棒にして見ると、銀座通り

          Pしんぶん その2

          P新聞 試運転号

          ・東京プチアーカイブ  秋葉原駅前にやっちゃ場があった頃の記憶は皆無だけど、がらんどうの大建物だけは頭ん中に残ってる。どころかやたら高い吹き抜け天井の空き家へ、テニスをしに行ったりしてた。自転車で走り回ったりね。普通に日々ここを通り抜けて駅に向かう人もいたし、キャッチボールやローラースケートする近所の子もいた。あの近所に住んでるってのも凄いけど。  いやまてよ、あの頃もしかしたらまだ孤軍奮闘してる業者さんがいたかも知れない。お店はなくても倉庫として利用してた人が。我が分類不

          P新聞 試運転号