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雨の香りペトリコール

雨が降った時に、地面から上がってくる香り、ペトリコール。

ギリシャ語で石のエッセンスを指す言葉。


学生の頃は雨が嫌いだった。行き帰りで濡れてしまうのや、傘を持ち歩くこと、家から1時間半ほどかかる学校に通っていたから、ジメジメした車内に長時間居続けるのもしんどかった。

部活動も運動部のマネージャーをしていたこともあり、雨なんて関係なく濡れながら活動していた。

そんなこともあり、雨は嫌いだった。


いつからから、雨が嫌いではなくなった。

たぶん、外に出ることが買い物やお出かけなどの予定がある時に限られたからだろう。仕事も

フリーランスなので仕事も基本家の中でで完結するため、外に出るのは週に1~2回程度。

大雨なら予定をずらせばいいし、少しの雨でも車で移動することがほとんどなので、あまり害はない。


むしろ、雨音やペトリコールを感じながら、ベットの上でゴロゴロ本を読んだり、窓の外を眺めたりするのが好きになった。

私は一軒家の2階に部屋があるので、大粒の雨が屋根に弾く音もよく聞こえる。


また、庭の植物たちにやる水やりも、その日は免除されるので少し得した気分にもなる。


多分私は、雨による嫌なことを自分の力で回避するという選択ができないことが嫌だったのだろう。

服や髪の毛、荷物が濡れたり、気分が下がったり、じめじめしたり。

そうなることがわかっているのに、絶対に回避できないことが嫌だった。


雨だから学校をサボる。部活をサボる。

そんな理由で、回避できるほど肝は据わっていなかった。


今は、雨に濡れるという選択も濡れないために予定を変えるという選択も自分でできる。

だから、雨が嫌だという気持ちがなくなった。


むしろ、音や香りを楽しむという1つの趣味が増えたとも言える。


雨の日に入る露天風呂や、卒業のプレゼントでもらった傘。

雨の日だからこその楽しみも増えた。


何かを嫌う時は、嫌う理由を自分に聞いてみる。

私が回避できない不自由さを嫌っていたように、雨ではない何かが嫌いな理由なのかもしれない。

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