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瀬戸しおり
2021年2月19日 17:35
キリストの救いとはなんであろう。受洗して2年が経とうとしている。求道から数えたら15年も経つのに、私は「キリストの救い」がいまいち理解できていなかった。それはあの膨大な聖書の世界観を知らなかったことも大きい。聖書は66巻に分かれている。このうち65巻までは過去のものだ。すでに終わったもの。成就されている。この65巻までの最初から最後までが編纂されるまで2000~3000年もの時を隔てている。こ
2021年2月18日 16:10
聖書には6千もの神の約束があると言われている。そのなかで私が最も好きな箇所とは、新約聖書ローマ人への手紙8章28節だ。「神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」この御言葉は私の心をはなはだ打つものであった。平たく言えば「どんな過去も神はよきものに変えてくださる」という約束だからだ。私の過去というものはプロフィールに乱書きしているように、辛いことが多かった
2020年11月24日 16:29
スタジオアリスに午前11時に到着。店舗の自動ドアを潜るとすでに熱気でもわっとする。着物を着た母たち、ドレスを着た子供たち、手持ちぶさたな父親たちと、忙しく動き回るスタッフたちの吐息が充満して生温くて気持ち悪い。大声で子供のテンション上げつつ「はいこれなあにーーー!?」などとシャッターきる女性カメラマンの声が南国の熱風の中にかいくぐるようなワンフロア―だ。衣装レンタルのみを頼んでいた我らはとっ
2020年5月29日 11:33
「出産したら女は廃る」というのは本当だろうか。確かに産後の女はそれまで自分にかけていた洋服代、化粧代など美に費やす金は子供服やおむつへ移り、9か月にわたる妊娠期間で「白菜1個分」の大きさ重さの胎児をはらんでお腹の皮はのびっのび、ケアを怠れば乾燥で瓦状にひび割れた妊娠線が残る因果なものである。私の場合、妊娠前に43kgだった体重は53kgと10kgも増量。なぜか3kgの胎児をお産してもそこから1
2020年5月28日 09:52
眼鏡をかけた強迫性障害の、たしか32歳の色白の女性と、その真正面に座っていた眼鏡をかけた浅黒い臨床心理士は、とても良く似ていると思った。私が22歳、精神病棟に初めて入院した1月の冬の出来事である。主治医の指示によってグループカウンセリングに行くように言われた私は頭を抱えこんだ。そんなものは見たことも聞いたこともない。今でこそHuluやNETFLIXなどのVODの普及で海外ドラマの断酒会などの
2020年1月10日 18:18
人を殺めて無期刑となった人と交流をしている。自身の教会を通じての文通である。この人生で自殺した同級生は数人いるが、さすがに人を殺した知り合いはいない。私たち教会員は前もって犯した罪を知らされない。「積極的に聞いてはいけない」との牧師さんとの約束のもと、手紙交流希望者は名乗り出て文通を始める。そして私は2人の文通相手が決まり、やりとりが始まった。実際に服役している方と交流していると、
2020年1月9日 09:10
私には、自分に罪なんてないと思っていた。「You are already guilty(あなたは生まれながらに罪を犯してるんだよ)」20代のころアメリカ人の友人にそう言われたけど「はぁ??」と思っていた。キリスト教は罪罪罪罪・・・の世界だ。「罪があるから神が救ってくれた」そう考える世界。去年洗礼まで受けたくせに、私は自分にだけは何の罪があるのかわからなかったし、洗礼式で読む証(スピ
2020年1月8日 14:00
父から年賀状が2枚来た。『ん…?』と思ってよく見ると、1枚はすべてひらがなで書かれてあった。娘当てに1枚、別に書いて印刷していたのだ。「4がつからしょうがっこうだね。これからもたくさんたのしんでね」みたいな内容だった。これは6歳の時の私にあてた文章でもあったのだろう。だから私は胸が詰まった。私は5歳くらいから同じ家に住んでいたのに父と話した記憶がない。母が父を忌み嫌っていたので、
2020年1月4日 21:23
「初詣に行きたい」と夫が言い、毎年言っている近所の神社に行った。50mほどの参道を突き抜けた道路まで人が行列しており、途中に立っている厄年や八方の看板をじーーーっと真剣に見ている参拝客を見ると、「どこが無宗教だよ…」と夫を含めて思う光景だった。本当は日本人も神様を心底信じているんだろう。私もかつてはそうだった。今私はクリスチャンになったので、もう長いこと神社や寺で手を合わせることをして